マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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兄はどこまでいっても兄だった。


第三十九話~兄はいろいろ改造した~

 

 

 

 

 

 

こんにちは、兄のサトシです。最近シンジやジュンからバトルを挑まれる回数が増えて忙しくなってきました。

バッチの数もそろそろ揃いつつあり、はやくリーグに行きたいと思っています。

…え?前回登場したときになんかやる気になってたって?ああまあそれは後々…今はまだ準備も何もできていないからな。

 

 

あと、いろいろと面白そうなことがあるのでやろうと思う。

 

 

「デンジさん…ちょっといいですか?」

「…なんだ?」

 

今回やりたいことというのは、俺とオーバさんとのバトルを見てやる気を出したのはいいのだが、ロケット団ではない悪党がナギサタワーを乗っ取り占拠したタワーについてだ。

…ロケット団がでなくなってトラブルが急激に減ったのはいいけど、たまにこういった悪党が出てきて困るんだよな。

その後、俺たちでなんとか悪党を捕まえることはできたが、ナギサタワーが停電を起こしてしまいジムも壊れバトルすることが困難になったため、デンジさんとのバトルは延期になってしまったのだ。

俺はそれならばとデンジさんに話しかける。ジムを直していくのならば、ナギサタワーをちゃんと制御するのならもっといい方法があると考えたのでそれを提案することにしたのだ。

 

デンジさんの作ったナギサタワーは町の電気の供給源となっている。だからタワーが駄目になってしまうと一気に停電になり、ゲームのようにいろいろと不備が起きて今回のようにバトルできなくなったり必要な電気がなくなってゲームのように町に行けなくなってしまったりというのは妹から前に話で聞いていたから、それならばもっとよく改善できると思った。

 

ソーラーシステムで電気をつくり、ナギサタワーで制御しているという話をオーバさんから聞いた。ならば、他にも電気を作り出すシステムをつくり、もっと効率よく使えないかと思えたのだ。

 

「デンジさん。ナギサタワーだけでなく、ポケモントレーナーにとってバトルにふさわしい設備、そして二度と停電を起こさないように改善していく良い案があるんですが、ちょっと話に乗りませんか?」

「……いいね。面白そうだ」

 

デンジさんはやる気のようだ。俺は小さく笑みを浮かべて話を続ける。どうせしばらくバトルできないのなら、いろいろと町全体を変えていったらいいと思っているからいろいろ改善していこう。

 

 

 

そしてできたのは町とジムのちょっとしたセキュリティシステム。

あの悪党がタワーを占拠するという事件が起きたから二度と起きないように設定したシステムだ。

ナギサシティのなかで何か悪さをしていた場合、もしくはしようと行動した場合は警備システムが作動し、動き出したロボットが今回新たに作り上げた地下のベルトコンベアに落とし、また町の道路にいた場合は機械的な落とし穴が作動して自動的にベルトコンベアに行くように設定した。

ベルトコンベアがどこに行くのか。それはもちろんナギサのジムだ。だがジムは来る人の性格ややり方によって難易度が変わる設定にすることにした。変わると言ってもそのトレーナー本人がジム挑戦への道を自分で決めてもらうというものだ。

ジムに挑戦したいというトレーナーも来るだろうから、電気タイプ専用のバトルや、普通のバトル等もできる様に設備を整え、出入り口はちょっとした分かれ道を作る。分かれ道はもちろん様々なバトル場へ直行する道とアスレチック場へ行く道の2つになっているのだ。

ジムは挑戦者の2つの選択を選んでもらい、バトルに直行するか新たに追加したアスレチック場から挑戦していくか決めてもらう。

アスレチック場は挑戦者とポケモンとのコンビネーションを整え、心を一つにし十分やる気が出る様に小さな仕掛けを用意し、それを突破すればジムに挑めるようになっている。そしてその挑戦を途中でやめ、すぐバトルがしたいというのならまた分かれ道へ戻り、バトル場への道を進めばいい。

少し面倒だと思うかもしれないが、ポケモンとコミュニケーションを取るには最適であり、デンジさんのポケモンもアスレチック場で鍛えることがあるから作って良かったと言われた。

 

だが一番の役割はアスレチック場がベルトコンベアから運ばれてきた悪党には無慈悲に捕まえ、反省してもらうためにジュンサーさんが来るまでの間、電気を作る役目を担ってもらうことだろう。

電気を作る役目というのは、警備システムが作動すればアスレチック場は自動的に悪党用に変えられるということだ。悪党用のアスレチック場は…まあいわゆるピタゴラスイッチのような仕組みになっていると言った方がいいかもしれない。最初に悪党がアスレチック場に入ると鍵がなく扉があかない出入り口ととても高い壁がある部屋へ閉じ込められる。

悪党が逃げようと走れば、ハムスターの回し車のような機械が作動し、走れば走るほど電気がたまっていく。だが、悪党から見たら走っても走っても出口につかないという状態に陥る。それ以外にもロッククライミングのような仕掛け、ドミノ倒しのような仕掛け、コマ回しのように悪党自身が回されたり、機械に追いかけられたりとまあいろいろと作っていった。そしてそれらが悪党に使われ、作動することでちょっとした電気を作ることができて、ソーラーシステムとは異なった非常電源のような役割になるだろう。

そして、もしも挑戦者がいる途中で悪党が捕まった場合は悪党はベルトコンベアに檻が作動し、挑戦者とのバトルが終わるまではその中にいるように設定されている。そしてそのまま運良くジュンサーさんが来た場合は外に出されて逮捕されるが、まだ来ない場合はアスレチック場でいろいろと働いてもらうということだ。

まあいわゆる行きはよいよい帰りは怖い?…いや、これ行きも怖いになるな。

悪党にとっては強制的にその地獄のアスレチックを堪能し、挑戦者はポケモンと力をあわせてジムへ進む道を選び、バトルに挑む。そういったナギサシティに改造されていった。

 

 

俺はまた時間が経ってから町の変えられていったシステム見て、デンジさんとお互い顔を見て頷き、親指を立てて満足した笑みを浮かべる。

 

 

「うまくいきましたね!」

「ああ。けどもっと改良していいシステムにしていくよ」

「はい楽しみにしてます!」

『ピッカッ!』

 

 

 

俺とデンジさんはお互い力強く握手して、またナギサシティに来ることを約束した。その時が楽しみだと思っている。…でも俺たちの後ろにいたヒカリたちが微妙そうな表情を浮かべていたのは何でだ?

 

 

 

後々聞いた話では、町で悪さをした者みな終わるだという噂が流れ、果敢にも挑戦したシンオウ地方で指名手配されている極悪が捕まったり、ジムの挑戦者が皆アスレチックに挑んだりと繁盛するようになったらしい。

でもオーバさんはやりすぎだとデンジさんによく注意しているみたいだ。…これでもまだまだ足りない方だと俺もデンジさんも思っているのにな?

 

 

 

 

 

 




兄の心境。
 今度また遊びに行ってデンジさんとバトルしよう。

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