マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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イッシュ地方のトレーナーが兄に対する反応が異なってきた…。


第百三十一話~妹は別れと出会いを見た~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。…なんというか凄い状況になってます……。

 

 

「サトシだっけ!?なあさっきの技何だったんだよ教えろ!!!」

「なあなあチャンピオンと戦ったお前!お前強いなァ俺と一緒に勝負しないか!」

「そのピカチュウ一体どんな鍛え方であんなに強くなったんだよ俺によこせ!!」

「ねえそこの…サトシ!!チャンピオンと引き分けになるなんてありえないわ!ズルか何かしたんでしょ!!」

「ピカチュウだっけそのポケモン!?ぜひ俺のポケモンと交換してくれよ!!」

「よく見るとそのピカチュウ弱そうだよな。ああさっきの試合はまぐれだったのか!!」

「お前みたいな弱そうなトレーナーがチャンピオンのアデクさんと引き分けになるわけないだろう!!一体どんな脅しをして引き分けにまでしたんだ!!?」

 

 

「……………………………………」

『……………………………………』

 

 

「うわぁ…もうこれやばいんじゃないのかな……」

『カゲェ……』

『ピチュゥ……』

『ロメッタ……』

『ポケモンセンターのジョーイに伝えた方がいいな…重傷者が多数出ると…』

『ミィ…あいつらもう終わったでしゅね。サトシに喧嘩売るなんていい度胸でしゅ!』

「うーん……もうちょっと離れた方がよさそうね…」

『キバキバ…』

「シンオウリーグでも見た光景ね…ポッチャマ、もうちょっと後ろに下がるわよ」

『ポッチャ…』

「ははは…デンジャラスなテイストがしそうだよ…ってあれ?シューティー君どうしたんだい?」

「…ああいえ、こちらにいた方がサトシ先輩と話ができそうな気がして。もしかして迷惑でしたか?」

「いやそんなことないよ!…でも…うんここにいた方が良いかもしれないね。お兄ちゃんとピカチュウそろそろ本気でキレそうだから」

『…カゲカゲ』

『…ピチュピッチュ』

 

 

 

ジュニアカップでチャンピオンと戦った兄が引き分けで閉幕し、建物から出る時とても大変でした。…イッシュ地方のチャンピオンと時間制限で引き分けた実力もそうなんだけれど、技を新しく作り上げるやり方に興味を持ったトレーナーたちに囲まれていたのだ。…まあほとんどがピカチュウを弱そうだなと貶したり交換したいと言ったりする人が多かったんだけれど…。チャンピオンと戦った実力や新しい技の使用に力のあるトレーナーは兄の実力を見て戦いたいと言ったり、まだまだ新米なトレーナーは兄がチャンピオンと引き分けになるということが気に食わないとばかりに貶し、怒ったりと様々だ。まあつまりトレーナー自身の実力や経験によって兄の力がどのくらい凄いのか分かっているか分かっていないかにはっきりと反応が異なっていてちょっとだけ面白いと思えた。…でも兄とピカチュウはその反応が嫌らしい。最初は普通に困惑していたのに次第に無表情になっていくからわかる。

もちろんトレーナー達の中にはシューティーもいた。シューティーは兄に技を新しく作り上げるコツというのを聞きたいと思って突撃しているようだった。でも兄の寒気がしそうな無表情を見たとたんに離れようと動いて、私たちの近くまで来て待つことにしたようだ。…うんその方が正しい気がする。

兄はトレーナーたちに囲まれていろいろと言われ、学ばせろと叫ぶ人たちに苛立ち、今にもキレそうな雰囲気だ。

 

 

…あ、ピカチュウが10まんボルトで周りを威嚇してる…その間に兄が無表情から一変して笑顔で何か話してるみたいで、周りのトレーナーたちが怖がって遠ざかって行った。その表情には怯えがあって、一体兄に何を言われたのかは分からないけれど…トレーナーたちがピカチュウの電撃などで怪我なくて良かったと思った方がいいかな…。

とにかく不機嫌そうな兄たちにジュニアカップの優勝を祝わないとね。

 

 

 

「お疲れお兄ちゃん…優勝おめでとう」

『カゲカゲ!』

『ピチュピッチュ!』

 

 

「…おう」

『…ピッカ』

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「サトシ先輩…僕、もっともっと強くなります!サトシ先輩のように…アデクさんのように…だから先輩…今度のイッシュリーグで…その…」

「分かってるよシューティー。またイッシュリーグでバトルしような!…あ、でも強くなるにしても焦ったら駄目だからな。お前だけが強くなりたいと望むんじゃない。シューティーのジャローダたちと一緒に強くなりたいと望んで行動するんだ」

『ピカピカ!』

「はい…!ありがとうございますサトシ先輩!!またイッシュリーグで会いましょう!」

「おう!またなシューティー!!」

『ピィカッチュ!!』

 

 

 

ポケモンの合体技や応用について細かく聞いたシューティーが満足そうな表情で私たちと別れ、私たちはまたシロナさんの別荘に向かおうと歩きだした時にメロエッタが突然姿を消したため私とヒトカゲ、ピチューは何があったのか首を傾ける。

 

 

「どうしたのメロエッタ?」

『カゲ?』

『ピチュ?』

 

 

「…ん?おいあれって…」

『ピィカッチュ?』

 

 

 

「うぉぉおおおおおおおおお!!!!…ってうわ!?あちゃーもう前乗り組がいたか!?」

『バゥ!』

 

「はい?」

『ピカピカ?』

 

 

「よ、お仲間!仲良くしようや!!」

『バウゥ!!』

 

 

 

 

突然前から走ってきたのはリオルを連れたトレーナーで…名前はコテツ。コテツもリオルも親指を上げて私たちに挨拶をしている。

リオルは私たちの後ろにいるルカリオに同族がいたと喜んでいるようで近づいて挨拶していて、コテツはピカチュウやヒトカゲ、ピチュー…そしてルカリオとシェイミ、ポッチャマを見て珍しいポケモンだなと大喜びしているみたいだ。…なんというか、コテツもリオルも似たような性格なのかなと思ってしまった。そしてジュニアカップに参加しようとしていたみたいなんだけど、もうその大会は終わったし、先ほどポケモン図鑑を開こうとしてどこかのテレビのリモコンを取り出していて私たちは苦笑した。随分とせっかちそうな性格なんだなと思ってしまったからだ。そしてまたやってしまったといって嘆いていたみたいだけれど、すぐに機嫌を取り戻し、今ならまだアデクさんに会えるのではないかと考え、サインをもらいに行こうと大会が行われていた建物に走って行ってしまった。それはまるで台風か竜巻のような騒がしさだったと思う。

 

 

 

 

 

「何だったんだあいつ…」

『ピィカッチュ…』

「あ、嵐みたいな人ね…」

『キバキバ…』

『何だか関わり合いになりたくない人間でしゅね…』

『だが、リオルを見ている限りでは…悪い人間ではないみたいだ』

「リオルととても相性のいいテイストみたいだからね!でもまたどこかで会いそうだよ…」

「うん…たぶんまた会うだろうね…」

『カゲカゲ…』

『ピチュピチュ…』

『ロメッタ』

 

 

 

 

シューティー達と別れ、しんみりとした空気だったというのに、それを壊したコテツとリオルに私たちは苦笑して、そしてまた会うだろうと考えていた。

まあすぐに会いそうな気はしているけどね…主にヒカリさん達と別れた後に…。

 

 

ジュニアカップが終わったけれど、まだまだ何かが起きそうな旅が続きそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 




妹の心境。
 お兄ちゃんの噂がどんどん悪化しているような…いやもう仕方ないよね…。






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