マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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妹は兄に再会し、そしてある少年に出会った。


第二十三話~妹は兄と再会した~

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。ただいま家に帰る途中の道です。

一緒に帰っているのはルカリオとヒトカゲ。手をつないで家に向かっているのです。

そしてようやく家に到着し、扉の鍵を開けて玄関へ。

「お兄ちゃん帰ってきてるのー!?」

『カゲカァ!?』

玄関でいてもたってもいられずに大きな声を出して問いかける。ルカリオが焦らなくてもいいと言ってくれたがやっぱり気になるんだし仕方ないでしょ。

すると部屋からカスミさんが出てきたため私たちはそちらへ向かう。カスミさんは私とヒトカゲ、そしてルカリオを見てにっこりと笑ってくれた。

「あれヒナちゃん!それにヒトカゲにルカリオじゃない!久しぶりね、歓迎会以来よね」

「あ、カスミさんこんにちはお久しぶりです!お兄ちゃん帰ってきてますか!」

「ええちゃんと帰ってきてるわよ?ほらあっちに…」

 

 

「うわぁ色違いのヒトカゲだ!!…ってルカリオがいる!?」

「え…」

兄ではなく知らない少年の声が聞こえてきたため、カスミさんが出てきた部屋の奥を見る。するとそこにいたのはメガネをかけた私より少し年上の少年が座っていたはずのソファから立ち上がり、驚いたような表情を浮かべてこちらを見ていた。

「えっと、こんにちは初めまして?」

「あ、うん初めまして。僕マサトっていうんだ!ねえそのヒトカゲとルカリオって君のポケモン?あ、でもトレーナーじゃないよね…じゃあサトシのポケモン!?」

マサトという少年はおそらく兄と共に旅をしてきた仲間なのだろう。私たちに近づき興奮した様子で話しかけてくる。だがどうやら今私の後ろにいるポケモンに夢中らしい。まあ色違いのヒトカゲとここらでは見かけないルカリオじゃあ仕方ないかな。しかもルカリオは兄と一度会ったことがあるはずなのだが声を出していないため同じポケモンだとは分かっていないみたいだ。私がその質問に答えようとしたら懐かしい声が聞こえてきた。

「マサト、ヒトカゲはヒナのポケモンだけどルカリオは俺たちと一度ちゃんとあったことがあるぞ。なあルカリオ?」

『ピカピィカッチュウ!』

 

『ああ。そうだな、サトシ、ピカチュウ』

「え、わぁ!あの時のルカリオ!!!え、でもあのはじまりの樹で消えちゃったって思ってた…」

『いや、あの後アーロン様のいる時代まで飛ばされ、そしてアーロン様が少しは休んだらどうかと言われセレビィのときわたりでこちらまできたんだ』

「え、なんだかすごいや…時代往復しちゃったんだ…」

マサトはルカリオがこちらに来た経緯を聞いて驚いているようだ。ルカリオはバックを部屋の奥にやってきた母に渡して、マサトと兄に挨拶をしてから奥へ行く。おそらく料理を作りに行くのだろう。

そんな1人と1匹をちらりと見つつも、私とヒトカゲは兄に向かって走って突撃した。

「お兄ちゃん!」

『カゲェ!』

「うわっとッ!久しぶりだなヒナ!」

『ピカピィカ!』

いつもテレビ電話などでしかちゃんと話ができなかった兄に久々に会えたため、私とヒトカゲは兄に勢いよく抱きついた。そんな私たちに兄は笑いながらも抱きしめ、ピカチュウも私とヒトカゲの頭を撫でて久しぶりだねと挨拶してくれる。

そして兄妹の久々のスキンシップにカスミさんとマサトが笑って近づいてきた。

 

「久々のご対面ってやつね?」

「サトシ、妹に会えた感想は?」

 

「そうだな。とりあえずいろいろと話したいことが山ほどあるかな?」

「…驚かせる話じゃなかったら聞いてあげるよ」

『ピッカッチュウ!』

『カゲカゲェ!』

兄の話には興味があるけれども、まずは帰ってきたことへ挨拶しなければならないだろう。

 

「お兄ちゃんおかえりなさい!」

 

 

「おう、ただいま」

 

 

 

 

 




妹の心境。
 ちょっと旅で起きた話を聞くのが怖いな…

兄の心境。
 旅に出たときと比べて大きくなったな。


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