マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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教えるよりも自然と学ぶ―――――。






第二百十五話~兄はコルニに教える~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。現在コルニとバトルをしている最中です。

バトルについては連勝中に俺に負けてしまったから勝つためにやろうと言うのが主であり…そしてもっともっと強くなるためにバトルをしていこうということのようだった。まあコルニはバトルをたくさんして強くなるという考えを持っているらしいからこそ、100連勝という修行方法も考えたようだったし、ちゃんと強くなってると実感しているようだったから大丈夫だろうと考えていた。

 

 

 

「ルカリオ!攻めて攻めて…攻めまくるよ!!」

『バゥゥ!』

 

「攻めるだけじゃ意味ないぜ!」

『ケロォ!』

 

 

コルニはルカリオで勝負に挑み、俺はケロマツでバトルをする。ケロマツはコルニとのバトルにやる気が十分あるようで、コルニのルカリオも同じような表情を浮かべていた。ルカリオが勝つためにと猛攻するためにケロマツが修行で身につけた素早さを見せながら躱していく。その様子を見たルカリオが悔しそうに睨みながらまた攻撃してくる。

 

俺たちはそれぞれ好戦的に見つめてから口を開いて指示をする。

 

 

「ルカリオ!はどうだん!!」

『バゥゥ!!』

「ケロマツ、こっちはみずのはどう!!」

『ケロケロォ!!』

 

 

ルカリオのはどうだんとケロマツのみずのはどうが衝突して爆発する。そしてその爆発を利用しようと考えたのかルカリオが突然突進し、ケロマツに近づいてボーンラッシュを発動させた。ケロマツは急接近してきたルカリオに驚いているが、スピードは速いためすぐにその攻撃を躱して距離をとる。

コルニは惜しいと叫んでおり、ルカリオは先ほどと同じように悔しそうな表情でこちらを見つめ……いや、睨みつけていた。でもこのままバトルをしていてもいいけれどやはり今のルカリオの行動が気になる……そのため俺はバトルを続行する前に聞きたいことがあったから一度中断してから、コルニに向かって話しかける。

 

 

「なあコルニ!さっきのボーンラッシュってお前が指示したのか?」

「え?指示してないよ!ルカリオがやりたいって思ったことだからね!」

『バゥゥ!』

 

「ふーん…そうか」

『ケロ?』

「どうかしたのサトシ?…何か悪い所でもあった?」

『バゥゥ?』

「いや別に何でもない。そういう指示は始めて見たから驚いただけだよ」

『ケロケロ!』

 

「そっか!私とルカリオはずっと小さいころから一緒にいたから、あまり気にしてなかったけど他のトレーナーはそういうのないんだね!」

『バゥゥ!』

 

 

ルカリオはコルニの指示以外にも攻撃をする。それは最初に出会った時に見たハルカとの戦いでも出てきたことだ。もちろん俺とピカチュウで戦った時も同じようにルカリオが独断で攻撃をするのを見た。これはコルニとルカリオの独特なバトルスタイルなのだと…そう思えたのだ。

…でもまあそれはいろんな考えを持つトレーナーがいるからこそあり得るのかと納得した。様々なトレーナーが行うバトルスタイルに良い悪いは基本的にないため、コルニのやっていることもバトルで戦うトレーナーの意表を突く戦法かとそう思えたのだ。

それに、俺のピカチュウたちも大体は指示を聞いて攻撃してくれるが、俺がいない場合はどうやってバトルするのかちゃんと考えてやっていることが多い。ケロマツと俺がピカチュウに挑んだり、マサラタウンでの疑似試合をしてもらったりと一般的な修行方法とはかけ離れているからだ。

だからこそ、コルニとルカリオのバトルには珍しいという気持ちはあれど、これはやらない方が良いんじゃないかとは思えない光景だった。少し気になるところはあるけれど…それはまあコルニとルカリオの独特なバトルスタイルなのだと考えて無理やり納得させる。

 

……それに小さいころから一緒なのだからバトルにも慣れているからこそルカリオも自由に動くだろうと予想しつつも、試合を再開する。

 

 

「ルカリオ!グロウパンチ!」

『バゥゥウ!』

「ケロマツ、あわ&みずのはどう」

『ケロケロ!』

 

 

「え!?嘘っ!!?」

『バゥウ…!?』

 

 

ルカリオがケロマツに向かってグロウパンチを仕掛けてくるため、俺はケロマツに冷静にあわとみずのはどうの合体技を指示した。あわが先に飛ばされ、避けた先にみずのはどうで攻撃してくるという技。これは前にピカチュウで試合したときに生み出した技だ。

ケロマツの見たことがない技を使ったことに驚いたコルニとルカリオはとっさに避けることができずに固まり、そのまま攻撃を受けてしまう。でもすぐに立ち上がり、もう一度やろうと言うルカリオのやる気とコルニの言葉に俺たちは笑みを浮かべて頷こうとした…。

 

 

「ほら!バトルはこれぐらいにして…ご飯にしますよ!」

「ルカリオとケロマツの試合凄かったよ!でもそろそろお昼だからね!」

『デネデネ!』

『ピィカッチュ!』

「やったーお昼だぁ!お腹空いたかも!」

「マカロンもちゃんと作ったから食べてね!」

 

 

「……あちゃー…じゃあサトシ、ご飯食べたらもう一戦しましょう!」

『バゥゥ』

「ああ、望むところだ!」

『ケロケロ!!』

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

昼はいつも通りシトロンが作ってくれた昼食と、セレナが作ったマカロンを食べる。ピカチュウたちはそれぞれ俺たちより少しだけ遠くでご飯を食べる。

デザート付きのご飯というのはカント―地方からイッシュ地方を旅してきてあまりなかったことだ。まあたまに気が向いて作ったというイッシュ地方を一緒に旅したルカリオのケーキを食べたり、クッキーを食べたりしたことはあったけれど…あれは妹たちやアイリスが食べたいと言ったから作ったような気がすると思い出した。

コルニのルカリオを見ているとあのイッシュ地方で一緒に旅してきたルカリオを懐かしいと感じてしまうからこうして思い出してしまったんだろうと考えた。

まあ今ルカリオはアーロンさんと旅してきているらしいし、いつかはマサラタウンに帰ってくるだろうから…その時にルカリオがメガシンカをするということや、コルニについて話してみようかなと思った。

 

 

――――――そんなことを懐かしみながら考えていると、コルニが俺に向かって話しかけてきた。

 

 

 

「…そういえばサトシってあの技とか自分で作り上げたの?」

「あの技?」

「ケロマツのあわとみずのはどうの合わせ技!」

「ああ、あれはケロマツが先に編み出した技なんだ。まあケロマツ自身がやりやすいように俺たちと一緒に話しあってから改良したからあんな合わせ技になったんだけどな…」

 

「そういえばサトシってピカチュウやヤヤコマにもそういった合体技を覚えさせていましたよね?カント―地方を旅している時に学んだんですか?それともほかの地方で―――」

「ユリーカも聞きたい!前に見せてくれたピカチュウの技もデデンネが覚えられるなら覚えてほしいって思うもん!」

「―――こらユリーカ!!」

「ああそっか!サトシって私と出会った時から技と技を合わせて使うことが多かったから通常のトレーナーはやらないのよね…!」

「そうなの?じゃあ他のトレーナーはそういう特殊な攻撃方法はやらないのね…」

「ええ、普通ならありませんよ…サトシだからこそできたことなのかもしれませんね」

 

「いやそんなに凄い技でもねえから」

 

昼前にバトルした時のあのケロマツの合体技がコルニにとってとても珍しく感じられたらしい。

そのことにシトロンやユリーカが同意するかのように頷いていて、ハルカはホウエン地方を旅していた時に見たことを思い出して言う。そしてセレナはというと、新米トレーナーとして旅を始めてからすぐに俺たちと一緒にいるせいか合体技などを見たとしてもそんなに珍しいとは思っていないようだった。

 

でもあの技は皆がちゃんと考えればできることだと思う。……というよりも、ルカリオが独自に動いて攻撃してきたように…俺たちも俺たちで攻撃技を考えてバトルするというやり方を編み出してきただけなのだ。

常識をぶっ壊すことだということが必要になると俺はそう感じている。…旅を始めてからポケモントレーナーとして、基本的な事よりも予想外なことを考えた方が良いと俺はそう思って行動してきたのだ。

ハルカも俺を見て学び、そういう合体技を作り上げていった。そのおかげでホウエン地方の舞姫と表では呼ばれているが、戦闘狂としても恐れられながら呼ばれていたりするらしい。…まあ俺も似たような通り名を持っているから仕方ないと諦めているが。

 

だから特に珍しいことじゃないということをコルニ達に説明する。

コルニ達は興味深そうに話を聞いて、なるほどと頷いてくれた。そして自分たちでそういった技を作れるのか試していきたいと話していたが…まあ何とかなるだろうと無理やり納得し、俺たちはそれぞれできる合体技を教えようと意気込んだ。

 

 

 

 

 

 




兄の心境。
 コルニ達がハルカのようになってる気がするけどまあ大丈夫か。




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