マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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――――いつも通りだったみたいだ。


第百六十四話~ロトム達とオーキド博士~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。デコロラ諸島の旅は順調で…もう旅というよりは観光に近いかなと思ってます。例えばミツハ二ーがたくさんいるハニー島で甘いお菓子をたくさん食べることができたり、次に乗った船でちょっとした宝石泥棒がいてデントが探偵のようになって真犯人を見つけたり、ミジュマルやフタチマルで大会が開かれる島でバトルしてミジュマルとお別れしそうになったり…まあいろいろとトラブルはありますが順調にカント―地方に帰ってきていると言っておきます。

 

 

そして今日、オーキド博士が次の島で待っているという話を聞いて、何があったんだろうと疑問に思いながら次の島に行き、船を降りてオーキド博士と会いました。

 

「久しぶりじゃのうサトシにヒナ!元気そうで何よりじゃ!」

「はい!久しぶりですオーキド博士!」

『ピッカ!』

「こんにちは!…ポケモンヒルズの件本当にありがとうございました!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

「なんのなんの!…おお、ヒナの新しい仲間とはこのピチューじゃな?どれどれ…」

『ピチュ!?ピッチュゥゥウ!!!』

「グホォォオ…げ、元気そうな電気じゃな…」

 

「ははは…」

『ピィカ…』

「オーキド博士…」

『カゲェ…』

『ピチュ?』

 

オーキド博士はいつも通りポケモンについて興味をもっていて、そしてスーパーマサラ人に負けず劣らずの頑丈な身体をしていた。そしてその後、アイリスとデントを紹介し、この島に来た話をゆっくりと聞くためにポケモンセンターに向かって歩き始めた。その間にオーキド博士はマサラタウンにハルカ達が帰ってきたこと、帰ってくる前は草ポケモンと水ポケモンがまた争いだして、フシギダネがマサラタウンに戻ってきた途端にすぐに喧嘩している所まで行き、盛大にソーラービームをしたということを話してくれた。…まあいつも通りかなとちょっとだけ思った。でも一番驚いたのはそのソーラービームがマサラタウンの観光客にとっての一大イベントみたいになってたりすることかな。フシギダネのソーラービームを見ると御利益が出るという噂もあるとオーキド博士から聞かされ…フシギダネがいつかストレスで倒れないか心配になってきた……。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

そしてやって来たポケモンセンターでオーキド博士が話してくれた。オーキド博士がこちらに来た理由はロトムを研究するために来たということ。出来ればゲットしたいということを教えてくれた。話によると、この島の電気はロトムにとってとても美味しく、たまに停電がするということがあるらしい。それでも島の住民たちはロトム達に怒らず、むしろランチタイムという名物になっているらしい。島の電気が美味しくてこの島に居つき、そして活動を開始するとともに電気を食べちゃうことが島でよく起きるようになり、それが名物となり、ロトムのランチタイムとして有名になったそうだ。…ある意味喧嘩を牽制するためによくソーラービームを放つフシギダネのような感じかなと思った。

 

 

 

「電気ね…じゃあピチューの電気とかも食べちゃうのかな?」

『ピチュ!?』

『カゲカゲ…?』

「その可能性も否定できんよ…もちろん、ピチューだけじゃなくピカチュウの電気もロトムにとって食事となる可能性もあることじゃろう」

「へえそりゃあ凄い…」

『ピィカ…』

「電気かぁ…一体どんなデリシャスな味を感じているのだろうねロトム達は…!」

『この島に居つくぐらいなのだから、おそらくは美味しいと思っているだろうな…』

「まあどっちにしてもロトムに会うの楽しみね!」

『キバキバ!』

 

 

―――――――私たちがやって来たのは、ロトムの遊び場。ここは島の住民たちが様々な家電を持っていってしまったり驚かしてしまうロトムに手を焼いたため、ちょっとした広場にロトム達の遊び場を作りあげたらしい。でもこのロトムの遊び場はまるでどこかの秘密基地のようでちょっとだけテンションが上がってしまった。周りにあるのは冷蔵庫や洗濯機、そして掃除機やオーブンと様々な家電がたくさんある。しかもサイズも異なっているものがあるようで、島の住民たちはロトム達を嫌悪していないということがわかる光景だなと思った。

 

『ピ…?ピカピカ?』

「どうしたピカチュウ?何か感じたのか?」

『ピッチュ?』

「ピチュー?何か見つけたの?」

『…あそこを見ろ』

 

ピカチュウとピチューが電気を放電して何かを感じ取ったらしい、ヒトカゲが周りを見ていて、私もロトムを見つけようと探すけどいない。ルカリオがある方向を指差してロトムの居場所を教えてくれたため、私たちはそちらを見た。

ルカリオの指差す方向には電線で何かが光っているのが見える。でも光っているだけでロトムがいるのかどうかわからず、しかも1つだけじゃなく3つも光りが増えて行った。…つまり、ロトムが3体いるということだろう。

兄がロトムを誘い出そうと口を開いたため、私も口を開いて指示を出す。

 

「ピカチュウ、10まんボルト!」

「ピチュー、こっちも10まんボルトよ!」

 

『ピッカァァァアアア!!!』

『ピッチュゥゥウウウ!!!』

 

 

10まんボルトを食らった3つの光は、ロトムに姿を変えて…そしてこちらにやって来た。オーキド博士はロトムが現れたことに喜び、研究所に来ないかと誘っている。だがロトム達はそれを無視してピカチュウとピチューに一直線にやって来た。

 

『ピィカ…!』

『ロトトトトトトトトトト!!!!』

 

「え…ピカチュウの電気を食べてる!?」

『キバキ!?』

「しかももっとくれって言う感じだね…」

 

 

『ヒナたち、俺の後ろに来い!』

「うん…!行くよピチューにヒトカゲ!」

『ピチュピチュ!』

『カゲカ!』

 

ピカチュウの電気袋である部分を刺激して挑発し、ピカチュウはその喧嘩を買って10まんボルトを出す。だがロトムは口を大きく開いてその10まんボルトを食べてしまった。しかもかなり美味しいのかもっとくれと催促している。そして電撃を放ったピチューが狙われそうになり、私はピチューを抱きしめてヒトカゲと共にルカリオの後ろに隠れた。ピチューが私たちやルカリオによって隠れたことにロトム達は怒ったみたいだったけれど、ルカリオが睨んだことで萎縮し、すぐにターゲットをピカチュウに変えたようだ。

 

「よし今じゃ!行けモンスターボール!」

 

「捕まるか…?」

『ピィカ…?』

 

『ロトトトトトトトトトッッ!!!!』

 

「うーん惜しいのう!」

 

オーキド博士が1体のロトムに向かってモンスターボールを放ったのだけれど、すぐに解放されてしかもお返しとばかりにロトムの電撃を受けることになった。電撃で痺れたオーキド博士は倒れるかと思ったらただ髪の毛がアフロのような状態になって笑っているだけだ。

 

「えええええ…!!」

『カゲカゲ…!?』

『ピッチュゥ…!?』

『なるほど…つまり彼もマサラ人の1人ということか』

「待ってルカリオ、マサラ人だからって私たち全員がお兄ちゃんやオーキド博士のように超人じゃないからね!?」

「え、そうなの?」

『キバキ?』

「そうだったんだ…じゃあ普通のマサラ人もいるってことなのかい?」

「ちょっと待って何かマサラ人に対する誤解を招いてる!?」

『カゲカゲ!?』

『ピチュピチュ!?』

 

「おいお前ら…」

『ピィカ…』

「さあロトム達よ。是非ともわしの研究所にきてくれんかのう?」

 

『ロ、ロト…』

 

オーキド博士の電撃に倒れず笑っているタフな身体に驚いた。けれどその超人的な身体にマサラ人だからと納得したのはルカリオで、それを否定したら何故かアイリスやデントに驚かれてしまった…。

これ絶対にお兄ちゃんが色々暴走したからマサラ人に対する誤解ができてるんだよね…?

そしてオーキド博士はいつも通りロトムに対して話しかけ、ちょっとだけロトム達は怖がっているようだった。

 

 

――――――――――でもその後、ロトム達が何とかオーキド博士のことを信じて、1体が研究所に協力するということになった。まあいろいろあったけど、何とかなって良かったと思う。

 

 

 

 




妹の心境。
 マサラ人に対する誤解がやばい…。







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