マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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ようやく始まる…?






第二百五十話~兄はシャラシティに着く~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。

コルニと約束していたシャラシティにようやくたどり着き、俺たちはまずポケモンセンターで一泊しつつもポケモンたちを回復してもらった。ポケモンたちはポケモンセンターのジョーイさんのおかげで元気良くなったみたいだったが、シャラジムに挑戦することで張り切っているらしく、今まで以上にやる気に満ち溢れていた。

もちろんコルニやルカリオと戦ったことのないルチャブルも、これから戦う相手が強敵だと俺たちの話で分かったらしく、バトルが楽しみだという表情を浮かべていた。

 

 

そんなケロマツ達をまずボールに戻してから、俺たちはシャラジムに向かって歩いていく。だがすぐにシャラジムに挑めるかと思っていたのだが、それは違うようだった。

 

 

「…さて、これからどうするか」

『ピィカッチュ』

「シャラシティから行くシャラジムには道がなく…一定の時間帯でしか行けないというのは予想外でした…」

「また一日待つのかぁー」

『デネデネ!』

「サトシ…これからどうするの?わ、私に何かできることあったら手伝うよ?」

「…ああ、ありがとうなセレナ。でも気持ちだけ受け取っておく…俺たちのやるべきことはまずポケモンたちの技の強化をすることだからな」

『ピィカッチュ』

「そんなサトシもかっこいい…!…でも、何かやれることあったら遠慮しないで言ってね!」

「お、おう…分かった」

『ピィカッチュ…』

「そんな目で見るなピカチュウ」

『ピィカ…』

 

 

シャラシティのポケモンセンター近くに広場があるらしく、そこでバトルなども可能だとジョーイさんから聞いたため俺たちはまず技の強化をやろうと考えて行動することにした。

いまだにケロマツとルチャブルの仲が悪いけれど…それはなんとなく喧嘩するほど仲が良いという感じに収まってきているようだと感じてもいた。…例えば2対2の模擬ダブルバトルをした時、わざとケロマツとルチャブルを一緒にして戦ってもらったことがあった。ケロマツとルチャブルの仲は、最初は喧嘩しっぱなしでバトルにならなかったぐらい大変だった。その仲の酷さに俺もキレたことがあったが…それでもバトルしていくうちにケロマツとルチャブルの互いの距離感が分かって来たのか時々協力してバトルをするようになってきてくれた。

…まあそれでもたまに喧嘩するしダブルバトルとは言えない状況になっている時もあるのだが…これから気をつけて何度も挑戦していけばケロマツもルチャブルもちゃんとお互いを認めてバトルも協力するようになるだろうと俺は考える。

とにかくお互いバトルで勝ちたいという思いはあるみたいだけれども、ダブルバトルでそれぞれが動いて…勝負に勝とうとして協力するのではなく争うかのように俺の指示を聞きお互いを巻き込みながら技を放つのはどう見てもやってはいけないことだろうと思う。そしてそんなケロマツとルチャブルに対して、修行相手となったピカチュウやヒノヤコマも呆れた様子で見ていたぐらいだ。

―――まあその問題についてはケロマツやルチャブルと一度話し合って決めようと決心する。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「サトシ!久しぶりね!」

『バゥゥ!』

「コルニじゃねえか!久しぶりだな!」

『ピィカッチュ!』

「コルニもルカリオも元気そうね!」

「ルカリオは一段と強くなっているみたいですね…これは強敵ですよ!」

「本当に強そうだねデデンネ!」

『デネデネ!』

 

「…あれ?ハルカはどうしたの?」

『バゥゥ?』

「ああ、ハルカならホウエン地方のオダマキ博士に呼び出されて一時的に帰ってるぜ」

『ピッカ』

「そうなの…久しぶりに会えるかと思ったのに残念…」

『バウゥ…』

「でもまた必ず会えるわよ!ハルカもルカリオのメガシンカもっとよく見たいって何度も言ってたぐらいなんだから!」

「そっか…!じゃあまた会えたときにハルカとバトルするよ!トレーナーじゃなくってもハルカに負けたこと何度もあったし、ジムリーダーとしてもっと強くなりたいからね!」

『バゥゥウ!!』

 

 

コルニはハルカがいないことに対して残念だと言って落ち込んでいた。それは久々に会えるかと思いきや会えなかったことへの残念な気持ちと、バトルで再戦できないという意味での落ち込みだったようだ。でもそれはまたハルカがカロス地方で旅をしようと思った時があれば必ず会えるだろうし…ハルカ自身もメガシンカを習得しようと思っているのだから必ずコルニ達のもとへ行くだろう。

それにコルニは最初のバトルではハルカに負けることがなかったのだが、それでもハルカがポケモンたちと反省会をして何度も技の改善をしてより強力な技を使ったバトルをするようになった。ハルカはいつも通り行動していたのだ。より強く…より勝っていくために…。

そしてその頃からコルニとルカリオは負けるようになり、コルニたちは俺だけじゃなくハルカに対しても負けたくない…勝ちたいという気持ちを持っていたようだった。

 

コルニは俺たちのことを迎えに来てくれたみたいだったが、シャラジムへの道が開かれるまでの間にあるメガシンカについての話をしてくれた。

 

 

 

「継承者?」

『ピィカ?』

「うん。私たちの先祖は代々優秀な魔獣使い…ポケモントレーナーと出会った場合その者に対してキーストーンを渡す役目を持っていたんだ」

『バゥゥ…』

「魔獣使い…とは今で言うポケモントレーナーの事でしょうか?」

「うんその通りだよ!」

『バゥゥ!』

 

「キーストーンかぁ…じゃあ今コルニはその継承者じゃないの?」

「私たちはまだまだ新米メガシンカ使いだからね…お爺ちゃんが許してくれないんだ」

『バゥゥ…』

「えっと…サトシやハルカに渡すってこともできないの?」

『デネデネ?』

「そうなのよ!お爺ちゃんが今の継承者なんだけど、サトシやハルカに渡すのはまだ早いとかなんとか言って…それにできれば私が継承者の時に渡したいなって思ってるんだけど…駄目かな?」

『バゥゥ?』

「…いや駄目じゃねえよ全然。むしろキーストーンがもらえるってこと自体に驚いたぐらいだ。それに俺も…きっとハルカもコルニの手からキーストーンを貰いたいって考えてるから時間がかかっても平気だよ」

『ピィカッチュゥ!』

「そっか良かったわ!…他の人からキーストーン貰わないようにねサトシ!継承者になったらすぐにサトシに渡しに行くから!もちろんハルカにも!」

『バゥゥ!』

 

 

「サトシが、メガシンカを使えるようになる……」

「…セレナ?どうしたの?」

『デネデネ?』

「ううん何でもない!」

 

 

コルニから聞いた話はコルニの先祖の役目の事…継承者としてキーストーンを渡す役割を持つということだった。キーストーンと対となるメガストーンは渡す役目を持っていないようなので、それは自分自身で見つけろとのことらしい。

…俺にとってこの話は急すぎて実感が湧かなかった。それでもコルニの言葉を聞いているうちにじわじわと理解していく…。俺たちはまだメガシンカのためのキーストーンを貰うことはできないだろうし…コルニが本当に俺たちにキーストーンを渡してくれるのかどうかさえ分からない。それでも…メガシンカをするための一歩を進んだような気がして、本当に良かったと思えた。でもまだこれは口約束にすぎないため、嬉しいとは思っているもののあまり盛大に喜べないということも感じていた。プラターヌ博士からメガシンカのことを聞いて…キーストーンが手に入ること自体が貴重なのだということを分かっているからこそ、あまり期待せず待っていようと考えていたのだ。まあそれでもコルニの気持ちは嬉しいし、キーストーンを貰えるならばすぐにメガストーンを探し出して修行してみたいという考えもあるのだが…。

 

――――その後、コルニがこの継承者については他の人には他言しないでほしいと言って俺たちと約束をしたため、シゲル達に話せなくなったと少し残念に思う。まあシゲル達なら、本気で見つけようと考えている時は必ず行動する…つまり、自分たちでカロス地方を旅してキーストーンとメガストーンを貰えるように努力するはずだと分かっているためあまり残念だとは思ってはいない。

妹に対しても…いつかはカント―地方からいろんな地方を旅するだろうと予想しているためカロス地方でも俺たちのように出会って…そしてメガシンカができるようになるとそう考えている。とにかく、コルニ達が迷惑になるようなことはするつもりはないため、俺たちは他言しないと言う約束を必ず守ると誓った。

 

 

…そして話し合っているうちに時間は進み、ようやくシャラジムへの道が開かれた。海で塞がれていた所がある時間だけ通り道となって現れるらしい。コルニとルカリオに連れられて…俺たちはシャラジムへ入って行った。だがもう夜になるとのことでジム戦は明日行うことに決まったようだ。ジム戦を早くしたいのだけれど…コルニの祖父であるコンコンブルさんが慌てず焦らずゆっくりとしてからバトルに挑めと言われたために、俺たちはこのシャラジムで一泊することになった。

 

 

 

 




兄の心境。
 メガ進化の一歩を踏み出したことに喜べばいいのか、すぐにジム戦ができなくて悲しめばいいのか…とりあえず修行でもするか。





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