マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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こちらも久々に会ったみたいだ…。



第百二十三話~妹は兄たちの再会を目撃した~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。兄のことを気にいるはずのメロエッタが何故か私に懐いていてちょっとだけ戸惑ってます。ですが膝の上で笑顔で私に挨拶してくれたメロエッタを見るとそういう気持ちもなくなって、嬉しいと思えたからまあいいかと思っている…かな。

 

そしてそろそろシロナさんの別荘に到着するのですけど…そういえば原作ではそこでヒカリさんと再会したような気がする。…まあもうすぐ着くことだし、その時に考えてみようと思う。

 

 

「見えてきましたよ…あれがシロナ様の別荘でございます」

 

 

執事さんが言ってくれたため、私たちは前の景色を見てその別荘を確かめる。別荘は遠くからでもかなりいい場所にある所だと思えた。海に近い場所に建物があって、さすがシロナさんがよく訪れるリゾート地の別荘だと思えた。メロエッタも楽しそうにヒトカゲ達と一緒にはしゃいでいて、私たちも楽しくなってきた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

やって来たシロナさんの別荘は普通の家よりも大きく、そして豪華そうだ。シロナさんの別荘に私たちはしばらくここに滞在するらしい。私から見ると滞在中は別荘ではなくまるでホテルに滞在しているような感覚になっているかもしれないと思えた。それに別荘の中はどうなっているのかが楽しみになってきた。主にポケモンたちについて…。ヒトカゲ達も別荘を見た瞬間に楽しそうに声を上げている。別荘には野生のポケモンたちがいるみたいだから仲良くなれたらいいなと思った。

 

 

「別荘にいるポケモンってどんなのだろうね!」

『カゲ!』

『ピッチュ!』

 

「こちらでございます」

 

 

『…ロメ』

 

 

「あれ?メロエッタが消えた?」

『ピィカ…?』

『…いや、姿が消えただけでこの近くにはいるようだ』

「メロエッタはおそらく恥ずかしがり屋さんかもね。この別荘が安全だと分かればまた姿を見せてくれるでしょうからまずは中に入りましょう」

「…そうですね。じゃあ中に入りましょうか」

『キバキ』

「じゃあ行こうぜ。お邪魔します!」

『ピカピカ!』

「お邪魔します!」

『カゲカゲ!』

『ピチュピチュ!』

「先に行かないのサトシ!」

『キバキ…』

「はは…まあこんなに立派な別荘を見たら無理はないよ」

『…ヒナ、荷物は持つからサトシのもとへ先に行け』

「あ、ごめんねルカリオ……待ってお兄ちゃん!」

『カゲカゲ!』

『ピッチュ!』

 

 

シロナさんたちに言われて、私たちはメロエッタを気にしつつも別荘の中へ入って行く。兄が海の見える場所を見つけたらしく、ピカチュウと一緒に先に行ってしまい、私たちもその部屋に行きたいと思っていたのだが、ルカリオが荷物を持って先に行って大丈夫だと言ってくれたため、礼を言ってからすぐに兄のもとへ向かう。そして兄が入った部屋に行ってみたら…ヒカリさんが兄と再会していた。

 

 

「久しぶりねサトシ!」

『ポチャ!』

「おう!久しぶりだなヒカリ!!」

『ピィカ!』

 

『サトシ、久しぶりでしゅ!』

 

 

「…ってあれ、シェイミ!?お前何でここにいるんだ?」

『ピカピカ?!』

「あー…」

『ポチャ…』

 

 

 

「…あの喋っているポケモンって何かしら?」

『キバキ?』

『見たことないポケモンだな…』

「あれは……確か感謝ポケモンのシェイミと呼ばれていると聞いたことがあるよ」

「ええそうよ。デント君の言うとおりあのポケモンはシェイミっていうのよ」

「…待って…何でシェイミがヒカリさんと一緒にいるの!?」

『カゲカゲ?』

『ピチュピチュ?』

「私と会ったときはもう一緒にいたけれど…メロエッタと同じ感じなんじゃないかしら?」

 

 

ヒカリさんが苦笑している中、私たちは驚いてシェイミを見ていた。特に私は何でという気持ちが強かった。あのシェイミは確かシンオウ地方で兄たちと出会ったポケモンだろう。喋り方や兄に久しぶりといった言葉からそう考えた。でもどうしてこのイッシュ地方にいるのかが分からない。ヒカリさんについてきた…のかな?

ヒカリさんはポッチャマとお互い顔を見合わせてから私たちに説明するために口を開いた。

 

「シェイミは私たちについてきたんじゃないの」

『ポチャ』

「え?どういうことだ?」

『ピィカ?』

『ヒカリの言う通りでしゅ!ミーはあいつに連れてこられたんでしゅよ!』

「だから、あいつって誰だよ…?」

『ピィカッチュ?』

 

「えっとね…ここにはいないんだけど……ティナが連れてきちゃったの」

『ポチャァ…』

「ティナ…?」

『ピィカ?』

 

 

「…なんだろう、凄く嫌な予感がする」

『カゲェ…』

『ピチュ…』

 

『ティナ…だと…?』

「へ?どうしたのルカリオ…何か知ってるの?」

『カゲカゲ?』

『ピチュピチュ?』

『…………いや、アーロン様からその名を聞いたことがあるような気がしたが…時間が違いすぎるからおそらくは気のせいだろう』

「そう…?」

『カゲ…?』

『ピチュゥ…?』

 

ヒカリさんが言ったティナという人は私たちは知らない。私はヒカリさんが言ってきた原作ではない事実に少しだけ嫌な予感がしていた。ルカリオが何か聞いたことがあるような名前だったらしいけど…でもおそらくヒカリさんが話すティナという人と関係がないとは思うから気にしないでおく。

とにかく、ヒカリさんが言ってきたことは原作じゃないことだろう。原作じゃないことは大抵が兄に影響されて起きた事実だったりするから…例えで言うならアイリスの暴走やシューティーの暴走だったりする…。だからティナという人物についてもおそらくは兄に影響されて起きた話なのではないかと…思っていた…。

兄がティナとは誰なのか分からず首を傾けて質問している。

 

 

 

「なあヒカリ…ティナって誰だ?」

『ピィカ?』

「ほら、サトシもあったことあるでしょ?あの反転世界でポケモンから人間になった――――」

「ちょっと待て…ティナってもしかしてギラティナか!?」

『ピッカッチュ?!』

 

 

 

「ああ…あの変態のこと…」

『カゲェ…』

『ピチュ?』

「ピチュー…会ったら絶対にダメな人…じゃなくてポケモンだからね?絶対に会ったらだめだよ?」

『カゲカゲ』

『ピチュ…ピッチュ!』

『ギラティナか…そういえば前に一度マサラタウンに来ていたらしいな…俺はまだ会ってはいないが…』

「ルカリオが会っちゃったら絶対にはどうだんで攻撃しそうなタイプだよ」

『………ああなるほど。そういうタイプのポケモンか』

 

 

「え…ギラティナってあの伝説のポケモン!?」

『キバキバ!?』

「何という驚きのテイストだろう!じゃあそのシェイミはギラティナの仲間ってことかい!?」

『ミーはギラティナの仲間じゃないでしゅ!!』

「え…そうなんだ…」

 

「…どういうことか気になるわ…ヒカリちゃん。ちょっと聞かせてくれないかしら?」

「あ、はい」

『ポッチャ…』

 

 

シロナさんが興味深そうな目でヒカリさんを見て、絶対に話すまで逃がさないというような表情で聞かせて?と言ってきた。それにヒカリさんは引き攣ったような表情を浮かべながらも話し始める――――――――。

ヒカリさんが教えてくれたことはかなり原作から外れた内容だったみたいだ。ギラティナは前にホウエン地方を旅する時に一緒に連れて行ってくれと頼み、そのままホウエン地方を旅していたということ。そして旅をしていてしばらくしたら反転世界を綺麗にしないといけないから一度戻らないといけないと言って帰っていき、少し時間が経つと今度はシェイミを連れてやって来たということなどを話してくれた。ティナという呼び方はギラティナが名前を省略した方がいろいろと都合がいいでしょ?といって呼ばせた結果らしい。…あと時々問題などが起きたらしいけれど、すぐにギラティナのおかげで解決できたこともあったり、逆にギラティナがいたせいで起きた問題などもあったりしたらしい。ホウエン地方を旅していた間はかなり大変だったらしく、遠い目をして話してくれた。

 

「はは…大変だったんだなヒカリ…」

『ピィカ…』

『伝説と共に行動するというのはかなり疲労がたまりそうだな…』

「確かに大変そう……あ、じゃあ今はギラティナはここにいないんだね」

『カゲ?』

『ピチュ?』

「ええ、反転世界にずっといなかったからしばらく戻らないといけないって言って帰って行ったわ」

『ポッチャ』

『ミーは犠牲になったんでしゅよ…』

「た、大変だったのね…」

『キバキ』

「何というか…凄まじいエピソードだね…」

「でもずいぶん興味深い話ね…大昔にギラティナがいたという記録はほとんど残っていないのに…今はヒカリちゃんと一緒に旅をして、そして反転世界に戻っている…しばらくしたらまたこちらに戻ってくるのかしら?」

「はい、おそらくは…」

『ポチャポチャ…』

 

今別荘にギラティナがいないということも分かり、シロナさんや執事さん以外の私たちは苦笑してしまった。でもヒカリさんは私を見ていきなり肩を掴み、決心したような表情で口を開いて言ったため驚いてしまった。

 

「ヒナちゃん!」

「は、はい!?」

「ヒナちゃんは絶対にティナの餌食にはしないからね!あの馬鹿に何かされたら私に言うのよ!!ポッチャマのハイドロポンプで吹っ飛ばしてあげるから!!」

『ポチャポチャ!!!』

『ミーにも任せるでしゅ!』

「わ、わかりました…」

「あ、それなら俺も…何かあったら言うんだぞ」

『ピッカ』

『ヒナ、大切なのは声を大きくして叫ぶことだ…声が聞こえたらすぐに向かうから安心しろ』

「ぜ、全然安心できないよ…主に平穏な意味で…」

『カゲェ…』

『ピチュゥ…』

 

出来ることならギラティナが私たちや兄たちと一緒にいる時に戻ってこないことを祈ろう。何かあったら困るから…。でもシロナさんはできることならギラティナに会って話を聞きたいらしくちょっとだけ残念そうな表情を浮かべていたりする。私としては会いたくないけどね…。

 

 

 

―――――その後、メロエッタがヒカリさんたちに姿を現して挨拶したり、デントとヒカリさんがバトルしたりといろいろと騒がしいことになったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 




妹の心境。
 原作崩壊させてたのはお兄ちゃんだけじゃなかったのね…。







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