マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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懐かしき人との騒動は付き物…。





第二百三話~兄はショウヨウシティに着く~

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。ショウヨウシティに着く間にアマルス達にあったり、海底に行きドラミドロ達と出会ったりしました。カロス地方でしか見れないポケモンたちに俺とピカチュウは来て良かったと思え、またカロスリーグで絶対に優勝しようと心に誓いました。

 

…まあそんなことがあって、ようやく着いたのはショウヨウシティ。でもジム戦をする前にやるべきことがあるため俺はセレナたちに説明する。セレナたちは首を傾けて何だろうと疑問に思っているらしい。そんなセレナたちに話していくと、納得してくれたようで頷いてくれた。

 

 

 

「――――じゃあ、これからサトシはショウヨウシティで約束してた子と会うってこと?」

「ああ、カラマネロのこともあったし…あいつの言ってること分からなかっただろ?だから念には念を入れておきたいって思ってな」

『ピィカッチュ』

「カラマネロですか…確かにあのポケモンは最後に何を言っているのかが分からないままでしたね…では、これから会う人というのはポケモンの言葉が分かるのでしょうか?」

「ポケモンの言葉がわかるの!?凄いねデデンネ!!」

『デネデネ!』

 

 

「ああいや…ポケモンの言葉…というか気持ちが分かる人間は確かにいるけど…これから会うのはちょっとした買い物を手伝ってもらった一緒に旅してた前の仲間なんだ」

『ピカピカ』

 

 

俺はカラマネロの一件から、ポケモンの言葉が分かる奴がいた方が良いと感じていた。マサラタウンに電話した時に妹がバトルに勝利し、ヒトカゲがリザードになったことを喜び、そして説教をしたついでにルカリオがいるかどうか…帰ってきてるのかどうかの話を聞いた。でもルカリオはときわたりでやって来たアーロンさんと共に旅に出てしまったらしく、ここにはいないしまだ帰ってきていないと答えてくれた。もしもいたならばカロス地方に来て旅に同行してもらおうかと思ったけれど、まあ仕方がないだろう。それにルカリオがマサラタウンにいたとしても、妹から離れないと言って断りそうだと予想していたから想定内だ。

だからこそ俺はちょっとだけ面倒な手段に出た。

 

 

 

 

「サトシ!久しぶりかも!!」

「久しぶりだなハルカ!元気そうで良かったぜ!」

『ピカピッカ!』

 

 

「なっ……お、女の子ッッ!?しかも仲が良い!!?」

「サトシが旅していた前の仲間ですね…ってセレナ!?落ち着いてください!」

「これが…修羅場…!!」

『デネ…!』

「ユリーカも変な言葉を覚えないの!!」

 

 

ハルカがこちらに向かって笑みを浮かべながら走ってから俺とハイタッチをした。久しぶりに会った挨拶でもあり、そのハイタッチという行動に俺はヒカリを思い出し懐かしいと感じた。

でも再会を喜び合っている間に後ろの方ではセレナが真顔でハルカをじっと見つめ、ユリーカとシトロン、デデンネは何か話し合っている。セレナのことを考え、厄介なことにならないようにと思いながらもすぐに後ろを振り返り、ハルカに向かって話し始めた。

 

 

「ハルカ、こっちは俺の仲間のセレナ、シトロン、ユリーカだ」

『ピッカ』

「初めまして!私、ハルカ!サトシと前にホウエン地方とカント―地方を旅していたの!」

「よ、よろしくお願いします…あの、あなたはサトシの…何ですか?」

「サトシの後輩かも!」

「かもって…」

「ハルカの口癖なんだ気にすんな」

『ピィカッチュ』

「そっか…じゃあただの後輩なのね?」

「ええそうよ!サトシはトレーナーとしてのポケモンと旅をすること、戦い方を教えてくれた先輩で、私はその後輩かも!!」

「恋愛に関しては?」

「おいセレナ」

「…?…ないよ?サトシとはただの先輩後輩…だよ?」

 

 

「…そっか……良かった…!」

「良かったねセレナ!」

『デネデネ!』

「先輩と後輩…そういえば旅をしている間に仲間がいたというのは聞きましたから…なるほど、ホウエン地方とカント―地方での旅仲間ということですか…なんにせよ、良かったですねセレナ」

 

 

 

「うん良かった!…もし違っていたら私サトシのこと縄で縛りつけて監禁して外に逃がさないように鎖付きの首輪をつけて毎日毎日毎日毎日私のものだって印をつけてサトシを苦しめたり傷つけたりすることはしたくないから印といっても手足を折ったり怪我をしないようにしてああでももしも私から逃げようとしたらそれは我慢ならないから私の名前をお腹や背中や手足やとにかくありとあらゆる場所に切り刻んで溢れ出た血をすべて飲んで刻んだ部分をすべて焼いて二度と消えない痕を残して逃げ出さないように何度も何度も何度も何度も何度も私の名前を呼んで私がどのぐらい好きか心や身体にすべて教えて私以外を見れないようにして外に出ようと思えないように抱きしめて抱きしめてもらってずっと離さないで私以外の名前を呼ばないようにしてとにかく全部全部全部全部ぜんぶ私のものにして一生傍にいてもらおうかなって思ってた!」

 

 

 

「…えっと途中から何を言ってるのか分からなかったけど、つまりサトシのことが好きなのね?」

「うんそうなの!だからハルカちゃんがサトシのこと恋愛的な意味で好きじゃなくて良かった!だってハルカちゃん可愛いんだもん!」

「可愛くないよ?セレナちゃんの方が可愛いよ!…でも、そっかサトシが好きなんだ!頑張ってねセレナちゃん。私応援するからね!あ、私のことはハルカでいいわ!!」

「私もセレナでいいよ。よろしくねハルカ!」

 

 

「愛されてるねサトシ!お兄ちゃんもこれぐらいの好きなお姉さんを見つけないと駄目だよ!」

『デネデネ!』

「い、いやこれはそういう問題ではないような…って余計なお世話だよユリーカ!」

 

「うわぁこれは…ああいやなんでもない…」

『ピカピ?』

「サトシ…」

「悪い俺あまり関わりたくない…」

『ピィカ…』

「そう…ですね。ですがセレナのサトシに対する気持ちは本気ですから頑張ってください」

「…おいそれセレナとくっついてくれって意味だろ!」

「僕にはその解決方法しか考えられませんよ!それにセレナの気持ちも分かってください!!」

「俺の気持ちも分かれよシトロン!!」

「え!?いやサトシだってセレナのこと…」

「…いやありえないから…絶対…」

『ピィカッチュ……』

「サトシ…」

「その目で見るな」

 

シトロンとユリーカはセレナの味方であり、そういった好意についてもよく分かっている。だからこそハルカが誰なのか、俺とどういう関係なのか気になったのだろう。そして後輩だといった言葉に対して良かったと言っているけれど、俺にとってはそれは微妙だ。恋なんて絶対にするつもりはないし、俺の傍にいてもらおうだなんて考えていないのだから。でもこれは少し引く。良かったと安堵したためにセレナの俺に対する感情が爆発したような形で一気に話していったのだから。思わずヤンデレかと叫びたいぐらい具体的な事を一気に話していたのにはさすがの俺でも引いた。二歩ぐらいは引いた。

シトロンもセレナが言った言葉を理解してしまったのか、無意識のうちに一歩後ろに下がって青ざめた表情でセレナを見つめていた。でもまあセレナだからしょうがないかと諦めているらしい。それは俺と旅をしていくうちに学んだ非常識への対応のせいだろう。あとそんな目で見ないでほしい。俺は絶対にセレナと恋をするつもりなんてないし、あまりそういうことには関わりたくないと思っているからだ。

 

でも実際に傷つけようとしないということと、言葉だけならばまあ許容範囲だと考えている。セレナがもしも先ほど暴走して叫んだことを実行しようとしたり、俺たちを傷つけるような行為をする場合は敵と見なして攻撃しようと思っている…まあそれを実行するには少しばかりその時の俺たちの状況と俺自身の感情によるだろうが…。

でもセレナのように少しぶっ飛んでいるのは旅でよく見ていることだし、今までの旅仲間だって俺よりも暴走したりぶっ飛んだことをしたりしていた。だからセレナのこれもそんな行動と似ていると判断したのだ。まだ旅仲間として見れるだろうと…旅仲間としてそう認識してしまったからこその甘い判断かもしれないけれど、それでもセレナを見捨てようとする気持ちは今はもう一切残ってはいなかった。

まあこれからこの発言がエスカレートする可能性を考えて早く対処法を考えないといけないなとは思ったが……。今までの俺の対処法は敵を見なせば物理か言葉で攻撃し、二度とこちらに近づかないようにさせる。カロス地方に来るまではそうだったけれど、セレナは俺たちと一緒に旅をしている仲間であり、俺にとってシトロンたちと同じで守らなければいけない仲間として認識しているのだからそういう攻撃的な行動はできない。だからこそどうすればいいのか迷い、今まで放っておいたけれど、さすがにこのままではいけないかと考える。

 

「……まあ、何とかなる…か…?」

『ピカピ?』

「ピカチュウ、とりあえず何かあったら頼むな。俺も頑張るから」

『…ピィカッチュ』

 

 

 

まあ俺たちが話し合ったり考えていた間に、セレナとユリーカとハルカはかなり仲良くなっていろんな話をしているのは言うまでもない。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「あ、そうだ!はいこれ!約束していたライブキャスター!ニャースにも渡しておいたわ!」

「ありがとうなハルカ…これ、その代金」

『ピィカッチュ!』

「どういたしまして!」

 

「ライブキャスターですか?」

「それ何!?」

「ライブキャスター…確かイッシュ地方で使われてる腕時計型のテレビ電話…だっけ?」

「おう。これならカラマネロに会った時にすぐにニャースに連絡すれば何を言ってるのか分かるから安心できる」

「ニャースって…確か前に話で聞いた喋るニャースですか?」

「そうよ!今はカント―地方にいるんだけど、いろんな機械を作ったり、落とし穴を掘ったりしていたのよ!」

「ほう…それはなかなか興味深いですね」

「お兄ちゃん機械のことになると楽しそう…」

『デネデネ…』

 

ハルカに持ってきてもらったのは、イッシュ地方で購入したというライブキャスターだ。このライブキャスターはカロス地方からカント―地方の長距離でもつなげられる最新式でありハルカに頼んで買ってもらったものである。ライブキャスターは2台買ってきてもらい、1台はニャースに…そして残りのもう1台は俺に持ってきてもらったのだ。ライブキャスターを買った時の代金は全て俺が払い、ハルカにありがとうと礼を言う。イッシュ地方とカロス地方へ行った時の旅費も払うと言ったのだが、ハルカは楽しそうにイッシュ地方でライブキャスターを買うついでに行きたいと思っていたポケモンミュージカルを見てきたから払わなくていいと話してくれた。…この後払う払わないで少しだけ一悶着を起こしたが、ハルカは…旅費なんていらないし仲間の頼み事は喜んで引き受けたいって思ってたんだから大丈夫よ!と言ってつっぱねたために俺は苦笑して諦める。でもってハルカが何か俺に頼みごとをしてきたときは何があっても引き受けようと決心しながらももう一度礼を言った。

 

そしてライブキャスターについて話を聞き、ニャースが喋れるということにシトロンたちが興味深そうな表情でハルカから話を聞く。その様子を見ながらも俺はライブキャスターを腕につけて使えるかどうかチェックする。ライブキャスターは青と赤の色が使われているらしく、モンスターボールの模様もついていた。それを見たピカチュウが良かったねと笑みを浮かべて俺の頬を撫でたため、俺もピカチュウの頭を撫でる。

とにかく、これでまたカラマネロが来た時は話を聞けるし無問題だろう…おそらく。話を聞けば何か分かるかもしれないと思ったが、全力でぶっ潰していけばいいだけの話だし…会話については二の次だからまあ何とかなる。

 

 

……あと、ハルカがこのまま帰るより、ポケモンパフォーマーを見てから帰ろうかなと言っていたので一時的に旅仲間として加わり、俺たちと一緒に行くことになった。

セレナたちと気が合っていたために笑みを浮かべて…しばらくの間仲間としてよろしくなと俺たちはもう一度ハイタッチをして笑い合っていた。

 

 

 

 

 

 

 




兄の心境。
 とりあえずセレナの対策が必要か……。





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