マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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これからいろいろと不安があるけれど…。


第百二十六話~妹はアイリスとの絆を見た?~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。突然ですけれど、現在停電中です。

 

「暴れ者のカイリュー…ね…」

『カゲカゲ…』

『ピチュ』

 

カイリューが変電所を襲って、いろいろと被害が出ているとジュンサーさんが言って来ました。それで別荘にいると思ってシロナさんに助けを借りようとしたらしいんですけど、シロナさんは現在大会の準備をするために外出していていません。それで早急に対応ができなくなったと残念そうだったがジュンサーさんはそのまま変電所に戻って行った。

…私としては、ああようやくカイリューが来たかと思っているぐらいだ。アイリスの手持ちになるであろうカイリューだけれども…でも暴れん坊な性格のせいでアイリスの手持ちになっても問題が起きたということが原作であったから、これから大丈夫なのかなとちょっとだけ不安になる。…主にアイリスの暴走についてですけど。

前にエモンガの件のような感じになるかなと思うけれど…どうなんだろう……。まあその時に考えて行動すればいいかなと思ってます。とりあえず何かカイリューについて暴走したらその時に助けるか同情するかのどちらかにしておこう……まあなんとかなるよね。

 

 

カイリューが今までどんな行動をして暴れてきたのかを執事さんが教えてくれて、兄たちはそれを聞いている。

アイリスはカイリューが暴れ者だということで変電所を襲ったという理由に疑問を持っているみたいだ。単にドラゴンタイプだからという理由ではなくちゃんとはっきりとした考えをもって話す所は兄に影響を受けてしまったからだと思う。アイリスは執事さんの言ったことに首を傾けてから考え、そして口を開いた。

 

 

「ちょっと待って。それっておかしいわ……暴れ者といっても強いポケモンと戦いたいからカイリューが行動して…それで今まで被害が出たんでしょ?だったら変電所を襲った原因は何?…サトシ、どう思う?なんだかおかしいと思わない?」

『キバキバ?』

「ああ…確かにおかしいな。もしかしたら変電所に強いポケモンがいるという可能性もあるけど…それだったら変電所じゃなくてそのポケモンに襲いかかったから被害が出たってジュンサーさんが言うはずだよな…」

『ピィカ…』

 

「…そうだね…何かが変だ…他に何か理由でもあるのかもしれないね」

「変電所に行けば理由がわかるかもしれない…強いポケモンがいるか、それとも別の理由か…とにかく行きましょう!行って原因を確かめた方が早いわ!」

『ポチャポチャ!!』

 

――――というわけで、私たちはその変電所に向けて走り出した。と言ってもどこにその変電所があるのかわからないためルカリオが先程のジュンサーさんの波動を調べて案内している状態なんだけど。…ルカリオの案内によって、そのまま行った先ではジュンサーさんや警備員さんたちがダクトの方を見て調べ、どうしようか考えている途中のようだ。私たちはそこまで行き、そしてアイリスがそのダクトへ入って確認してみると言う。

 

 

「…私、アイリスと言います。私がカイリューと話をして外へ連れ出します!」

『キバキバ!』

「落ち着けよアイリス!…あの、この変電所にはカイリューが戦いたいって思える強いポケモンっているんですか?」

『ピィカ?』

 

「い、いいえ…ここにいるのはコイルだけよ…それにあなたの希望はかなえられません!あなたたちの身に危険を伴うようなことはできないわ!」

「大丈夫ですよ!ここにいるアイリスは竜の里出身で…ドラゴンタイプと話ができますから!…ね、アイリス」

『ポチャ!』

「はい!大丈夫ですから…お願いします!カイリューと話をさせてください!!…暴れるという以外にも何か……他にも理由があるかもしれないですから!」

『キバキ!!』

 

「…仕方ないわね。いいでしょう、お願いするわ!」

 

 

ジュンサーさんがアイリスたちの話を聞いてくれて、ダクトから中に入らせてくれた。…でも私とヒトカゲ、ピチューとルカリオとデントはここでお留守番になるみたいだ。私たちはまだバトルができないし、カイリューがもしも本当に変電所を襲っていたとしたら危険だと言われ、ここで待機しろと兄に言われてしまった。あと、デントは身長的にダクトに入れずに仕方なくここで待機して、そしてルカリオは私たちを守るという意味でここに残っているらしい。でも私はちょっとだけ不安だった。…まあ確かに私たちには力もないし、やれることも少ないけれど…でも何だか大丈夫なのか心配になってくる。

 

「私も一緒に行く!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

『駄目だ。もしカイリューに攻撃されたらどうする?このままここで待っていろ』

「そうだよヒナちゃん。僕たちは僕たちのやれるべきことをやるのみだよ」

「……分かった」

『……カゲ』

『……ピチュ』

 

 

『バァゥゥゥウウウ!!!!!!』

 

「何だ!?」

「カイリューの声よ…!」

「お兄ちゃん…お願いだから暴走はしないでね…!!」

『カゲカゲ…!』

『ピチュピチュ…!』

『……………………………………』

 

 

『……♪♪♪』

 

 

 

「…あれは…メロエッタの歌…」

「メロエッタ…」

 

カイリューの叫び声とメロエッタの歌声が変電所の中から聞こえてきて、私は祈るように待ち続けた。兄の暴走さえなければ普通にアイリスのゲットフラグが立って無事に終わるはずだと信じて…そして何も起きないと願って待ち続けた。

 

 

 

 

「ジュンサーさん!」

『ピィカ!』

 

「あ、帰って来たみたいだね!」

「…でもアイリスたちがいないみたい」

『カゲェ…』

『ピチュゥ…』

『…アイリスたちは中にいるようだな』

 

 

私たちはジュンサーさんや警備員さんたちにカイリューについて話をする兄たちに近づいた。兄たちの説明だとカイリューは怪我をして動けないということ、怪我のせいで一度暴れてしまって道がふさがったということを話した。でもジュンサーさんたちはそれを聞いて険しい表情で暴れ者のカイリューの怪我を治すことはできないということ、強いポケモンを持つ有力トレーナーたちを集めて無理やり突入するということを話した。

それを聞いた私たちは微妙そうな表情を浮かべていて、何かできることはないかと考える。…兄がその後アイリスに話をするために一度変電所の中へ戻って行ったため、もしかしたら原作通りに終わるのではないかと思えた。兄が戻ってきて、カイリューについて何も分からなければ私が話をしようと決意をして、変電所にいる兄を待つことにする。

でも私が話さなくても大丈夫なようだ。アイリスから真実を聞くことができて、どうしてこの変電所で暴れたのかが分かった。

 

 

「カイリューは森のマメパトを庇って…サザンドラの攻撃を受け傷ついた…その痛みに耐えかねて墜落したのが偶然にもこの変電所だった……ということかい?」

「ああ」

『ピッカ』

「なるほどね…いつも暴れてきたから、皆がカイリューが変電所に襲いかかってきたと誤解した…」

『なんだかただの自業自得でしゅね…』

『ポチャァ…』

「でも、マメパトを庇ったっていう証拠さえ見つかれば何とかなるんじゃない?」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

「ああ、そうだな…早く見つけてカイリューを保護しようぜ!」

『ピッカ!』

 

 

私たちは何か証拠となるものがあるかどうか、まずはカイリューが攻撃を受けたという場所まで向かうことになった。そこで見つけたのは激しい攻撃の後。…そしてある一つのカメラ。

 

「これさえあれば…カイリューが助かる!」

『ピカピカ!』

「早くこのカメラの持ち主に交渉して録画を見せてもらおう!カイリューが映っているかどうかを調べて…それでジュンサーさんの所へ向かうんだ!」

 

 

カメラからはちゃんとカイリューがマメパトを庇っている映像が映っていて、無罪だということがはっきりと分かった。そのためカイリューは無事怪我を治すことができて、そしてジュンサーさんたちに捕まることもなくすぐに解放されるらしい。

 

――――――でも、カイリューはそのまま飛び去ることもなく、その時にカイリューを庇って守ろうとしたアイリスのことを気に入り、手持ちになりたいと言ってきた。

 

 

 

「ありがとうねカイリュー!これからよろしくね!」

『キババ!!』

『バォォォオオオオオ!!!!!!!』

 

 

「何はともあれ…一件落着……かな?」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

『ロメッタ!』

 

 

 




妹の心境。
 まあ大丈夫…だよね。

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