マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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メガシンカへの第一歩…。





第二百十一話~兄はコルニ達と出会う~

 

 

 

 

 

 

 

 

「見つけた!99人目の相手!!」

「はい…?」

『ピィカ…?』

「えっと…何でしょうか?」

「何ってそんなのポケモンバトルに決まってるでしょ!」

 

 

こんにちは兄のサトシです。次のジムがあるシャラシティを目指している途中であるトレーナーに話しかけられました。

最初は何か悪い奴かと警戒したけれど、無邪気そうな笑顔と、トレーナー特有のバトルしようと言う声に大丈夫だと判断して警戒を解き話を聞く。少女は俺たちに向かって自信満々に腰に手を当てて胸を張ってからポケモンバトルをしたいと言う。でもバトルをする前に名前を言った方が良いと考えたのか、トレーナーである少女は胸に手を当てて自己紹介をし始める。

 

 

「私はコルニ!でもって私のパートナーは…」

『グルル…!』

 

「ルカリオか…」

『ピィカッチュ…』

「うわ懐かしいかも…」

「ルカリオ…?」

「へぇ!ルカリオって言うんだカッコいい!!」

『デネデネ!』

「ルカリオとバトルをしたいと言うことですか…!」

 

 

「そうだよ!今日の私達物凄く絶好調なんだ!だからバトルしよう!!」

『バゥゥ!!』

 

 

「…まあ…シャラジムに挑戦する前のトレーニングになるかもしれないし…バトルなら受けて立つぜ」

『ピィカ!』

「ッ!シャラジムね…そうなんだ…じゃあバトルはえっと…」

「ああ、俺はサトシ。それで相棒のピカチュウ」

『ピィカ!』

 

 

コルニがシャラジムに挑戦すると言う話を聞いて意味深に笑みを浮かべてこちらを見たため何かあるなと考える。ついでに言うとコルニの腕についている透明な石のような部分も気になる…まあバトルすればすぐにわかるかと思い、それでもって俺たちがまだ名前を名乗ってないのに気づき、こちらも自己紹介をした。セレナたちも名乗っていないことに気がつき、すぐに俺と同じように自己紹介を始める。

そしてコルニはシトロンたちを見てシャラジムに全員挑戦するのか話を聞いた。でもシトロンたちはシャラジムに挑戦しないということと、ただ俺と旅してるトレーナーだということを説明した。

まあシトロンはミアレジムのジムリーダーだけど、今は関係ないかと考えながらもコルニを見てから一歩近づき、バトルをしようと笑みを浮かべる。

 

 

 

「じゃあサトシ!バトルしましょう――――――」

「―――――ちょぉぉぉっと待ったぁああ!!!」

 

 

「えっ?何!?」

「え、え…どうしたのハルカ?」

『デネ?』

「な、何かありましたか…?」

 

「どうしたんだよハルカ」

『ピィカ…?』

「サトシ!コルニとのバトル私が最初に受けてもいい?」

「ハルカがバトルするの!!?」

「ええ!だってカルネさんとバトルできなかったし…それにコルニ!あなたのそれってもしかしてキーストーンでしょ?」

「あれ?知ってたんだ!」

『バゥゥウ!!』

 

「ええええ!!!!?」

 

 

キーストーンの部分を俺たちに見せてから笑みを浮かべているコルニ達に、俺とピカチュウ…そしてハルカは好戦的に瞳を輝かせた。

そしてセレナたちはそんなコルニのキーストーンを見てようやくカルネさんのと同じものだと気づき驚愕して、メガシンカするのかという質問や、メガシンカするなら見てみたい!と叫んでいた。でもその言葉にコルニとルカリオは首を横に振ってから残念そうな表情を浮かべる。

 

 

「ごめんね。ルカリオはまだメガストーンを持っていないからメガシンカはできないんだ」

『グルル…』

 

「あ、そうなんだ…」

「ちょっと残念…」

『デネデネ…』

「あ、ですがルカリオがメガシンカすると言うのは確実なんですね!」

「うんそうなんだよ!!私の祖先が…ってその前に、バトルは?」

『バゥゥ?』

 

「ああそうだった…どうするハルカ?お前メガシンカするポケモンと戦いたいって言ってたけどコルニとバトルするか?」

『ピィカ?』

「うん!バトルしたいかも!!」

「え、かも?…でもルカリオまだメガシンカできないよ?それでもいいの?」

『グルル?』

 

「俺は後でバトルしてもいいけど…とりあえずハルカの【かも】は気にしないでくれ」

「うん気にしないで!…メガシンカができなくてもバトルはしたい!最近全然バトルしてないし、コンテストの勘も鈍っちゃいそうだから!」

「コンテスト?…は、よく分からないけど、とにかくバトルだね!オッケー頑張るよルカリオ!」

『バゥゥ!』

 

 

――――というわけで、まず先にハルカがルカリオとバトルをすることになった。

 

とりあえずバトルできる広い場所まで移動しようということになり、俺たちはそちらへ向かう。

そしてシトロンが審判をするといってバトル場となった場所の近くに立つ。その様子をコルニとハルカ、そしてシトロンを除く俺たちは離れた場所で観戦することになった。

 

 

「…ねえサトシ。ハルカってコーディネーターだよね?普通にトレーナーとのバトルもするの?」

『デネデネ?』

「コーディネーターにとって必要ならバトルするぞ。…というよりもコーディネーターはどうやってポケモンを魅力的に見てもらうのかが重要だから、バトルしたりポケモンゲットしたり…トレーナーとすることと変わらないな」

『ピィカッチュ』

「そうなんだ。ねえ…ハルカは勝つと思う?」

「まああいつ結構好戦的だし、バトル好きで攻撃重視なバトルスタイルだから大丈夫だとは思うが…どうなるのかはまだ分からないな」

『ピィカ…』

「サトシがよく言ってるあれだよね!【バトルは最後までどうなるのかわからない】!!」

『デネデネ!』

「おうその通りだ!」

『ピッカッチュ!』

 

 

離れた場所で話している間に試合は開始され、ハルカはアゲハントでルカリオに挑むらしい。バシャーモの方が有利な気もしたが、まあどんなタイプでも有利不利に関わらずバトルを楽しむのが俺のやり方であり、ハルカもそれを学び、俺と似たやり方を好むようになったのだから気にしない方が良いかと納得した。

 

 

「では、ルカリオ対アゲハントの試合を開始します…試合開始!!」

 

「ハルカ!かかってらっしゃい!!」

『バウゥ!』

 

「ええ!そっちがその気なら…アゲハント、ぎんいろのかぜ!」

『ハァァアア!!!』

「ルカリオ!避けてブロック!」

『バゥゥ!』

 

 

「うわぁ綺麗!」

『デネェ!』

「うん!アゲハントのぎんいろのかぜ…なんて素敵なの…!」

 

「技の威力が上がってるな。そういえばマサラタウンで修行してるって聞いたからそのせいか…?」

『ピカピ?…ピィカッチュ!』

「…そうだな。ハルカも頑張ってるよな」

『ピッカァ!』

 

 

アゲハントのぎんいろのかぜはいつも通りコンテストで鍛えられた綺麗な攻撃技として放たれた。その攻撃はまるで銀色のカーテンが出現し、周りに綺麗な光となって辺りに散らしていくようだ。散らされた光の粉はアゲハントの周りで綺麗に輝いていたようにも見える。

その姿に皆はこれがコンテストの戦い方だと納得し、アゲハントのぎんいろのかぜが綺麗だと感嘆の息を漏らし、目を輝かせている。もちろんこの攻撃を見ていたシトロンやコルニ達も同じだ。

だが、アゲハントの威力のあるぎんいろのかぜがルカリオに当たろうとしたのだが、すぐにそれは躱されてしまった。しかもかなり素早い。

素早いということの恐ろしさはポケモンバトルにおいてハルカはよく知っていたために少しだけ嫌そうな表情を浮かべ…でもすぐに指示をするために口を開く。

 

 

「アゲハント、つばめがえし!」

『ハァァアア!!!』

「躱して!つるぎのまい!!」

『バゥゥウ!!』

 

「つるぎのまい…?」

「攻撃力を2段階上げる技だ…これは長期戦になるとハルカの方が不利になるな……」

『ピィカ…』

「っハルカ!頑張ってぇ!!」

『デネデネ!』

「ハルカ!最後まで諦めないで頑張って!!」

 

 

素早さと攻撃力がアゲハントよりも上になったであろうルカリオに、このままでは負けてしまう可能性を考えてユリーカ達が大声でハルカを応援する。もちろんハルカもこのままではいられないと笑みを浮かべて叫んだ。

 

 

「アゲハント!サイコキネシス!!」

『ハァァアア!!』

「オッケー行くよ!ルカリオ、もう一度躱してからボーンラッシュ!!」

『バゥゥ!!!』

『ハァアアアッッ!!?』

「アゲハント…!?」

「もう一度攻撃よ!」

 

「くっアゲハント!つばめがえしで防御!!」

『ハァァアアア!!!!』

「うんうんハルカは強いね…でもそれだけだと私のルカリオは負けないよ!!」

『バゥゥウ!!』

「なっ!?」

『ハァァアアッッ!!?』

 

「でたぁグロウパンチ!!!」

『バゥゥウ!!!』

 

 

「…あれって」

『…ピィカ』

 

 

「ああアゲハントが…!」

「ううう…アゲハント…!」

『デネ…!』

 

 

アゲハントも十分素早いのだけれど、それの上を行くルカリオによって攻撃が躱せずにボーンラッシュの直撃を受けた。そして2撃目のボーンラッシュを躱そうと動くためにハルカがつばめがえしで防御しようと指示を出す。もちろんそのつばめがえしのおかげでボーンラッシュを防御することはできた。でもコルニは自信満々に笑みを浮かべて叫び、その声に反応してルカリオが動いた。

指示も出さずに動いたその姿にハルカとアゲハントが驚愕し、ボーンラッシュの直撃を受けてしまった。しかもその後にまた指示なしでグロウパンチを放ち…ボロボロになったアゲハントは倒れてしまう。その姿を見て少しだけコルニとルカリオのバトルスタイルが気になった。

 

カルネさんも途中まで指示を出さずにサーナイトと一緒にバトルしたという記憶はあるけれども、それでもカルネさんはちゃんとサーナイトを見て頷いたり手を振り上げたりといった動作をしていた。つまりは、口に出さないだけで指示はちゃんとしていたのだ。それはまさに目と目で会話をしていると言えるだろう。

でもルカリオはコルニの言葉を聞いて指示を聞かずに攻撃へ移った…。それはおそらくコルニとルカリオにしかできない独自のバトルスタイルなのではないかとそう考えたのだ。そしてその突然の急襲にハルカは対応しきれず、負けてしまったのだろうと感じた。

とりあえずハルカがこの後バトルに負けてしまったことから学んで、マサラタウンに戻って修行をやり直して動揺しても防御できるように徹底的にやるかもしれないと予想して俺とピカチュウは苦笑してしまった。

 

 

 

「アゲハント戦闘不能…よって勝者コルニとルカリオ!」

 

 

「アゲハント!!!」

『ハァァァ…』

「大丈夫アゲハント…ううん。ありがとう!」

『ハァァアア…』

「私たちの勝ちだね?はいこれオボンのみ!」

『バゥゥ!』

「う、うん…ありがとうコルニ」

『ハァァア…』

 

 

「じゃあ次はサトシ!100人目の相手は君で決まりだよ!!」

『バゥゥ!!』

「…そうだな。じゃあやるか!」

『ピィカッチュ!』

 

 

―――――先程の戦いで気になる点があったけれど、まあ今は気にせずバトルに集中しようと考えた。

 

 

 

 

 

 

 




To be continued.


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