マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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イッシュリーグの開催地へとやって来た。




第百三十八話~兄はイッシュリーグに出場した~

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。現在イッシュリーグの開催地でもあるヒガキシティに到着し、これからエントリーに向かう所です。

イッシュリーグに向かう間にアイリスの故郷でもある竜の里に招かれたり、アイリスがソウリュウジムで戦ったり…イーブイたちとポケモンレスキューをするバージルさんに出会ったりといろいろとありました。

ですが問題なくイッシュリーグに向かうことができたと思っていますよ。

 

 

「ついに来たな…イッシュリーグ!」

『ピッカ!!』

 

 

俺とピカチュウはイッシュリーグ開催地のヒガキシティにて大きな声で叫んだ。

ヒガキシティではイッシュリーグが開かれるからか周りがお祭りのように盛り上がっており、人の出入りも多い。そして強そうなポケモントレーナー達も多いと思えた。

俺とピカチュウは周りを見てテンションが上がった。それを見た俺とピカチュウ以外のみんなは微笑ましそうに…または呆れたような表情で早く大会の申請に向かおうと言ってきたため、その言葉に頷き歩き始める。そんな俺たちに向かって誰かが話しかけてきたため俺たちは足を止め、声のしてきた方へ振り向く。

 

 

「あら?サトシ君たちじゃないですか。お久しぶりですわ!」

「ベル!久しぶりだなぁ!」

『ピィカッチュ!』

「ベルもバッチ8個集めたのね?」

『キバキバ?』

「ええ。最初は間に合わないと思って諦めておりましたけれど、何とか大会までにバッチを集められましたよ」

「そっか!良かったねベル!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

 

「よおサトシ達にベルじゃないか!元気だったか?」

「おうもちろん元気だったぜ。ケニヤンは?」

『ピィカ?』

「俺はもちろん超元気だ!」

「リーグ前だからね。人もポケモンも両方元気でないと!」

『…いや、サトシはともかくケニヤンのあの様子なら大丈夫だろ』

「ルカリオお前…後でたぁっぷりと話をしようか…?」

『ピィカッチュ…』

「もうお兄ちゃんたら…」

『カゲカゲ…』

『ピチュピチュ…』

「ははは…ほらそろそろエントリーにでも向かおう…」

「待て!あれなんだ!?」

「あれは…バージルさん?」

『ピィカ!?』

「バージルさんもイッシュリーグに挑戦するのね!!」

『キバキバ!?』

「皆さんの知り合いですか?」

「ベル、うんそうなんだ。バージルさんはね―――」

 

 

――――――――――――まあその後、ポケモンレンジャーのバージルさんが空からこちらに来たり、一緒にリーグの申請をすることになった。皆、やる気十分のようでこれからのリーグ戦が本当に楽しみだと思える。

 

そう…テンションが上がっていたというのに……。

 

 

 

「おい…あれってサトシじゃないか?」

「あああのアデクさんと引き分けになったっていうトレーナーか!」

「あれが最恐のトレーナー(バーサーカー)なのか…?」

「何だか弱そうに見えるけど……」

「シッ!!お前死ぬぞ!?」

「おいあっちの小さい…黒髪の幼女を見ろ…サトシに似てるぜ。きっと妹だ……」

「あれが慈しみの女神(ナイチンゲール)…小さくて可愛いな…!」

「おい死にたいのかよ!サトシに殺されるぞ…!」

「でも守ってやりたいってのは分かるな…幼くて危ない扉を開きそうだ!…」

「ヒッ…こっち見てきたぞ逃げろ…!」

 

 

なにやらぼそぼそと聞こえてくる声とその言葉に少しだけ苛立ち話をしている方を睨み付ける。特に妹を可愛いとか言う奴らの言葉には納得できるが、危ない扉を開きそうだといった奴の顔を覚えて後でいろいろとリーグで潰してやると決める。

ピカチュウやルカリオも奴らの言葉を聞いて不機嫌になり、無表情になっていた。そして俺たちの様子を知るのは声が聞こえていたアイリスとデントとベルのみ。ケニヤンやバージルさんは普通にポケモンリーグのエントリーについて考え、これからどんなバトルになるのか楽しくなってきているのか聞こえてないようだ。そして妹は肩に乗ってきたピチューに耳をふさがれて声が聞こえなかった様子。そして何があったのかピチューに聞こうとした妹だったがヒトカゲがうまく誤魔化していた。…まあ妹が奴らの声を聞いてたらおそらくイッシュリーグを観戦しようとは思わなかっただろう。とにかくグッジョブヒトカゲとピチュー。

 

そしてアイリス達が早く行きましょうと言って歩く速度を速め、リーグの建物の中へ入っていく。

ちなみにその間にも喋る声は聞こえてこなかったが。こちらを見る視線は変わらず続き、俺たちのテンションは下がっていった。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「サトシ先輩!!」

「あ、ようシューティー!」

『ピッカァ!!』

「はい!お久しぶりです!!!」

 

シューティーがこちらに話しかけてくれたおかげで少しだけテンションが上がった。シューティーとのバトルは本当に楽しみだからだ。シューティーはジュニアカップからかなり強くなってきたということや合体技の修行をしたということ、そして手持ちのポケモンとのコンビネーションがうまくいっているという話をしてくれて、イッシュリーグでバトルをすることが楽しいと心から思っているような表情で俺に話してくれた。俺もそれに笑顔で頷き、口を開く。

 

「お前とのバトル、楽しみにしてるからな!頑張って勝ち上がれよ!!」

『ピカピカチュ!』

「はいもちろんです!!サトシ先輩とのバトル、楽しみにしていますからね!!!」

 

 

そう言ってシューティーは走って建物の中へ入っていってしまった。俺たちはそれを見て笑みを浮かべながらシューティーに続くように建物の中へと入っていった――――――。

 

 

 

 

 

 

 




兄の心境。
 これからのバトルはいろんな意味で楽しくなりそうだな…。





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