マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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妹は毎日が平和に過ごしている。


第二話~兄から見ると妹も全然普通ではない~

 

 

どうもこんにちは兄のサトシです。

前世では姉だったのに性別が変わってしまった俺ですよ畜生。

 

そういえば妹はよく俺のことをスーパーマサラ人だの人じゃないナニかだの言ってくるけれど、それは仕方ないことだと思ってるぜ?

なんせ妹が生まれる前、俺は本当に荒んだ生活をしていたのだから。

問題児でもある俺はよく母やシゲル、オーキド博士に迷惑をかけていた。

でもさ、気がつくとこの世界で生まれて、自分がその主人公だと知ったら嫌になるだろ?

これからの人生は作られた物語の中で生きていくしかないのか!って考えた。

だからこのまま消えてしまおうかって思ってたし実行したりもした。でもポケモンや周りの人間がそれを許さなかった。毎回怒られたし、泣かれたりもした。でも、何があっても俺はその態度を改めようとはしなかった。

その頃の俺は本当に嫌な奴だったよ。

でも俺がこの世界で生きて初めて救われたと感じたのは妹が生まれた日。

そしてその妹が喋ったのは前世での俺の名前。

前の世界で生きていた俺の妹を見て、話しあった。その時にようやくこの世界をちゃんと見ることができたと感じたんだ。

 

 

…まあ俺の話はここまでにして、次に妹の話をしようか?

 

妹は自分が普通な人間だとよく言っているけれど、俺はそうは見えない。

母とよくピクニックなどをして遊ぶことが多い妹。だが歩いているだけでハーメルンの笛吹き男のように妹の後ろに野生のポケモンたちを連れて歩いているのを見てやはり普通ではないなと思えた。

普通の人間は森の中散歩をしているだけでポケモンたちに懐かれたりはしないはずだ。

野生に好かれるのは俺も旅をしていてよくあることだ。でも、他の人は警戒されて最悪攻撃されるのがオチだろう。カスミやタケシにも旅をしている中でよく驚かれていたし、普通ならあり得ないと言われた。

だからこそ、野生のポケモンに好かれている妹もスーパーマサラ人の1人だと思う。

そして一番有り得ないことと言えば、妹がよくポケモンを布団や枕代わりにして寝ていたことだ。俺もたまにピカチュウたちを布団や枕代わりにして寝ているけど時々リザードンに攻撃されるぞ。なのに妹の場合は攻撃などは全くされない。

むしろ一緒になって寝ているぐらいだ。しかも時間が経つごとにポケモンの数は増えていく。前に妹を中心にしてできた布団や枕(仮)たちをオーキド博士が見て興奮して騒ぎ、起きてしまったポケモンたちに攻撃されていたのは今となっては笑える話になるだろう。

 

妹の雰囲気がポケモンたちを攻撃させないのか、それとも妹がスーパーマサラ人だからか。…まあ両方だと思うが。

 

「――――――なあどう思うよピカチュウ」

 

『ピィカ?』

 

「ヒナもポケモンに好かれていて凄いよな」

 

『ピ…ピィカチュウ!』

 

相棒でもあるピカチュウが俺の頬を撫で、自信満々に頷いてくれた。俺のポケモンたちも妹のヒナを大切にしてくれて、遊んでくれるのは本当にうれしい。リザードンも妹には攻撃をせず、構ってくれるからよかったと思う。

タケシは弟や妹がいるからかよくヒナと遊んでくれるし、カスミもヒナのことを可愛がってくれている。

でもそれは今日でしばらくは見れなくなる。

 

「…明日、旅に出るぞ」

 

『ピッカ!!』

 

数日間、久しぶりにマサラタウンにいたけれど、やっぱり旅をしていた方が楽しいと感じた。

ヒナが少し大きくなった時、強制的に旅に連れて行こうかと思ったのは俺だけの秘密だ。

 

 

 




兄の心境。
早く旅に出たい

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