マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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兄はレシピ通りには作らないようです。


第十一話~兄が化学兵器を作り出した?~

 

 

 

こんにちは、兄のサトシです。

今ホウエン地方で楽しく旅に出ています。

「…なあこれ食べれると思うか?」

『…キャモ』

『ピィ…カ…』

「だよなぁ…」

現在俺たちはきのみで作ったポロック前にいます。ポロックを作ってみたんだけど、なんか色が虹色に輝いていて食べれないような気がする。ポロックから禍々しい雰囲気が漂ってきていて、見た目はカラフルなのに気味が悪いというか…。

あ、ちなみに俺の腕につかまっているキモリは旅の途中で仲間になったんだぜ。

 

「サ、サトシ…それは食べない方がいいかも」

「僕もそう思うよ。というかサトシどうやってその虹色ポロック作り上げたの?」

「うん?…今持っている食べ物全部まぜたらこうなった」

「全部!?」

ちなみに今一緒にいる仲間はタケシ、ハルカ、マサトだ。俺が作り出した禍々しい虹色ポロックから少し距離を置いて驚いた表情を浮かべている。

そんなに驚くような話だったか?

「待て待て待て。もしかしてきのみ以外もか?」

「おう。きのみはもちろん、タウリンやブロムヘキシン、リゾチウム、キトサン、インドメタシン、マックスアップ、ハートのウロコ、フエンせんべい、あと―――」

「よく全部入ってちゃんとしたポロックになったね!!?」

「いやでも虹色だし失敗作だぞこれ」

「…成功してたらまさに奇跡だったかも」

『キャモ』

『ピカピカチュウ』

三人はそれぞれ微妙な表情を浮かべている。キモリはポロックから近づこうとせずただ俺の腕に捕まり、ピカチュウは虹色ポロックの臭いを嗅いで酸っぱそうな表情を浮かべていた。

確かにこれは失敗作かな。おいしくてポケモンの身体に良さそうなもの全部入れてしまえば一番おいしくなると思ったんだけど無理だったか。

 

「よしこれロケット団に贈ろう」

「…え?それ捨てたりしないの?」

「いや食べ物粗末にしたらよくないだろ。だからロケット団に食べてもらう」

ロケット団に食べてもらうという俺に対してハルカとマサトは複雑そうな表情になった。おそらくロケット団が今までどんなことをしてきたのか知らないから複雑な表情になってしまうのだろう。

今はだいぶ落ち着いていて、たまに襲撃してくる三人組を俺とピカチュウが吹き飛ばすからロケット団三人組の印象は可哀想な奴らになっていた。

一方タケシやピカチュウは今までの悪さの所行と俺の被害もあってか納得したような顔になり、器などを見つけてロケット団に贈るように言ってくれる。

キモリも俺の表情を見て、何かあったのだろうと予測し、反論などはしなかった。

 

ハルカとマサトは贈り物の準備をする俺に向かって言ってきた。

「い、良いのかな?なんか可哀想な気がするよ?」

「いいんだよ。というかこれ食べたとしてもしぶとく生きてるだろうし…」

前世で見た別名・Gのように吹っ飛ばされてもすぐに向かってくる精神力と頑丈さは俺以上な気がする。

…あいつらのことスーパーロケット団員とでも呼んだ方がいいかもな。

 

「…まああいつらなら大丈夫だろ」

俺が旅立ったころからずっと関わってきた腐れ縁だからこそ言える言葉だった。

 

 

 

ちなみにその後、ロケット団がこの虹色ポロックを食べたかどうかは知る由もない。

 

 

 




兄の心境。
 あれ本当に食べたらすごいよなぁ…。

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