マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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≪何か≫が変わり、≪何か≫によって変わる…。






第百五十九話~変わり、変わる…~

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘリコプターが近づき、降りてきたのはプラズマ団のリーダーであるゲーチス。ゲーチスはNから奪い取ったライトストーンを手に取り、ある祭壇へ向かってそして祈りをささげた。祈りによってライトストーンが光り輝き、このままレシラムが復活するかと思えた時に、霧が深く発生していった。そして霧が発生したために何も見えない状況の中、Nを捕えている鉄の縄を壊す攻撃がアイリスたちには見えた。

 

 

「これは…?」

「ヘレナさんとバーベナさんが来ているんだわ!!」

「誰だいそれは…?」

「えっとNさんの知り合いと言いますか何といいますか…」

「まあそれは後でにしましょう!…キバゴ、ちょっとお願いしてもいい?」

『キバキ!』

 

アララギ博士の父親がヘレナとバーベナについてデントから話を聞いていた間、アイリスが髪の中に隠していたキバゴに鉄の縄を壊してほしいとお願いし、キバゴはその通りにする。

そしてサトシはその霧が発生している間に動いていないヒナのもとへ走り、首輪を壊そうとする。だがヒナは近づいても首輪を取り外そうと目の前でサトシが動いたとしても何の反応を見せず、ただ小さく口を開いただけだった。

 

 

「これさえ壊せば…!」

 

「……ルカリオ」

『……………………』

 

「クッ…」

 

ヒナが感情のない声でルカリオを呼び、その声にルカリオは応じた。解放されていたと思ったルカリオはコントロールから逃れられていなかった。

そしてそのルカリオがヒナの声を聞き、無表情で再びサトシに攻撃してきたのだ。しかもその時サトシはヒナの首輪を壊そうとして近づいていたため、サトシがはどうだんを避けてしまったらヒナにも被害が及ぶと考え、首輪を壊す前にヒナを抱きしめてはどうだんを避けようとジャンプする。でも大きく飛び上がったことによってヒナが動いてしまい、サトシのもとを離れ再びルカリオに近づく。ヒナたちを解放するチャンスを失ってしまったのだ。

そして霧が晴れた時、他にも悲惨なことが起きていた…。

 

 

霧が発生している間にサトシ達やアイリス達が行動をしていた時、起きたことはまだほかにもあった。Nがヘレナとバーベナを説得し、一緒に戦おうというのだが、ヘレナとバーベナはそれに応じようとせず、Nを逃がそうとする。

そしてその時、霧を消そうとアクロマが動き、ヘレナとバーベナの近くにいて霧を発生させていたゴチルゼルとサーナイトがプラズマ団のアクロマの機械によって操られてしまったのだ。霧を発生させていたポケモンのゴチルゼルとサーナイトが操られてしまったため霧が晴れてしまい、ヘレナとバーベナは驚愕した表情を浮かべていた。そして味方だったはずのサーナイトとゴチルゼルがヘレナとバーベナに攻撃をしてしまった。それにNが叫び、彼女たちに近づこうとする。でもその前に操られているポケモンたちが動き、Nを取り囲んだ。ヘレナとバーベナも吹っ飛んで行ってしまった先でプラズマ団に囲まれ、逃げられなくなってしまう。

 

――――――そしてその間にゲーチスが、祈りをささげ無事にレシラムを復活させてしまった。レシラムはNに何かを伝えようとしていたが、ゲーチス達がそれを遮り、機械によってレシラムをコントロールし…プラズマ団の支配下におかれてしまったのだ。レシラムが操られた光景を見たNは叫び、近づこうとする。でもそれをプラズマ団が許すはずもない…。

 

 

「レシラム…そんな…駄目だ!」

「ふん。無駄なことを…レシラムよ!まずはその邪魔者達を焼き払え!!」

『キュァァァアアアアアア!!!!!!!』

 

「グアァッ!!!!」

「N!」

「大丈夫ですか…N!」

 

レシラムの炎を受けたNはヘレナとバーベナの近くまで吹っ飛び、倒れてしまう。気絶することはなかったみたいだが、その威力は絶大だ。怪我をしてうめき声を上げるNを心配そうに近づき、レシラムから遠ざける。

そしてコントロールされたレシラムが次に攻撃対象として見たのは、サトシ達の方向だった。サトシ達に向かってまたもクロスフレイムを放ったため、サトシは口を開いて指示しそれを防ごうとする。

 

 

 

 

「リザードン、チャオブーかえんほうしゃ!ツタージャ、リーフストーム!…ワルビアルにミジュマル、アイリスたちの方へ行ってくれ!」

 

 

 

『グォォォオオオ!!』

『チャオォォォォ!!』

『タァジャァァァ!!』

 

 

『ワルビ!』

『ミッジュゥ!』

 

 

ワルビアルが穴を掘って行ったため、その穴にミジュマルが入って、アイリスたちの方へ向かう。サトシはとにかくこれ以上の悪化を防ごうとしていたのだ。Nたちの方は自分の後ろの方向にいるためサトシが防げば何とか無事に済むだろうが、アイリスたちからは離れているため問題が起きたら大変だと考え、ワルビアル達に向かってもらう。ピカチュウはヒナたちの方を見ていて、何か行動したらすぐに対応できるようにしてもらってるため安心だ。…いや、これは安心とは言えない状況だろう。レシラムが復活し、プラズマ団に操られてしまったのだから。

通常時のサトシだったら、レシラムが復活しても、操られてしまったとしても問題はなかった。すぐにボコればいいのだから。でもこの場合はそれができなかった。…妹であるヒナとルカリオ達がコントロールされ、人質となってしまっているのだから。

 

そして、サトシは周りで起きている事態に舌打ちをして目を閉じる。

 

 

(ヒナを助ける方法と、プラズマ団をどうにかすることを…どちらかを選べ…いや、どっちも選べる方法を考えるんだ!)

 

 

ヒナを選んだ場合、プラズマ団が周りに対しての被害を増やし、そしていずれアイリスたちに危険が及ぶだろう。それはできないと考えを捨てる。でも逆にプラズマ団の方をどうにかしようとした場合、コントロールされているヒナがサトシの放つ攻撃をプラズマ団から防ぐために…自分から受けに行くのだろうと考える。幼くて弱いヒナが攻撃を受けた場合、どうなるのかサトシには想像がつかなかった…というよりも、想像したくない考えであった。だからこそ、ヒナたちとプラズマ団の両方を解決する方法を考えていたのだ。

 

ゲーチスとプラズマ団はそのサトシの考えを嘲笑うかのようにレシラムを見てから叫ぶ。そしてサトシ達を倒そうを動いた。サトシ達は警戒し、攻撃してきたらすぐに防ぐようにしていたが、ヒナが反撃の邪魔をするためまともに動けないでいた。

 

 

「ふん…レシラムの攻撃を止めるとはさすがと言っておこう。だがこちらにはまだほかにもプラズマ団はいる!援軍が来るまで…いつまで耐えられるか楽しみだ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それはどうかな!?」

 

 

 

――――――――だが、ゲーチスの声を遮る何者かの声が、遺跡内に響き渡った。

 

 

 

 

 

 




To be continued.




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