マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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いろんな意味で出会いがあった。




第百六十二話~ミュウツー覚醒と新たな友?~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。あの後Nさん達と別れ、アイリスとデントにお礼を言って無事旅を続行することができました。ハルカさんは兄のポケモンたちをモンスターボールにいれて、そのままマサラタウンに帰るそうです。どうやらオーキド博士に無茶を言ったらしく、早く帰らないといけないと慌てていました。そしてミュウツーたちもそんなハルカさんに先に行くぞと言ってマサラタウンに戻っていきました。もちろんハルカさんにも…マサラタウンに帰る皆にもお礼を言いましたよ。本当に迷惑をかけたと思っていますから…。でもこれからは絶対に問題を起こさないようにしようという決意もあります。

 

 

「…頑張ってトラブルに巻き込まれないようにしないとね…」

『カゲカゲ…』

『ピチュピチュ…』

 

 

 

――――――私たちは現在、カノコタウンにあるアララギ研究所に戻る途中です。いや、カノコタウンに行く前にちょっと寄り道をしながら戻る途中なのです。ハルカさん達は先にマサラタウンに帰って行ったけど、私たちは先にアララギ博士に会ってからのんびりとマサラタウンへ行く船の旅を楽しみながらマサラタウンに帰ろうということになったからです。もちろんアイリスたちも一緒に行くことになった。でもその前に途中でイッシュ地方にしかない面白い町が近くにあるから行って見ようということになった。

 

…でもその間にもう油断しないと心に誓ったルカリオが私たちの近くを離れないで真剣そうな表情でまるで護衛のように周りを警戒しながら歩いていて、ちょっとだけ苦笑してしまったけどね。

 

 

「ルカリオ…もうちょっと楽しんでも大丈夫だよ?プラズマ団はもう全員捕まったし…」

『カゲカゲ…』

『ピチュピチュ…』

『そういう油断がいけないんだ…プラズマ団が捕まったら大丈夫という保証はどこにもないだろう…!』

 

「えええ…まあ、私たちも気をつけるからさ…」

『カゲェ…』

『ピチュ…』

「そうそう。それにルカリオ、そうやってずっと警戒してると疲れるぜ?何かあったと察知したときに警戒すればいいさ。…それにヒナたちに何かしようとしたら事前にぶっ潰せばいいだろうし…」

『ピッカ』

 

「お兄ちゃんまで…ああもう…」

『カゲカゲ…』

『ピチュピッチュ…』

「ははは…とにかく、そろそろ町に到着するだろうし、気分を変えて行こうよ」

「そうね。サトシもルカリオも、ヒナちゃんたちを守るのは当然のことだから警戒しすぎて先に倒れちゃわないように気をつけるのよ?」

『キバキ!』

 

皆が私たちのことを心配してくれるのは嬉しいんだけど…それでもやっぱり過保護すぎかなと思ってしまった。まあ仕方ないか。記憶がないけれど、皆にとって悲しいと思えることがあったのだから…。とにかく、これからは気をつけて行かないとね…。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

私たちがやって来たのはニュートークシティという町。そこではポケモンヒルズという名のポケモン居住施設があると聞いたため、見てみようということになりやって来たのだ。大都会の真ん中に大きな森が存在している場所。空気が澄んでいて、ポケモンが棲みやすそうな場所に、そのポケモンヒルズがあるという話をオーキド博士から気分転換に行って見たらどうじゃ?と言われてやって来た。

 

そして見つけたのは森の中にある大きな建物。一面がガラスで覆われているとても綺麗な所だ。その建物で待っていたエリックさんという人がポケモンヒルズを案内してくれるらしく、ちょっとだけ楽しみにしながら中へと入っていく。

 

「うーんそれにしても…このポケモンヒルズの一般公開前に来られるだなんて…ラッキーですね!」

「そうね!オーキド博士に感謝しなくっちゃ!」

『キバキ!』

「オーキド博士も今回起きた事件のこと分かってたみたいだからな…気分転換って言ってたけど、後でちゃんと礼を言っとこうぜ」

『ピッカ!』

「そうだね!後で電話して…お礼言わないとね!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピッチュ!』

『博士の好意を無駄にするな。あと気をつけていくように』

「分かってます!もう…ルカリオってば…私は大丈夫だよ!」

『カゲェ…』

『ピッチュゥ…』

「ほらヒトカゲとピチューも…私は絶対に大丈夫だからね!」

『カゲ…カゲカゲ!』

『ピッチュゥ…!』

 

 

建物の中に入る間に話した言葉に皆が笑顔になる。まあ私は苦笑もまじっているんだけど、でもポケモンが棲んでいる場所だから、どんなポケモンたちがいるのか楽しみだ。イッシュ地方以外のポケモンもいるらしく、どんなポケモンなのかという意味ではとても期待していたりする。

それに入り口近くにも大きな滝があって…これは絶対に一般公開をすると大勢のお客さんで賑わうだろうから、先に来れてゆっくりできて良かったという気持ちも強かった。本当にオーキド博士には感謝しないとね。

 

 

 

 

そしてやって来た場所はとても居心地豊かな自然の空間。木々があって、空気が澄み…そして川には水ポケモンたちでいっぱいいた。もちろん木々の方にもポケモンたちはいる。私たちは自分たちの歩ける場所…つまり橋の上を渡ってポケモンたちを観察しながら歩いていた。

川にはウパーたちがいて、そして空にはアメモースたちがいる。ヒトカゲとピチューはその様子に感激し、喜んでいる。でもいつもならピチューはすぐに私たちから離れてそのポケモンたちの方向へ行っちゃうというのに…今回は私の肩にずっといて、見るだけしかしてない…そんなにプラズマ団と戦っていた時、私が気絶していた時が怖かったのかなと思いながらもピチューの頭を撫でる。

 

 

『ピチュ?』

「ううん何でもないよピチュー…ありがとうね」

『ピッチュ!』

『カゲ!カゲカゲ!』

「もちろんヒトカゲも!ありがとう!」

『カゲカ!』

『ピッチュ!』

 

 

ヒトカゲが足元で私も撫でてと言ってきたため、私は笑顔でその頭を撫でる。そしてピチューが私の頭にギュッと抱きつき、ヒトカゲも私に抱きついたため私はお返しにまた強く抱きしめる。その間、兄たちは私たちの様子を邪魔せず笑みを浮かべながら待っていてくれた。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

その後、兄たちがそれぞれポケモンを出して遊ぶことになりました。広場があるとエリックさんが言ってくれたため、私たちがそこまで走って行った先にはとても広大な場所があった。ポケモンたちがそれぞれ森の中で安心しきった表情でくつろいでいて、そして兄たちのポケモンもそれぞれポケモンたちと遊んでいた。ヒトカゲは私の手を掴んで、ピチューは肩に乗って私の頬を撫でて一緒に行こうと言ってきたため、私も笑顔で頷いて一緒に行く。周りにいるポケモンたちはイッシュ地方だけじゃなく、カント―地方やジョウト地方、そしてホウエン地方やシンオウ地方のポケモンたちがたくさんいたのだ。でもみんな凄く楽しそうで私たちもとても楽しくなった。ヒトカゲ達と散歩のような気分で歩いていく。

 

そして見つけたのは、イシズマイがイワパレス達に尊敬されて一緒に行進して森の中を歩いている姿に私たちはそっちへ行って一緒に歩く。

 

「あ、あれってヤミラミか?」

『ピィカ…?』

 

『ヤッミィ……』

 

「怯えなくても大丈夫だぜ!一緒に遊ぼう!」

『ピカピカ!』

『ヤミヤミ…!』

 

ヤミラミが兄に心を開いて一緒に遊んでいる。その姿を見ながら、私たちはリザードンに近づいて背中に乗せてもらい、噴水の中心まで行かせてくれた。噴水にはマサラタウンにはないような大きな花がたくさん植えられていて、とても綺麗だと思えた。

 

 

「綺麗だね…」

『カゲェ…』

『ピチュ…』

 

「おーいヒナたち!そろそろ外に行くぞ!」

『ピカピカ!』

 

「分かった!…リザードン、またよろしくね!」

『カゲカ!』

『ピチュピチュ!』

 

『グォォオ!』

 

 

―――――――ポケモンヒルズの外には、世界中にある花が植えられている植物館のような場所らしい。世界中の花が植えられているから、一年中咲いていて、かなり綺麗みたいなのだ。噴水で見た花よりも綺麗なのかなとちょっと期待しながらも、私たちはその場所へ向かう。

 

「あれ…ヤミラミ?」

『カゲカゲ?』

『ピチュ?』

『ヤ…ヤミィ…』

「ああ、ついてきちゃったんだ…な、ヤミラミ?」

『ピィカ?』

『ヤミ…ヤミィ!』

 

ヤミラミが兄の近くで楽しそうにはしゃいでいて、懐いちゃったのかと分かり笑顔になった。もしかしたら兄の手持ちになるかもしれないと思えるぐらい懐いているなと思いながらも歩いていく。

そして途中で見つけたのは迷路。ヒトカゲ達が遊んでみたいと言ってきたため、私たちはそっちへ向かうことになった。でも危ないからと兄たちもついて来て、一緒に出入り口を探す。

 

「うーんと…こっち!」

『カゲ!』

『ピチュ!』

『ヤミ…ヤミィ!!』

『ヤミラミはこっちじゃないと言ってるぞ』

「じゃあこっちか…行くぞヒナたち!」

『ピッカァ!』

 

ヤミラミが案内してくれたため、ある意味迷路を探検するという状況じゃなくなったけど、でも結構楽しめたからいいかなと思う。そして迷路の先には大きな泉があり、そこにも花がたくさん咲いていた。

 

『カ、カゲカゲ?』

『ピチュゥ…?』

『ピィカ…?』

『あれは…?』

 

「どうしたの皆…ってあれってポケモン?」

「ん…?あれがポケモン?」

 

私たちは何か機械のような姿をした生き物を見つけた。でもマッギョのように平たく、何も言わずにいるためポケモンとは思えない…。兄がそのポケモンらしき生き物のようなものに飛び乗って生きてるのか確かめる。するといきなり兄ごと宙に浮き、泉の中心を飛び回っていた。

 

「うお!?やっぱりポケモンか!」

『ピカピ!?』

「ちょっとお兄ちゃん!?」

『カゲカゲ!?』

『ピチュピチュ!?』

『ああ、さすがサトシだな…振り落とされずにいるのは…』

「いやルカリオ…これそういう問題じゃない気がするよ…」

『カゲェ…』

『ピチュゥ…』

『ヤミィ…』

 

 

 

兄が機械のようなポケモンに乗ってまるでサーフィンのように楽しんでいる姿に苦笑する。ピカチュウも兄たちが近づいたらすぐに飛び乗って肩で笑顔になって楽しんでるし…まあいいか。たぶんイッシュ地方にいるポケモンなのかなと思ったから。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

――――――――その後、いろいろとありました。兄がサーフィンのように楽しんでいたポケモンの名前がゲノセクトだと分かり、人の言葉を喋ったり、故郷に帰りたいと望んでいたと思ったら赤いゲノセクトが来て、私たちに攻撃して来たり…あ、でも私に余波が当たりそうになったらすぐにルカリオがそれを防いでくれたから何とかなったし、ピカチュウの10まんボルトで全部を防ぎ切れたからよかったけれど…その後、先ほど一緒に遊んでいたはずのゲノセクトが私たちに攻撃をしようとしてきて、それを兄がピカチュウに指示して防ごうとした時にミュウツーが来てそれを止めてくれて…。というかあのミュウツーって絶対マサラタウンに戻って行ったミュウツーじゃないよね凄く紳士的な感じだし、女の人みたいな声だったし…うん絶対に違うミュウツーだ…。

ミュウツーは身体が変化してミュウのように少しだけ小さくなり、強い力でゲノセクト達の攻撃を防いでくれた。そしてサイコキネシスで私たちを地下に運び、怪我はありませんか?とポケモンたちに問いかけていた。私たちを助けようとしたんじゃなく、ポケモンたちを守るため…このミュウツーは人間のことが、嫌いなようだった。そしてゲノセクトのことを教えてくれた。3億年前に絶滅したというポケモンだということも…。

 

 

『私は、人間が許せません。私をつくりだし…そしてポケモンたちを危険な目にあわせるあなたたち人間が憎い…』

 

 

そう言って去って行ったミュウツーに、まるで最初の頃に出会ったヘレナさんやバーベナさんのようだと思えた。彼女たちも人間のことを嫌い、不信感しか抱いていなかったのだから…。

でも、いつかは人間のことも許してくれる…世界中の人間が悪いとは思わないはずだとそう願って、去って行ったミュウツーのことを見ていた。

 

 

「お兄ちゃん…」

『カゲェ…』

『ピチュゥ…』

「ああ、ちょっと連絡入れた方が良いかもしれないな…」

『ピカピカ』

 

そして兄はゲノセクト達の攻撃についても考えていたが、ミュウツーについても考えていたみたいだ。ミュウツーが作られたというのはロケット団の仕業だと分かっていたけれど、まさか他にもいたなんてと思った。もしかしたら兄はロケット団のアジトに行って、ミュウツーを他にも生み出していないのか聞いてくるのかもしれない…。それぐらい、衝撃的だった。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

その後?まあ…はい。

ゲノセクト達が自分の家らしき物を作ろうとしてポケモンヒルズにいるポケモンたちを皆追い出してしまいました。そしてその時電気供給の機械を止めてしまい。問題が起こって何とかゲノセクト達に分かってもらおうとあの女の人のようなミュウツーも来て止めようとしてくれました。そして泉で遊んでいたゲノセクトが倒れ、このままじゃいけないと思った時…。

 

 

「ゲノセクト…!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

『…帰りたい…ただ、帰りたいだけなのに…』

「……うん。分かるよ…でもこれは駄目だよ。みんなが一緒に共存しているのに攻撃したらそれは怒るもん」

『カゲカゲ』

『ピチュピチュ…』

『ギギ…怒る?』

「そう、怒っちゃう。だって自分たちの家を壊されたようなものだからね…だから、最初にね。皆に頼まないとだめだよ。そうすれば、絶対に分かってもらえる…」

『カゲ!』

『ピッチュ!』

『まあそうだな。困っているポケモンたちがいたら手助けするのが当たり前だ。だから頼めばいい』

『頼む…頼む…でも、もう止まらない…』

「ああそれは大丈夫。お兄ちゃんがブチギレてるから絶対に止まるよ」

『カゲェ…』

『ピッチュゥ…』

『ヒナの言うとおりだ。すぐに終わる』

『終わる…?』

 

 

 

「…いい加減にしろよお前ら」

『ピィカ…』

 

 

ゲノセクトはその様子に首を傾けて兄の方を見る。そして兄はというと……激怒して暴走し赤色以外のゲノセクト達を止めようとしてリザードンを投入しました。リザードンはプラズマ団との戦闘の時以来かなり気を引き締めてより強くなると考えているらしく…さらにレベルアップしてきてるから大丈夫かなと同情する。主にゲノセクト達に。そして私たちはルカリオに守られながらその様子を見ています。…ちなみに赤色のゲノセクトはミュウツーによって止められているから、まあ何かあれば兄が止めに入るかなと思う。…あと、近くにいるアイリスもキレてカイリュー出して止めようとしているし…もう過剰防衛だよね…。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

『…故郷に帰る。でもまた会おう』

「うん!また会おうね…絶対に!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

『その時は何か御馳走する』

『…ごちそう…分かった…』

「また会おうねゲノセクト!」

『キバキ!』

「ベストウィッシュ!良い旅を!!」

「…またな、ゲノセクトたち」

『ピッカァ…』

 

 

 

――――――そしてその後、無事に人とポケモンのことを理解できたゲノセクト達が暴走を止めて、故郷を目指して旅立っていった。でもまあ、その時に私たちと遊んだゲノセクト以外が兄のことをちょっとだけ怖がっていたのは仕方ないかなと思う。

 

『…では私はこれで――――』

「ミュウツー!ちょっといいか?…マサラタウンにお前と同じミュウツーがいるんだ」

『ピカピカ』

『っ!?…それは、人間によって作られたということですね…』

「まあそうなんだけどな。出会ったときはかなりゴチャゴチャ言ってたぐらいだし……でもあいつはもう…人間のこと嫌ってないよ。もしも会いたいと望むなら、カント―地方のマサラタウンに来てくれ」

『ピッカッチュ!』

『……わかりました。ではその時に…また』

 

「じゃあねミュウツー!また会おうね!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

「またな!」

『ピッカァ!!』

 

 

ミュウツーが来たと知ったら…マサラタウンにいるミュウツーはなんて思うのだろうと想像しながらも、私たちは別れた。

 

…そろそろ、アララギ博士の研究所に行かないとね。

 

 

 

 

 




妹の心境。
 マサラタウンに来た時はいろいろと歓迎しようかな。あとミュウツーに報告しないと…。





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