マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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―――――――――――終わりとはすなわち、新たな旅の幕開けである。






第百六十六話~旅の終わりと新たな始まり?~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。パンジーさんが私たちと一緒にオーキド研究所で話を聞いて記事にしたいとのことでカント―地方まで一緒に行くことになりました。その途中のデコロラ諸島ではいろいろとトラブルがあったり、迷子になったりと大変でしたが無事にカント―地方に到着することができて良かったと思ってます。ルカリオも話して大丈夫だと分かって、パンジーさんと打ち解けてたしね。

クチバシティに船が到着し、降りた私たちは一度ご飯を食べようということになり、皆でちょっとしたレストランに行きました。でもテラスでの食事だったため、外にいるカント―地方のポケモンたちにアイリスとデントのテンションが上がり、早く自分の行きたい町に出発したいと言ってきた。

 

「私はイブキさんに会うってカント―地方に行く時に決めてたのよ!だからこれから行くわ!」

『キバキ!?』

「え、早すぎない!?」

『カゲカゲ!?』

『ピチュピチュ!?』

「そうか?旅は決めたらすぐに出発するものだろ?」

『ピィカ?』

「お兄ちゃんの場合も早すぎるからね!!」

『カゲェ!!』

『ピッチュ!…ピチュ?』

『…いつものサトシの所行だ。気にするな』

『ピッチュ…』

 

アイリスが早く出発したいと兄が旅立つときによく見る表情を浮かべていて、これは止められないと思った。それにデントも同じようにホウエン地方のハギ老人が主催するポケモン釣り大会のボロのつりざおカップが開かれるから早く行かないと間に合わないらしい…。アイリスもデントも、私たちに少しだけ寂しそうな表情をしているけれど、もう決めたという決意が感じられた。だから、私は何も言わない。止めるつもりはない。

 

 

 

「…うん、そうだね。アイリスもデントも…行きたいと思う道は突き進まないとね!!」

『カゲ…カゲカゲ!』

『ピッチュゥ!』

「そうだな…でも、アイリスとデントはそのままお別れってわけじゃないだろ?」

『ピィカ?』

「ええ!自分のやりたいことが終わったら、ちゃんとマサラタウンに行ってヒナちゃんたちに会いに行くわ!」

『キバキ!』

「サトシは…もしかしたら旅に出ているかもしれないけれど、でもいつかまた会えるよ!」

「…うん。約束だよ!」

「約束だね!」

「約束よ!」

『キバキ!』

 

「うんうん。旅の仲間との感動のお別れのシーン…っていうことね」

『レッキィ!』

 

兄とピカチュウはもうアイリスたちが別れるということをちょっとだけ分かっていたような感じがして、そして私たちのことを慰めつつまた会えると言ってくれた。だから約束をしようと言って、アイリスたちをちゃんと見た。またマサラタウンにきて…きっと会うということを…!

 

―――――そして私たちはアイリスとデントを見送るため、ヤマブキシティの路線であるリニアに乗って行くところまで私たちはさよならを言って別れた。

 

「じゃあねサトシにヒナちゃん…また会おうね!」

『キバキバ!』

「ベストウィッシュ…良い旅を!ヒナちゃんは、あまり危険な目に遭わないように気をつけるんだよ?」

「うん分かってる…ありがとう!また絶対に、会おうね!!」

『カゲェ!!』

『ピッチュゥ!!』

「またな!また会えたときは、バトルしようぜ!」

『ピッカァ!』

『近くに着たら連絡しろ。何かご馳走でも作ってやるからな』

 

笑顔で、私たちはアイリスとデントを見送り、そのままリニアが走り去っていくのを眺めていた。イッシュ地方に来てから、いろんなことがあったけど、本当に良い仲間だと思っていた。また会えたら、その時はマサラタウンを案内しないといけないなと思いながらも、私とヒトカゲとピチューはちょっとだけ泣いてしまった。

兄がちょっとだけ乱暴に頭を撫でるその手が、慰めてくれていると分かって笑みを浮かべながらも、もうリニアが見えない先の方を見て今までの旅を思い出していた。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

―――――――そして現在私たちはマサラタウンに到着した。…まあオーキド博士がパンジーさんのポケモンにテンションが上がっていろいろと攻撃されていたり、兄が帰ってきたことにフシギダネが皆を呼んでいろいろとカオスになったりしました。いつものことだよね。

……そして、兄もまた、カロス地方に旅に出たいと言ってきた。

 

「カロス地方にはまだ俺の知らないポケモンがたくさんいるんだ…だから俺はカロス地方で旅をして、それでカロスリーグに出る!」

『ピッカァ!!』

「…お兄ちゃんのことだから、絶対カロスに旅立つってことは分かってたけどね」

『カゲェ…』

『ピッチュゥ…』

『カロスか…旅に出るのならいろいろと準備をしておかないといけないな』

「うんそうだね。イッシュ地方から帰って来た状態で行くのはちょっと無理があるよね…」

『カゲカゲ…』

『ピチュピチュ…』

 

兄の服や帽子は旅をしてきてかなり無茶したこともあったため、ぼろぼろになってきている。ポケモンの攻撃を避けて、直接リアルファイトをした時もあったからまあ仕方ないとは思うけれどね…。

 

その後、パンジーさんがオーキド博士の取材をしている間に、ルカリオは私たちの家に行き、帰ってきたということや明日兄がすぐにカロス地方に旅に出るということを伝えに行ってしまった。私はというと兄とピカチュウとヒトカゲ達と一緒にフシギダネ達といろいろと話しているのです。…と言っても、今は兄たちの会話が終わるまでぼんやりと見ているだけですが。

イッシュ地方で一度集合した時に会ったけれど、あの時はすぐに帰ってしまったからのんびりと話をすることもなかったし、こうやって遊ぶこともなかっただろう…それにたぶん森の奥にはミュウツーたちもいるのかなと思いながら、また後で会いに行こうと考えた。その前に兄がカロス地方で旅立っている間にマサラタウンで独自に考えた修行をしてもらおうとフシギダネ達と一緒に技の強化特訓や新しい技の練習。そして特訓で有効な、トレーナーのいない状態でバトルをする方法…つまり特殊バトルのルール説明をし始めている。…まだフシギダネ達を強くする気なのかなと私とヒトカゲは苦笑してしまった。ピチューはというと、周りをキョロキョロと見ていて、マサラタウンの森の中が気になるらしい。でも後でそっちにも行くから大丈夫だよとピチューに伝えながらも、平和なひと時を楽しんだ。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

その後、パンジーさんから、記念に皆で写真撮影をしましょうと言うことになったんだけど、そこで喧嘩が始まってしまいました。

 

『ミジュミッジュ!』

『ベイベーイ!!!』

『ミ、ミッジュ!!!』

「ほらミジュマルとベイリーフ落ち着いてよ!お兄ちゃんも考え事しないで喧嘩の仲裁して!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

「いや考えたんだけど…とりあえずケンタロス達は後ろな?」

『モォォォォォオ!!!?』

「文句言うなよ。後でケンタロス達を中心にして撮るようにするからさ…。お前たち全員が入りきるかどうかわからないんだから…とりあえずケンタロス達以外は俺の中心がイッシュ地方、それ以外は適当に」

『ベイ?!』

『ミッジュゥ!!!』

『ピィカッチュ…』

「イッシュ地方から帰ってきたんだから最初はミジュマル達が中心だろ。…大丈夫だってベイリーフ、その次撮影したら地方ごとに撮るからさ」

『ベーイ…ベイベイ!』

 

 

「お兄ちゃん…ちゃんと喧嘩の仲裁するなら早く言ってよ。ミジュマルとベイリーフの喧嘩が悪化して周りが泥だらけになってるのに……」

『カゲェ…』

『ピッチュゥ…』

「まあなんにせよ。無事に解決できたんだから良いじゃねえか」

『ピカピカ!』

「まあね…」

『カゲェ…』

『ピッチュ…』

 

 

写真撮影では、私たちは入ろうとはせず見ていたんだけれど、フシギダネのつるで腕を引っぱられ、兄たちがこっちに来て一緒に撮ろうぜと言ってくれたため、私たちはお互い顔を見合わせて笑顔で一緒に撮影をすることになった。

…でもその後、地方ごとに撮影する順番を決めるということで、先ほど兄が話していた特殊ルールで仁義なきバトルをすることになったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「行ってらっしゃいお兄ちゃん」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

 

 

「…おう。行ってきます」

『ピッカ!』

 

 

兄が今日、カロス地方へ旅立った。とりあえず兄があまり暴走しないことを祈っておこうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




To be continued…?




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