マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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兄は想像していなかった事態に気がつく。


第三十四話~兄は原作崩壊の音を聞く~

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。シンオウって結構寒いですよね。あのパルキアとディアルガに会ってからしばらく経ちました。バッチも集まってきて順調な旅ですよ。それにヒカリも俺の暴走にも慣れてくれたようです。

もう恐怖というよりも呆れ等の場合が結構多かったりしますけど。

…え?自分で暴走って言っちゃうのかって?妹に何度も言われ続けていますから仕方ないですよ。

 

 

 

まあそれで、俺たちはお昼ご飯を食べようとしている途中で突然シェイミに出会い、グラシデアの花畑に連れて行くことになった。そして途中でいきなり鏡からシェイミが連れ去られそうになり、俺とヒカリ、ピカチュウとポッチャマも巻き込まれて反転世界へ入ることになった。

 

え、突然すぎるって?いや知るか。

 

 

『ミィィ…ここは嫌でしゅ…あいつが来るでしゅ…!』

「シェイミ……」

 

ここは反転世界だという話をムゲンさんに出口を案内されながら教えてくれる。ムゲンさんがこの世界でギラティナが管理し、棲んでいるということ、重力がところどころで違うという話もしてくれた。そしてその間ヒカリに抱きしめられているシェイミは恐怖に怯え、ずっと震えてはやくここから出たいと叫ぶ。

そしてそろそろ出口につき、この反転世界から出られると思っていた時だった――――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…そんなに急がなくてもいいんじゃねえの?』

 

「…え、誰?」

行く道の途中に現れた金髪の男。年齢はタケシぐらいかと思う。だが反転世界でその男は楽しそうにもっとゆっくりしていけよと言ってくるのはおかしい。。…そして妹に話を聞いた時もこんな奴いたか?

なんか前回も今回も原作とは違う部分があるような…?

 

だが、ムゲンさんは険しい表情をしてその男を見て、そしてリュックからなにか機械を取り出して呟く。

 

「お前は…ギラティナかッ!?」

「はぁッ!?」

『ピィカッ!?』

「え、ギラティナって人間になれるの!?」

『ポチャッ!?』

 

『ミィィ…』

何ということだろう。目の前にいる金髪男はギラティナでした。あれ、ポケモンが人になれるのって今まで旅で見てきた中ではラティアスぐらいだったような…?いや…というか、こんな話だったか?

それに何だかこの目の前にいるギラティナがチャラい。へらへらと笑っている様子がちょっと想像と違う。なんかイラッとするからもうこいつ金髪男(ギラティナ)でいいと思う。

 

 

金髪男(ギラティナ)はヒカリ達の方へゆっくりと近づいてくる。もしかしたらシェイミを奪おうとしているのかもしれないと思い、俺とムゲンさんが慌ててヒカリ達から離そうと動く。だがそれよりも金髪男(ギラティナ)がヒカリの片手を掴んで……え?

 

 

『一目惚れした。俺と付き合ってくれ』

「はいぃ!?」

 

「おいちょっと待て!!!?」

ヒカリが驚いたような声を出し、金髪男(ギラティナ)の方を見る。もちろんポッチャマ達も含めて驚いている。

俺はとっさに金髪男(ギラティナ)からヒカリを離し、守るように前へ出る。

そして俺は金髪男(ギラティナ)に向かって指差して怒鳴る。

「お前ポケモンだろ!何変なこと言ってんだよ!それにヒカリは嫁にやらんからな!!」

「…い、いやいやサトシ君。父親が娘を嫁に出さないような言い方になってるぞ」

「ムゲンさんは黙っててください!!」

ムゲンさんがよく分からないツッコミをしたため俺は注意してからまた金髪男(ギラティナ)を睨みつける。だが金髪男(ギラティナ)は楽しそうな表情でこちらを見ている。…ちなみに俺の後ろの方で隠れているヒカリ達は茫然とその様子を眺めていた。

 

『女性なら声をかけるのは当たり前だろ?特に将来、絶対に美人になると分かっている女の子になら…』

「最低だなお前!」

『最低じゃないって。男なら女性に声をかける!そしてできれば付き合う!それ基本だろ』

「んなわけあるかッッ!!!」

 

こいつタケシよりたちが悪い。というよりもこんなのが伝説っていうのを否定したいぐらいだ。

しかも何故だかムゲンさんが金髪男(ギラティナ)の言葉に頷いているような気がして、頭が痛くなってきた。なんでこうなった。

 

 

『これが伝説のギラティナでしゅか…』

「伝説って…」

『ポチャ…』

 

ああ、シェイミとヒカリ、ポッチャマが目の前にいる残念な伝説に遠い目をしていた。もはや怯えなどはなく、普通に残念な生き物を見ている目だ。

ピカチュウも何やら複雑そうな表情だ。おそらくオーキド研究所にいる残念な伝説のことを思い出しているのだろう。

だが金髪男(ギラティナ)はそれらの目を気にせずむしろ俺の方をじっと見てなにやら考え始めた。

 

 

 

『うーん…君って絶対女の子の方が魅力的な気がする。なあ性転換って興味ある?―――』

「あるわけないだろ!!!!」

 

『ピィカァ…』

 

 

 

まあそんな感じで金髪男(ギラティナ)がいろいろとやらかし始め、後からやってきたゼロが襲いかかってきても、俺が行動するまでもなかった。だがヒカリに対してしつこかったというのは苛立って次会ったときはあいつの顔面殴ろうと思ってる。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

『なあサトシ君』

「…お前もう来るな。俺たちこの反転世界から出るから。…というか何で俺の名前知ってるんだよ」

 

『知ってるよ。だって君は主人公だろ?』

「………え?」

 

 

「…何それ?」

『ポチャ…?』

『ピカァ…?』

 

 

 

 

 




兄の心境。
 ちょっと待てお前もしかして…?

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