マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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対立と言うよりは遭遇に近いだろう…。





第百五十三話~プラズマ団との対立~

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。そろそろホドモエシティに到着し、Nさんとはお別れします。Nさんがホドモエシティから行くところがあるらしく、その町までは旅に同行するということでしたから少しさみしいですが仕方ないと諦め、ホドモエシティで少し豪勢な食事をしてから別れようということになりました。

 

まあ目の前の光景を見てその食事会はできるかどうかわからなくなったけどな。

 

「…ん?何だ?」

『ピィカ?』

「何かあったみたいだね…」

 

 

ホドモエシティへ続く橋でジュンサーさんが通行禁止だと言って止まれと俺たちに指示をした。何かあったのか話を聞くと、町の中でオノノクスが暴れているため、町を封鎖中だということ、暴れているのは原因不明で…まだ何も対処できていないということが分かった。

アイリスが考えるような表情をして、ジュンサーさんに言う。

 

「そんなこと…オノノクスは普段はおとなしくて優しいポケモンです。ですからいきなり暴れるだなんてこと有り得ません!」

『キバキバ!』

 

「ええそれは分かってるわ。でもまだ何の原因も分からずにいるのよ…悪いけど、あなたたちをこの先へ行かせるわけにはいかない」

 

町の中へ通すわけにはいかないとジュンサーさんが言ってきたため、俺たちはお互いに顔を見合わせてから違う方の橋へと向かう。違う橋の方に行く時にジュンサーさんがそっちも通行止めで町からは入れないわよと叫んできたのだけれど、きっとどこかに町の方へ行ける道があるはずだと探す。

 

だが、どの橋も封鎖されていて行けそうにない。こうなったらリザードンに頼んで空を飛んで連れてってもらうかと思っていた時にルカリオが何かを見つけたようだった。

 

『サトシ…あれで行けないだろうか?』

「船か!あれなら見つからずに行けそうだな!」

『ピカピカ!』

「でも、ジュンサーさんがここの近くにいるから隠れながら近づかないといけないね…」

「それなら私に任せて!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピッチュ!』

「大丈夫なのヒナちゃん…?」

『キバキ?』

「うん大丈夫!私たちが先に行くから…みんなもその後ろから来て!」

『カゲェ!』

『ピッチュ!』

「時間がない…とにかくやってみよう!」

 

 

 

ルカリオが川の方で見つけたのは小さな船。あの船に乗ればなんとか町の方へ行けるはずだと俺たちはジュンサーさんたちに見つからないように隠れながら船に近づく。妹達は隠れるのに慣れているのかすぐに船の方に来て俺たちにジュンサーさんが見てないのか確認してから来てもらうための合図を出したため楽に船に近づけた。

そして船に乗り込んだ俺たちはすぐに町へ向かうため川を渡る。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

――――――そして町の中へ入っていったらそこはほとんど町としての機能を失っていた。オノノクスが暴れた惨状が町のいたるところで残っていて、俺たちは焦る。オノノクスさえ止めれば大丈夫だと思っていたんだけれど、この調子だとかなり大変そうだなと思ったからだ。でもまだ何でオノノクスが暴れているのかはわからない…とにかく急いで向かわなければと思った瞬間、ハンサムさんが突然現れて俺たちは走るのを止めて立ち止まった。

 

 

「ハンサムさん!?」

『ピィカ!?』

 

「サトシ君!?何で君たちがここにいる!!?」

 

「えっと…実は―――――」

 

 

ハンサムさんにオノノクスが放っておけないということを話して、何でここにいるのかを聞く。ハンサムさんはどうやらオノノクスのことを聞いてすぐにホドモエシティに向かったということ、俺たちと同じように何かあるのではないかと気になってきたということを話してくれた。そしてNさんのことを見たため、デントが紹介をしてそしてハンサムさんのことを紹介する。その時にNさんが嫌そうな表情を浮かべていたけれど…まあ気のせいだよなと考えるようにしておく。

その後俺たちがオノノクスを見つけるために歩いていると、すぐに騒音が聞こえその場へ向かう。そして見つけたのはオノノクスが暴れている光景だ。

 

「オノノクス!やめろ!」

『ピィカ!!』

「待ってサトシ!ここは私が…オノノクスお願いだから暴れるのはやめて!…どうしたの?何で暴れているの?」

『キバキ!』

 

『オノォォォオオ!!!!!』

 

「ッ!」

『キバッ!?』

 

 

アイリスがオノノクスに近づいて話を聞こうとしたのだけれど、オノノクスはただ暴れてアイリスに攻撃をしようとした。アイリスはとっさにジャンプして避けて何とか攻撃を受けずに済んだ。アイリスの声が聞こえていないように感じた。その間にNさんは拳を握りしめて驚いたような…焦ったような表情を浮かべて呟いた。

 

 

「そんな…トモダチの声が聞こえない…どうしてだ。どうしてなんだオノノクス…!」

 

「どうやら特殊な電波が流れているようだな…」

 

 

Nさんはポケモンの声が聞こえないことに驚いていたようだ。何も聞こえないことに焦り、何故暴れているのか疑問に思う…。だけど、それはハンサムさんがある機械を取り出して答えてくれた。特殊な電波が流れてきていて、オノノクスが暴れているということを。

そのことに俺たちは怒り、理解した。これらの惨状はプラズマ団がオノノクスを操って暴れさせているということを…オノノクスは何も悪くないということを…。

 

だがその後、アイリスが怒ってカイリューをボールから出して何とかオノノクスの動きを封じようとしてれいとうビームを出しているのだが通じず、オノノクスの仕掛けてきた攻撃を避ける。俺もピカチュウで何とかオノノクスを止めたいのだけれど、それだと余計にダメージが出てしまうから無理だと迷う。オノノクスは暴れているせいで体力がなくなり…弱っているとハンサムさんが言ってきたからだ。何とか止めたいと…仕方なくオノノクスを倒して止める方向で考えていた時だった。

 

『バゥゥ?!』

 

「カイリュー?どうしたの…カイリュー!?」

『キバキバ!!』

 

 

 

『バゥゥ…バォォォオオオオ!!!!!!!』

 

 

「プラズマ団…!」

『ピィカ…!』

 

カイリューがオノノクスと同じように暴れだしていったのだ。暴れだした原因はおそらくどこかにいるプラズマ団のせいだろうと分かる。カイリューが町を凍らせ、破壊し…オノノクスも同じように攻撃していた。俺とピカチュウはカイリューとオノノクスが暴れている原因のプラズマ団を探そうと周りを見る。カイリューがいきなり暴れだしたということは何処か近くにいると思ったからだ。だがあいつらはすぐに俺たちの近くにヘリでやって来た。

 

 

「お久しぶりですね…少年」

 

「お前は…あの時天文台にいた…!」

『ピカピカ!』

 

 

「ふん…Nよ。ゲーチス様が探しておられるぞ!」

「もう僕に構うな」

 

俺たちがアクロマのことに気づき、睨んでいた間にNさんがプラズマ団に話しかけられていた。まるでNさんがプラズマ団にいたというような言葉に俺たちは疑問に思ったが、Nさんは本当に嫌そうな表情を浮かべてプラズマ団を睨み、敵意をもってカイリューとオノノクスを止めろと叫ぶ。だがアクロマはそれを鼻で笑い、これは素晴らしい力だと言って説明をしてきた。ポケモンの力を限界まで引き出し、すべてを操るということを。それを聞いたNさんも…俺たちも怒り、アクロマを睨む…。だがプラズマ団は操られているカイリューとオノノクスに指示をとばして俺たちを襲おうとしてきた。

 

――――――だから、これは仕方ないことだ。

 

 

「やれお前たち!」

『バゥォォオオオオ!!!!』

『オノォォォオオオ!!!!』

 

 

「…出てこいリザードン!リザードン…オノノクスを止めてくれ。ピカチュウはプラズマ団が余計なことをしないように頼む…俺はカイリューだ」

『グォォォォオオ!!!!』

『ピッカァァア!!!!』

 

 

 

「フッ無駄なことですよ!カイリューもオノノクスも止まらない!……何ッ!?」

 

 

 

俺は飛んでいるカイリューに向かって思いっきりジャンプをしてカイリューの翼を掴み、頭を動かないようにしてからカイリューに乗っている俺と一緒に地面に落とす。…というよりも地面に叩き落とす。

カイリューに余計なダメージがいかないように地面に落とした後、すぐに動かないようにカイリューの片腕と翼を掴んで倒れた状態を維持する。これなら暴れても問題はない。

そしてリザードンもオノノクスにのしかかりをしたような状態にして暴れさせないように押さえている。ピカチュウはプラズマ団を睨みつけて監視し、何かあったら電撃を飛ばして阻止するためこれで安全だ。これで後は操られているこいつらをどうにかしないといけない…。とにかく操っている機械か何かを壊さないといけないよな…。

 

「そんな…予想外だ。少年…いやサトシ君だったな…飛んでいるカイリューを地面に叩きつけて動けなくするとは…面白い…!!」

「そんなことを言ってる場合かアクロマ!このままでは…!」

 

「おーいサトシ君!もう大丈夫だ!!」

「お兄ちゃん!操られていた機械を壊したよ!!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

『カイリュー達はもう暴れないから安心しろ!』

 

 

「そうか…良かった!」

『グォォオ!!』

「良かった…ありがとうサトシにみんな!……戻ってカイリュー!ごめんね…ありがとう」

『キバキ』

「ありがとうリザードン!戻れ!」

『グォォ!』

 

 

俺たちがカイリューとオノノクスを止めている間にハンサムさんや妹達がヘリの中を調べていたのか、何か大きな破壊音がしたと思ったら俺の下で暴れていたカイリューがいきなりおとなしくなり、そして妹達の声でもう大丈夫だと分かって安心した。アイリスも本当に良かったと安心してカイリューに抱きついて謝ってからボールに戻した。俺もオノノクスが大丈夫だと知って、リザードンをボールに戻し、これでもう大丈夫だと思っていた…時だった。

 

 

 

「クッこうなったらNだけでも!!」

『ニャァオ!!!!』

 

「危ないNさん!」

 

 

プラズマ団の1人が放ったレパルダスのシャドーボールがNさんに直撃して、Nさんは建物に激突し気絶してしまった。俺たちはそれを見て怒り、Nさんを守るように庇う。

プラズマ団が襲いかかり、俺たちがそれを返り討ちにするために攻撃を指示しようとした時にいきなり霧が出てきて周りが真っ白になる。

 

 

「い、一体何が起こって…!?」

『霧…じゃないな…これは幻覚に近い…』

「ポケモンの仕業ってこと!?」

『キバキ!?』

「あ、Nさん!?」

 

 

後ろにいたはずのNさんが宙に浮きどこかに行こうとする。宙に浮いたのはおそらくポケモンのサイコキネシスだろうと分かり、俺たちはNさんの後を追う。そして見つけたのはNさんを心配そうに見る女性2人とポケモンたちの姿だった―――――――。

 

 

 

 

 




To be continued.


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