マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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それはかなり予想外だったようだ。


第百二十話~妹は弟子に出会った~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。この間タチワキジムのジム戦で兄が8個目のジムバッチをゲットしてました。…速いですよね…でももうこれが日常というかなんというか…。

 

ですが、イッシュリーグが開かれるのが三か月先とのことで、それまでもっと強くなるために修行をするということになりました。イッシュ地方からだとマサラタウンにいるフシギダネ達を連れてくるのはかなり難しいため、今回のリーグはイッシュ地方で捕まえたポケモンで戦うと決めたみたいです。イッシュ地方のどこで修行をするのか考えている兄たちだったんだけど、デントが指を鳴らして笑顔で言う。

 

「君たち!修行を何処でやるのかは…この町の名物でもあるツンベアーアイスを食べながら決めたらどうだい!?」

 

「ツンベアーアイス…いいわねそれ!」

『キバキバ!』

「よし、じゃあツンベアーアイス食べに向かうぞ!」

『ピィカッチュ!!』

 

「もう…お兄ちゃんたち呑気なんだから…」

『カゲ』

『ピッチュピッチュ!!!』

「ピチューもアイス楽しみなんだね…」

『ピチュゥ!!』

『ここで考えても仕方ないだろう…行くぞ』

「はーい」

『カゲェ』

『ピチュ!』

 

というわけで私たちはツンベアーアイスを食べるために歩き始めた。途中で来た人が多く集まっている広場のような場所でデントが≪プリンセスポケモンの休日≫という映画のロケに使われたということや、その映画でツンベアーアイスを食べるという有名な話になっているということを興奮しながら話していて、私たちはそれを興味深く聞きながら歩く。この場所で映画のようにツンベアーアイスを食べるのが夢だったんだよ!とデントが言っていたんだけど、張り紙が貼ってあって、ここでツンベアーアイスを食べるの禁止と書かれてあり、デントの小さな夢は散ってしまった。それに落ち込んだデントをルカリオが慰めつつ、私たちは苦笑しながらもツンベアーアイスを売っている店へと向かう。

…あれ?というかツンベアーアイス食べる話って原作で見たような…まあ後で何か事件でも起きればわかることかな。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「あれ?シロナさん?」

「サトシ君?久しぶりね!」

「はい、お久しぶりです」

『ピッカ!』

 

「…え?サトシ、シロナさんと知り合いなの!?」

『キバキバ!?』

「あのシンオウチャンピオンで有名なシロナさんと知り合い…って凄いよ!!ファンタスティック!!」

「まあいろいろあってな」

「そうなの…私とサトシ君は師弟関係なのよ」

 

「ちょ…ちょっと待って!お、お兄ちゃんどういうことなの…?シロナさんと師弟関係って何!?」

「そのままの意味だぞ」

「意味が分からないから!!!」

 

『…カゲ?』

『…ピチュ?』

『シンオウ地方で一番強いトレーナーが彼女ということだ』

『ピカピカッチュ』

『カゲカゲ!!?』

『ピチュゥ!!』

 

 

シロナさんと師弟関係っていう話初めて聞いた…いつの間にそんな関係になっていたというかなんでシロナさんとそんなに仲が良いの!?ヒトカゲとピチューはシロナさんが誰なのか分からず首を傾けていたんだけど私には説明する気力がない…もう意味が分からなすぎる…。ルカリオとピカチュウがヒトカゲ達に説明してくれたから良かったけど…兄はシンオウ地方で一体何をやらかしたんだろう…。

そしてシロナさんはそんな驚いている私に向かって興味深そうな表情を浮かべ、兄に視線を移す。

 

「お兄ちゃんってことは、もしかしてサトシ君の妹さん?」

「はい。妹のヒナです。それでこっちが――――」

「デ、デントです!よろしくお願いします!!!」

「わ、私はアイリスといいます!!それでこっちがキバゴ!」

『キバキバ!!』

「…よ、よろしくお願いします」

『カゲ!』

『ピッチュ!』

「ふふ…よろしくね。私はシロナ。サトシ君の一番弟子よ」

「いちば…一番弟子!!?」

『カゲ!?』

『ピチュゥ?!』

「へ!?どういうことなの!?シロナさんがサトシの師匠じゃないの!!?」

『キバキ!?』

「いや俺が何故か師匠になってるけど…」

『ピッカ』

「よ、よく分からない驚きのテイストだね…!」

 

「そんなに驚くようなことか?」

「驚くに決まってるでしょ!!?何なのお兄ちゃんシンオウチャンピオンの師匠って…お兄ちゃんが将来どんな風になっていくのか心配になってきた…」

「俺は将来ポケモンマスターになるけど?」

「そういう意味じゃない!!!」

『ヒナ。もしサトシがポケモンになってしまったとしてもそれを信じ、対応するぐらいの心構えでないとこれから先やっていけないぞ』

「ルカリオ…それもう諦めてるってことだよね?もうこのままツッコミ放置するってことだよね?諦めちゃ駄目だよお兄ちゃんをこのままにしておけないよ!!」

『諦めろ。もう手遅れだ』

「そんな…」

 

「おいお前らいい加減にしろよ」

『…ピィカ…』

 

「ふふふ…」

 

 

シロナさんは私たちのボケとツッコミに爽やかに微笑みながら見ていた。というかさすがシンオウチャンピオン…大物ですね…私たちの会話を聞いているのも、ルカリオが喋っているということも動じておらず、ただ面白そうに笑っているだけだ。デントもアイリスもルカリオと同じように兄に対して少しだけ諦めているようでもう私しかいない状況にため息をついてしまう…。本当に兄がこれからどうなっていくのか不安で仕方がない。普通の人間のような生活できるのか…それが心配なんです。……もう無理なのかな。というかシロナさんとの師弟関係について話を聞くと、なんとカント―地方を旅している時にすでに会っていたらしい。その時点でいろいろと原作崩壊していたのかと私は確信してしまった。ああもう無理だ、諦めよう…。

 

 

 

――――――そして何故シロナさんがこのイッシュ地方に来たのか、これからどこに行くのかを教えてくれた。その先はポケモンワールドトーナメントジュニアカップというとても名前が長い大会にエキシビションマッチを頼まれたという。そしてその大会は誰でも参加することが可能だということや、大会優勝者にはアデクさんと戦えるということを教えてくれた。これを聞いたらやる気が出てくる兄がいたりする…この先の修行場所は決定したも同じだね。

 

 

「よし。俺その大会にでます!」

『ピカ!』

「あ、私も出ます!!」

『キバキバ!!』

「面白そうだし。僕も出てみるよ!」

 

「あはは…まあ頑張って」

『カゲ』

『ピチュ』

『修行にはなりそうだが……』

「ルカリオ、バトル出たいんだったらお兄ちゃんに頼んでみたら?」

『…いや、やめておこう』

 

 

ルカリオもその大会でバトルしてみたいという表情を浮かべていたんだけど、悩んだ末に出るのをやめるみたいだ。兄も兄のポケモンも大会に出たいというやる気はあると思うけど、ルカリオにもちょっとぐらい出て楽しんでもらっても大丈夫だと思うんだけどと苦笑してしまった。前もドン・ジョージのバトル施設でよくバトルしたそうな表情を浮かべていて、でも全部我慢していたから、大会の一回戦ぐらいは兄と一緒に出てもいいような気がする。

ルカリオに、兄と一緒に大会でバトルに出たとしても兄と兄のポケモンは文句は言わないよそこまで心が狭くないよと言いたいけど…まあそれは兄次第だと思うから私は何も言わない。ミジュマルのこともあるしちょっとだけ不機嫌になるかもしれないけど、ずっと旅してきた仲間なんだから少しぐらい我儘言ったとしても許されると思うんだけどな…と思った。まあ私が兄に頼んだとしてもおそらく兄は直接自分で頼みに来いと言うだろうから、そのままにしておこう。ルカリオと兄たちの気持ち次第だろうから。

 

―――――――とにかく、私たちの次に目指す場所が見つかった。

 

 

「よし、イッシュリーグに向けて腕試しだ!」

『ピカピカ!!』

 

「……でもその前に」

 

 

 

「…何ですか?」

『カゲ?』

『ピチュ?』

 

 

 

 

 

「…………ツンベアーアイスよ!!」

 

 

シロナさんが真剣そうな表情を浮かべてきたため、私たちは何だろうと思って聞いてみる。するとシロナさんは後ろにあるツンベアーアイスのお店に振り向き、笑顔でアイスを頼んでいく。その光景に私たちは苦笑してしまった。まあシロナさんはアイス好きとして有名だから仕方ないか。

 

 

 

 

 




妹の心境。
 お兄ちゃんの暴走止めないときがあったからいけなかったのかな…。





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