マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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兄は時々よく分からない修行を思いつく。


第十七話~兄が音速を目指した~

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。

ジュプトルが進化をしてジュカインになりました。え、そういえばジュカインになった時、一時的に技が使えなくなったかだって?まあ確かにそのフラグは折れなかったんだけどな…。

でもすぐにジュカインと一緒に話し合いをして技を使えるようになったということだけは言っておく。

何の話し合いか?まあいろいろだいろいろ…

 

 

 

それよりも、最近俺のポケモンたちがよく最速を極めて勝負しているのを見かけるんだ。

だから俺、ちょっと皆と一緒に修行していこうかなと思いました。

「今回の課題はどれだけ速くなれるかです!」

『―――――――っ?』

俺のポケモンたちがそれぞれ声を出していく。それも皆が一斉に首を傾け、疑問に思っているような表情だ。とりあえず俺は一度手を上げ、皆を静かにさせてから口を開く。

「お前らのスピードは通常より少し速いほうだ。でもこれからはもっと速くなってもらおうと思ってる。それは何故か!つまり敵にどれだけ先制攻撃を与えられるか、攻撃をかわせるかはより速くならないといけないからだ!速くなることにデメリットなどはない!だから俺はよりスピードを出し速くなるための修行をしたいと思う!」

 

 

デメリットがないとはどういうことか、つまりポケモンを成長させることに制限がないからだ。カント―地方を旅していた頃は、前世の記憶で成長やレベルに制限があったため、この世界でもあるんだと思っていた。

だが、このポケモン世界では育てていくことでの制限というのはないらしい。例えばレベルでの制限、技の制限、能力の制限等々。

ただしそのかわりどのくらい強くなったのか、今は何レベルなのかというのがはっきりとわからない。分からないため自分たちで確認していかないといけないけれども、それでも制限がないというのはかなり大きな力になる。

今どのくらい成長しているのかが分からない代わりに、能力の制限がないからより速くより強くなることが可能になる。だから俺はバトルでより速くなった方がいいと思っている。

 

 

俺の話にヘイガニが一歩近づいて話しかけてくる。何か疑問に思い質問したいようだ。

『ヘイヘイヘーイッ?』

「ああ、どのくらい速い方がいいって?そうだな、走るのに本気出したら残像が見える程度っていうのはカッコいいと思わないか?」

『ヘイガッ!』

『ズバズバァ!!!』

「だろ?より速くより強く!それが俺のホウエンリーグに向けての目標だ!まだまだお前たちは強くなれる!!」

『―――――――――ッッ!!!!!』

それぞれが雄たけびを上げて俺の言葉に頷いてくれた。

 

 

そして俺たちの修行は開始された。何故か近くで見ていたハルカとハルカのポケモンも俺と同じように修行をしたいと言っていたけど、まあコンテストでも有効な手だと思ったので一緒にやることになった。

最初に行った修行はお互い技を掛け合って躱していくことや、技を利用して身体を早く移動させたりというやり方などだ。

技を利用するというのは、たとえばジュカインだとでんこうせっかとソーラービームを掛け合わせて一瞬で移動するようにしたり、ヘイガニだとクラブハンマーで地面をたたき、その反動を利用して速くなったりという感じだ。

ハルカのワカシャモもほのおのうずとでんこうせっかを掛け合わせて瞬時に移動できるようになった。

 

でもまだまだそれだけだと最速には程遠い。

ポケモン同士の技だけじゃなく、身体も鍛えていかなければいけないと思ったから俺やハルカも一緒になって速さを極めていった。

 

 

そのおかげでたびたびバトルするごとに速すぎると驚かれたり凄いと言われたりするようになった。

俺のポケモンたちはより速く、より強くなったと実感した。

ちなみにピカチュウやジュカインだと修行をした結果、目標であった残像が見える程度に速くなっていた。そしてハルカのワカシャモも一瞬で移動できるくらい速くなった。

 

俺も俺のポケモンたちも、ホウエンリーグ頑張っていこうぜとやる気満々だ。

 

 

 

 

…結果といってはなんだけど…ちょっとやりすぎたかなと思っていたりする。

 

 

 

 




兄の心境。
 速すぎてバトルで見えなかったらどうしよう…。

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