マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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――――――全てが始まる。


第百五十五話~妹達は遺跡にたどり着く~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。あの後Nさん達と別れてから少しだけ時間が経ちました。Nさんのことを考えるといろいろと思うことはありますが、遺跡の近くのリュウラセンの塔に着き、そろそろ遺跡にたどり着くため、思考を変えて何があるのか楽しむことにします。

 

「…ん?あれって車?」

『カゲカゲ?』

『ピチュピチュ?』

 

「おうユーたちかい?アララギ博士の知り合いって?」

 

「あ、まあそうですけどアララギ博士と言っても親子どちらとも知り合いです…」

『ピカピカ…』

「えっと…どっちのアララギ博士のことでしょうか?」

『キバキ?』

 

「おうその通り!どっちもアララギ博士で、ややこしいんだよね。僕はパパの方の助手で、ニックって言うんだ。城の遺跡で博士がお待ちかねだよ!」

 

車から出てきたのは、アララギ博士(父)の助手らしい。私たちを迎えてくれて、白の遺跡へ一緒に向かうために、車に乗せてくれた。

そして車の中で遺跡の情報を聞くと、世紀の大発見をしたかもしれないということを教えてくれた。だが詳しく話を聞いても教えてくれず、見てのお楽しみだよと言われたため遺跡で期待しながらも早く着かないのかなと待つ。

そしてようやく着いた場所は古そうな大岩に苔がこびりついている場所。そこから先は歩いて向かうと言われたため私たちは車から降りることになった。

そして周りを見ながらアララギ博士のもとへ私たちは急ぐ。世紀の大発見ということはもう何か見つかったということ、何があるのかわからないけれど、早く見たいという気持ちが早足になってアララギ博士のもとへ急ごうとしてしまう。私たちの行動と表情に笑っていたニックさんだったが、慌てずにすぐに会えるよと言って何処へ行けば会えるのか教えてくれた。私たちはその場所へと向かって行く。

 

「見て!ドッコラーにローブシンもいるよ!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

 

『ヒナたち…それ以上近づいたら邪魔になるぞ』

 

「はぁい」

『カゲェ』

『ピチュゥ』

 

「へえポケモンたちも一緒に活動してて…この光景をNさんも見てくれたらな…」

『ピィカ…』

 

 

そして歩いている途中で、ドッコラーやローブシンたちが人と一緒に遺跡を発掘しようと頑張っている姿が見えてきた。そしてゴルーグも大きな岩をどけようとしている姿が見えて、ヒトカゲ達は大はしゃぎしている。私たちは邪魔にならないようにして歩きながら、その光景を見た。

 

―――――そしてやって来たのは洞窟の中。

洞窟というよりも、洞窟で作られた岩の廊下と言える場所だと私たちは思えた。そしてその廊下は長く続き、空気が湿っているような感じもした。ところどころに火が灯っていて、何とか光源があると言えるけれど、もしもこの火が消えてしまったら洞窟は真っ暗になって何も見えない状態になるだろうと私は思う。それほどまでに長い洞窟だった。

そして、ニックさんが言うには、まだこの白の遺跡は全て確認していないのだという。それほど大きくて古いとてもすごい遺跡なのだと分かった。

それぐらい長い道を私たちはただひたすら歩き続けた。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

ようやく着いた先にアララギ博士の父が待っていた。アララギ博士の父はいきなり私たちにそれ以上中に入ってはいけないと言ったけれど、そうでもないとも言ったため、相変わらず考えながら声を出してしまうのだと苦笑した。そして世紀の大発見とは何なのか聞いてみると、アララギ博士の父の後ろにある壁画…つまり、古代文字で書かれた扉を見せてくれた。あの中にレシラムにまつわる重大な何かが眠っているということが分かった。つまりあの中に世紀の大発見となるものがあるに違いないということだ。

そして博士はそれが開くかどうかは分からないけれど、とりあえずやってみればわかることだと言って笑顔で行動し始めた。扉となる古代文字で書かれているものはパズルのように一文字すべてが動かすことができる。そして一つだけ空間が開いており、その場所に古代文字を動かし、そしてまた動かしとやっていく。アララギ博士の父がすべての古代文字を動かしていくと、開いていた空間の奥から古代文字が出てきて、扉が完成し光り輝きだした。ルカリオがとっさに私たちを庇ってくれるぐらい、光りはとても強く…まるであの時間の宝玉の時みたいに真っ白に輝き周りが見えなくなるほど光っていた。そしてようやく光が消えたと思ったら、古代文字の壁画が消え、奥に進める様になっていた。アララギ博士がやった方法で良かったんだと分かり、そして奥に進めることができて私たちは喜んだ。レシラムにまつわるものとはいったい何なのだろうと思いながらも歩き始める。

 

「ここは…?」

『ピィカ?』

「階段みたいね…しかもかなり長い…」

『キバキバ…』

「ここも大昔に作られたってことだよね…うーんイッツミラクル!」

『…何かを護り、人やポケモンたちを遠ざけていたということか…』

「そう考えると凄いね…大昔の人がさっきの仕掛けも考えたってぐらいのものがあるってことだもん」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

 

「さてさて…そのレシラムに関する何かは一体どんなものなのか…早く行って見てみようではないか!」

 

 

階段を下りながら私たちは話し始める。先程の壁画のパズルも、誰も入れさせないような迷路のような道も何もかもこの奥に隠されているものが大切だからだと思えたからだ。何があるのか…おそらくレシラムについての何かだとは思うけれど…ちょっとだけ楽しみでもある。原作知識がなくなって怖いと思ったこともあったけれど、何も知らないでこうやって楽しめるのもいいかなと思ったからだ。とにかくこの奥に何かあるのは絶対だろうとアララギ博士の父が期待し、私たちも楽しみに思いながらも歩き続ける。

 

 

――――――そして階段を下りた先にあったのは白くて丸い石。いや、ライトストーンだった。

 

まだ確実にライトストーンとは言えないけれど、でも可能性は高いかもしれない…まだアララギ博士が確認していないけれど、おそらく本物なのだと、直感した。もしかしたらここも原作でやっていた話かもしれないけれど、あまり覚えてないから何とも言えない…まあ後で分かることかな…?

そしてアララギ博士の父がこれを持ち出して確認してみようと言ってライトストーンのような石を掴み、手に持った。すると大きな炎が発生し私たちから遠ざかり、天高く上り、雲よりも高く昇って行った。

 

「な、なんだったの今の…」

『カゲカゲ…?』

『ピチュピッチュ?』

「石から…いや、ライトストーンのようなものから発生したね…!」

「やっぱりあれは本物なのかしら…?」

『キバキ?』

『いや、まだ断定づけるものじゃない…詳しくは調べてみないと分からないだろうな…』

「…とにかく、外に出ようぜ?」

『ピッカ!』

 

 

炎を発生させたライトストーンみたいなものを手に取ったアララギ博士の父は怪我がなく、大丈夫そうだ。そして兄と同じように外に出ようと言ってきたため、私たちもその言葉に従い、外へ出る。ライトストーンのような石はニックさんが持ってきた専用の箱に入れられて、持ち出すことに成功した。

 

そして外に出てアララギ博士が簡単に調べてみると、これはライトストーンの可能性が高いと言ってきた。だからおそらくライトストーンなんだろう…なんだか嫌な予感がするけど…大丈夫だよね…?

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「…え?Nさん…?」

『ピッカ?』

 

突然、Nさんが現れて、ライトストーンを奪って行った。ライトストーンは僕が預かるよと言って、走って行ったのだ。兄がNさんを追いかけたため、私たちもその後を追いかける。ルカリオ達も追いかけてきたんだけれど、走っていたアララギ博士の父が転んで岩に大きくぶつかったため、大丈夫かと足を止めている。それを確認しながらも、私とヒトカゲとピチュー…そしてその前にNさんを追いかける兄とピカチュウの姿があった。

 

けれど…。

 

 

「うわっ!?」

『カゲカゲ!?』

『ピッチュゥ!?』

 

「ヒナッ!!」

『ピッカ!!』

 

「ヒナちゃん!?…」

 

私が走っていた地面がいきなり沈み、身体が半分埋まってしまった。それを走っていた兄が引き返して助けようとしたけれど、その地面さえ崩れ、その下にある大きな穴に落ちそうになる。Nさんが躊躇したような表情を浮かべていたけれど、このままではいけないと思ったのかすぐに私たちの方へ行き、引っぱり上げようとする…。

 

 

「くッ!」

「ダメですよNさんまで落ちる…!」

『ピッカァ!』

「そうですよ!私たちなら大丈夫だから…!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピッチュ!』

 

「いや…見捨てるなんてこと僕にはできない!!」

 

 

地面を何とか掴み必死に私たちを抱き上げて落ちないようにしている兄の手を掴み、引っぱろうとしているNさんだけれど、そのNさんの地面も崩れてしまい…

 

 

「うわッ!」

「ッ!」

『ピ!?』

「ちょっ何で…!!?」

『カゲェェ!!!?』

『ピッチュゥ!!!?』

 

 

 

 

――――――――私たちは下の薄暗い穴に落ちていく。そして、そのまま落下中に意識が薄れ気絶してしまった…。

 

 

 

 

 




To be continued.





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