マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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修行をしながらも…。





第二百三十七話~妹達は遊ぶ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。突然ですが今私たちは兄のポケモンたちと野生のポケモン達…そして伝説達と一緒に遊んでいます。鬼ごっこと似たような遊びですが…ドロケイ?ケイドロ?…まあそういう遊びをしています。ちなみに私達は警察の方です。

 

事の発端はワニノコ達が一緒に遊ぼうと言ったからだった。大人数で遊ぶなら前に修行でやったかくれんぼを久しぶりにやるのはどうかと話していたが、それだと私たちがまた隠れる側になるだろうし…たまにはみんなも遊べて追いかけたり追いかけられたりできる遊びにしようと考えてワニノコ達に向かって言った。

そしてその遊びを考えている間に来たのか…集まってきたのはワニノコ達だけじゃなく、何だか面白そうだしまとめ役としての息抜きにもなるかもしれないとのことでフシギダネが来て…そして修行になるかとジュカイン達が集まり、伝説たちも集まる。ついでにとばかりにオーキド研究所に生息している野生のポケモンやオーキド研究所のポケモン達たちが面白そうだと集まった…ぶっちゃけここにいる野生や研究所のポケモンたちも随分と度胸が据わってきたなと少しだけ苦笑してしまったのは仕方ないことだと思いたい。まあとにかくたくさんポケモンたちが集まったんならと遊ぶことになったのだ。

 

 

 

『……ガゥゥ!』

 

「…あ……そっちに行ったよピチュー…!」

『ピィ…チュゥ…!』

 

 

『ニドォォオッッ!?』

『ポッポーゥッ!!?』

 

 

リザードが周りを警戒し、私達に向かって合図をする。リザードが隠れていたポケモンたちを見つけてすぐに追いかけて行ったのを私が木の上から見ていて、そしてピチューに向かって10まんボルトを指示したのだ。ポケモンたちとの遊びといってもただ楽しいだけじゃなく修行も兼ねているので技を使っても構わないことになっている。でもまあ伝説達やフシギダネ達は野生のポケモンや研究所のポケモンに対してレベルが高く一撃で倒せるぐらいには強いために攻撃的な技などは使わないようにという意味である程度のルールがあるのだが……。それについては私たちには当てはまらないので考えないでおく。

 

ピチューの10まんボルトに驚いた野生のニドランとポッポが驚いて立ち止まる。そしてその瞬間を狙ってリザードが後ろからニドランとポッポをタッチしたのだ。警察であるリザードの接触に気づいたニドランとポッポは落ち込みつつも警察側の陣地に行く。

…ちなみに警察側の陣地で見張っているのは我らのまとめ役であるフシギダネなためいろんな意味で解放するのは無理と言えるだろう。だからこそみんなは必死に逃げているのだ。

でも野生のポケモンや研究所のポケモンは逃げたり追いかけたりするのが楽しいらしく、勝とうか負けようかということは深く考えていないらしい。…まあ兄のポケモンたちは負けず嫌いだし、伝説たちはチートなため激しい争いのようになってしまうので仕方ないと諦めてはいるし勝ち負けを決めるのは自分たちじゃないと考えているようだった。

それにもしも兄のポケモン達や伝説たちが遊びだというのに技を出しまくってエスカレートしたり悪化したりしたら天下のフシギダネの制裁が待っているためにそこまで暴れないだろうと安心…はしてないけど、まあ大丈夫かなと思っている。皆熱くなりすぎるとフシギダネの制裁のことも忘れて暴れるからどっちかというと不安だ。

…それに遊びを始めてからずっと森の中で鳴り響いている轟音や地響きも兄のポケモンか伝説のポケモンが捕まえようとして…そして逃げようとして技を出しあい衝突しているのだろうと分かった。

 

とりあえずフシギダネがその轟音に苛立って見張り役を中断して止めようとはしないことを祈ろう…。

 

 

『ポッポーゥ!!』

『ミュゥ…!』

 

「あ、リザードにピチュー!そっちにミュウが行ったよ!テレポートされる可能性もあるから気をつけて!!」

 

『ガゥウ!!』

『ピィッチュ!!』

 

『ミューゥ…?』

 

 

トキワの森にいる目つきの鋭いポッポが木の上にいる私に向かって何かを叫びながら飛んでやって来たためにそちらを向く。ポッポが示したのはピンク色の身体をした…この森では目立つミュウがご機嫌そうに宙に浮きながらやってきている姿だった。そのため私は地面にいるピチューとリザードに向かって叫んだ。その声に気づいたミュウはご機嫌そうにふわふわと浮いたまま踊っているかのようにリザードとピチューに笑顔を見せる。その表情はまるで捕まえてごらん?と言っているかのようだと思えた。

リザードは森で炎を放つことができないために物理技のきりさく等しかできない。そのためリザードはえんまくを放ち、ミュウの視界を真っ暗にする。ミュウはそのえんまくに驚いたような…わぁ真っ暗だ!とでも言うかのような楽しそうな声を出していた。そしてそのえんまくにピチューが電気を放ちながらつっこみ、ミュウにタッチしようと動く。でもえんまくがなくなったときに見えたのはミュウがピチューから離れた場所で笑っている様子だった。その様子を木の上から私とポッポはお互いに顔を見合わせて、私達が動くしかないと分かった。

 

 

「……ポッポ、一瞬でもいいからミュウに隙を作ってもらえる?」

『ポッポー!!!』

 

「うんありがとう!…よしミュウが逃げる前にやろうか!」

『ポッポーゥ!』

 

 

ミュウに隙を作れるのかどうかポッポに直接問いかける形で聞いて見たら、ポッポは大丈夫だと胸を張って自信満々に答えてくれた。その声に笑顔で頷き、私たちはこっそりと移動を開始した。

木の下ではミュウが宙に飛びながら逃げずにただ遊んでいるかのようにリザードとピチューを相手にしていたのでまだ本気で逃げるわけではないだろうと分かった。本気で逃げられたら捕まえるのは困難だと分かっている…そのため、もしかしたらミュウにはばれているかもしれないが…そうではありませんようにと心から願いながらも木から降りていき、ミュウの死角となる場所からポッポに合図を送った。

 

 

『ポッポーゥ!!!!』

『ミュゥ!?』

 

「よし今よリザードにピチュー!覚えてないけどそのままたいあたり!!」

『ガゥゥウ!!』

『ピチュゥウ!!』

 

 

『ミューゥ!!』

 

 

ポッポがミュウの後ろから特攻する形でやって来たためにミュウが驚いたような表情を浮かべて後ろを振り返る。それを見て今がチャンスだと私は叫びながらミュウに向かって走り出した。

もちろんリザードやピチューも……たいあたりという技は覚えていないけれども、私と同じように突撃してきたのだった。それを見ていたミュウはテレポートをせずにただ笑っていて、私達が抱きついた瞬間に捕まっちゃったね!!という感じで楽しそうに叫んでいたように聞こえてしまった。とりあえず伝説が一体捕まったことに私たちは喜び、一緒に陣地へ行こうとミュウが誘うために行くことになった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「うわぁ何これ……」

『ガゥゥ……』

『ピチュゥ……』

『ポッポーゥ……』

『ミュゥ!』

 

 

『ダネダネ!!』

 

 

警察側の陣地では死屍累累のような状況がフシギダネの周りに広がっていて私たちは遠い目をしてそれを見ていた。フシギダネの周りには何やら大きな技がぶつかったような焼け跡や凍った後…そしてはかいこうせんでも放たれたかのような抉られた地面に倒れまくっているポケモン達と凄まじい光景になっていたのだ。

そしてそのフシギダネの周りで倒れているのは兄の…ブイゼル以外の水タイプ達やデオキシス達だ。もしかして泥棒組を解放させようと特攻してやられたのかなと思う。…ちなみに先程私たちに捕まった野生のポケモンや研究所のポケモン…そしてフシギダネに特攻せず無事に済んだポケモンたちはこの酷い状況に慣れた様子で私たちが来たことに笑顔で…もしも人間だとしたら手を振ってこっちに来いとでも言うかのような仕草をする。そんなポケモンたちにミュウがまず近づき、そして私たちはまず先にフシギダネに近づいた。

フシギダネは苛ついたかのような表情で…青筋を浮かべていたのだけれども、私達が来たことに少しだけ機嫌が直ったのかただつるでお疲れ様というかのように肩を叩いてくれた。そのために私たちもフシギダネにお疲れさまと言いながらつるを掴んだりフシギダネに抱きついたりする。そして警察役のベイリーフ達が頑張っているのか私たちがフシギダネと話したりしている間にも泥棒側のポケモンたちが陣地へとやってきていた。

これだとすぐに終わるのかなと…そう思った瞬間だった。

 

 

 

ドォォオオオオオオオオオッッ!!!!

 

 

 

 

「あれは…はかいこうせん?あ、でもはどうだんにも似ているような…」

『ガゥゥ…』

『ピチュゥ…』

『ポッポー…』

 

 

『……ダネダネ…ダネフッシッッ!!!』

 

 

「あ、フシギダネッ!!?」

『ガゥゥ!!?』

『ピチュゥ!?』

『ポッポーゥ!!?』

 

 

『ダネ!!』

 

 

 

攻撃性の高い大技等はこの遊びでは使うなとそうルールとして決めていたというのに森の中心で大きな白と黄色の閃光が放たれた。その様子にもしかして伝説か兄のポケモンがバトルみたいに攻撃し合ってしまったのかなと考えて苦笑した。でもフシギダネはそうじゃなかったようだ。兄が本気でキレたかのように無表情で走り出したことに私たちは驚く、でもフシギダネは一度こちらを見て後は頼む!!というように叫んでから…先程の閃光のあった場所へ向かって言ったために遠い目をしてしまった。

そしてすぐに分かった…この遊びはもうすぐ強制終了されてしまうのだと。

 

 

 

「とりあえずさっきの攻撃放ったポケモンに同情しとく…」

『ガゥゥ…』

『ピチュゥ…』

『ポッポーゥ…』

 

 

 

 

 

 




妹の心境。
 とりあえずフシギダネお疲れ様…今度モモンの実のケーキでも持っていこう…。





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