マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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ジムと言ってもまだ始まってないらしい…。





第百四十三話~兄は新しいジムを訪れた~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。ヒオウギシティに新しいジムができたとアララギ博士から話があったため、そのジムでバトルをしてみようという話になり、まずはそちらへ向かうことになりました。ジムが新しくできたというのは初めてで、どんなバトルができるのか楽しみです。

 

…そう思っていたんだけど。

 

「え、マップに載ってない!?」

『ピィカ!?』

「そうなんだ…ジムの情報がどこにも表示されてなくてね…」

「まさか…新しすぎてまだ情報が更新されてないとかなのかしら…」

『キバキバ…?』

『マップに載ってないのなら人に聞いてみればいいだろう。その方が早く分かる』

「ああ確かに。ほら、あっちにいる人ならわかりそうだよ!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

「じゃあ聞いてみるか…すいませーん!!」

 

 

―――――というわけで、聞いてみた結果ようやく場所が分かり、そのヒオウギジムへ向かった。だがヒオウギジムは普通のジムではなく、学校が開かれていたジムだったのだ…。

まあ、ジム以外にも並行していろいろとやっているのはこのイッシュ地方を見てきて分かったことだ。例えで言うのならデントのジムにあるサンヨウレストランやアロエの開いている博物館などである。けれど、まさか学校を開いていて、その上ジムも行っているとは思わなかったな…。

 

そして学校を案内してくれたのは新しいジムリーダーとなったチェレンという青年。チェレンさんはまだジムは開設したばかりで設備が整っておらず、ちゃんとしたバトルはできないと言われてしまった。アララギ博士が言った時はもう新しくできていると言っていて、すぐにバトルに挑戦できると思ったんだけれどまさかまだジムができてもいないとは思わなかった…まあエキシビジョンマッチとしてのバトルならできると言われたため、ジム戦ではなくちょっとしたバトルとして行うことになったのだけれども…。

 

―――――それとチェレンさんは俺のことをよく知っていたらしい。

 

「君、サトシ君だよね?いろいろとうわさは聞いてるよ。イッシュリーグ優勝おめでとう」

「ありがとうございます!」

『ピカピカ!』

「…あ、あの…うわさって一体なんですか?」

『カゲカゲ?』

『ピチュピチュ?』

「ああ、彼がポケモンマスターに一番近い男という話を聞いたことがあってね。そしてサトシ君が行った様々なバトルの成果を聞いたよ。…シンオウ地方のデンジという人を知っているかな?」

「知ってますよ。あのジムでバトルもしましたし…」

『ピッカチュ』

「ちょっと待って…ポケモンマスターに一番近い男って何!?」

『カゲカゲ!?』

『ピチュピチュ!?』

「ああサトシならありえそうね…」

『キバキバ』

「うーん…納得出来るテイストだよ!」

「えええ…みんな頷いてるし…」

『カゲェ…』

『ピチュゥ…』

『もう諦めろヒナ』

「諦めきれない…と言いたいけどお兄ちゃんだから有り得るって納得しちゃう…」

『カゲ…』

『ピッチュ…』

 

「そういう噂が流れているんだ…それにしても…そうか、ジムの資格を取った後、デンジさんから話を聞いたんだ。ジムをより面白くしてくれたということやポケモンたちとの交流やバトルの熱さを教えてくれたということをね」

「お兄ちゃん何やってるの!?」

『カゲカゲ!?』

『ピチュピチュ!?』

「何っていつも通りの行動だぜ」

『ピッカ』

『そのいつも通りの行動が俺たちにとっては常識外れだと何故分からないんだ…』

 

「僕も同じように挑戦者もジムリーダーも楽しめるジム戦をしていきたいと思っているんだ…サトシ君。何かアイディアはないだろうか――――」

「ちょっと待ってください!サトシに聞いたらいろいろと悪化しますよ!」

「おいデントお前どういう意味だよそれ」

「い、いやそれは…ははは」

「笑ってごまかすな」

「…?」

 

 

妹達の言う言葉に俺とピカチュウは首を傾けて疑問に思う。そんなにやりすぎた覚えはないんだけれど何故常識はずれだと言われなきゃいけないんだと考えたぐらいだ。でもチェレンさんが言った言葉が本当なら、デンジさんは今もあのジムの機能を活用して楽しんでいるみたいだ。熱いバトルができて本当に良かったと思う。

そしてチェレンさんもデンジさんのようなジムをするにはどうしたらいいのか聞いてきたのだけれど、デントがそれはやめた方が良いと説得したため、俺がちょっとだけ不機嫌な表情でどうしてなのか質問する。だがデントは何を言えばいいのかわからないのか笑って誤魔化したため、またテンションが下がる。そんな俺たちにチェレンさんはただ首を傾けてどういう意味なのか分かっていない様子だった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

まあそんなわけで、俺たちは学校の設備を見ることになった。ポケモンたちと触れ合える場所や調べられる図書館、そしてポケモンのことを学んでいく教室などがある。その充実した資料にデントは感嘆の声を上げてここで勉強してみたかったと言い、妹達は「ポケモンのすべて」と書かれている本をヒトカゲ達と興味津々な様子で一緒に見ている。アイリスはそういう勉強よりも外で活動する方が良いらしい。俺もどっちかというと外で活動する方が楽しいため勉強よりもそっちの方が良いと思ってしまった。でも知識を得るという意味ではチェレンさんの学校はとても良いだろう。

その案内している間にもチェレンさんからいろいろとジムについて質問され、俺は答えていった。ジムについてというのはデンジさんとのジムの改造をしていた時のことを聞かれ、どんなことをしたのか、その改造の後に起きた影響やどうしてそれらを作ろうと思ったのかについて聞かれた。かなり熱心に聞かれたからもしかしたらこのジムにも何か改造をするのかもしれないと思ってしまった。でもそれはチェレンさんの意志だから俺のせいではないはず…。

 

そして始まったのはチェレンさんとのエキシビジョンマッチ。チェレンさんの生徒たちである子供たちもバトルを見るためにやってきて、それぞれが頑張れと応援している。その様子に俺とピカチュウはイッシュリーグでの戦いを思い出していた。

チェレンさんが出したのはハーデリア。かなり懐いていて強そうだ。

 

「さあサトシ君…始めようか!」

『バゥウ』

「はい、よろしくお願いします!いくぞミジュマル、君に決めた!」

『ミッジュゥ!!』

 

 

 

バトルの結果は言うまでもないが…チェレンさんは立派なジムリーダーになるためにこれから頑張ろうと決意したようだ。子供たちもチェレンさんのジムバッチを必ずゲットすると意気込んでいるから、とてもいいジムになりそうだと俺たちは思えた。

 

 

 

 




兄の心境。
 またここに訪れた時もバトルしたいな…。




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