マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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まだまだ分からないことがいっぱいだ。


第百十五話~妹達は解決策を知った?~

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。ようやく騒ぎが収まって原作世界のサトシの服も乾き、ジュンサーさんのもとへ行こうということになり、現在歩き始めてます。……ですが何故だか私たちの世界のシューティーと原作世界のシューティーが歩きながらお互い睨み合って怒鳴り合い、争っています…どういうことなの。

 

 

 

 

「だから言っているだろう!!サトシ先輩はとてもすごい御人なのだと!!!」

「それがくだらないと言っているんだ!!何故サトシなんかを先輩と呼び、敬うのか僕にはとても理解できないね!!」

「…サトシ≪なんか≫だと…上等だ。バトルで決着をつけようかそっちの世界の僕!!もちろん勝つのはサトシ先輩を心底尊敬しているこの僕だ!!」

「なにを言っているんだ!この僕こそ勝つに決まっているだろう!!」

 

 

「おい落ち着けってシューティーにシューティー!」

『ピィカ…』

「もう…本当に子供ね…」

『キバァ…』

「お互いの性格が合わずに自分自身同士で争い合う…うーん…パラレルワールドの映画でよく見られそうなシーンだ」

「何かよく分からない…けど私、そっちのルカリオ達と交換したいなぁ…うぅ…」

「ベル、まだそんなこと言ってるの?あなたも本当に子供ねぇ」

『キバキバ…』

 

 

 

 

「……もう、どっちがどっちなんだか…お兄ちゃん止めなくていいの?」

『カゲ?』

『ピチュ?』

「いや、もう放っておこうぜ…とにかく原因さえ分かれば元に戻るんだからな…」

『ピカピカ…』

「そうねサトシの言う通りよ……ジュンサーさんは何処にいるのかしら?」

『キバキ』

「たぶんポケモンセンターかな?あそこは他のポケモンセンターと違って大きくて町の情報網として便利だと聞いたことがあるよ」

『そうだな…波動でもそちらに近いようだ』

「よしじゃあそっちに行こう」

『ピカッチュ』

 

 

 

―――――――というわけで私たちはそのままポケモンセンターへ向かうことになった。途中でダブルシューティーがバトルしに行くと言ってバトル施設に向かってしまい、原作世界のベルも交換施設へと向かって行ったため、私たちはそれを見送りながらも到着した。…そういえばダブルシューティーと別れる直前、私たちの世界のシューティーは律儀に挨拶をしてから向かったため、原作世界のサトシはともかく、アイリスたちに引かれていたみたいだけどね……。

 

 

 

そうして到着したポケモンセンターにはジュンサーさんの姿…と、ベルの姿がいた。さっき交換施設に向かったのが原作のベルなら、こっちのベルは私たちの世界のベルで間違いないだろう…というか、なんだかこっちの世界とあっちの世界言いすぎて…混乱してきた…。

そしてベルがお嬢様のような雰囲気漂う仕草でこちらに挨拶してきたことに原作世界のサトシ達は驚いているようだ。

 

 

 

 

「あら?先程ぶりですわ皆さん…どうかしたんですか?」

 

 

 

「えええ!?べ、ベルの性格が激変してる!!?」

『ピカァ!?』

「こっちのベルもシューティーと同じく違うってこと!?」

『キバキバ!?』

「な、何だかもう見慣れた光景だけど驚いちゃうね…」

 

 

「ようベル!さっきは泥棒探し手伝ってくれてありがとうな!」

『ピッカァ!!』

「いえ、私にできることでしたらお手伝いはしますわ」

「ありがとうベル!」

『キバキバ!!』

「ははは……さっきのベルと比べてしまうよ…懐かしいテイストだね…」

 

 

「あの、比べるというのは…?というよりも、何故サトシ君たちが増えているのでしょうか?ヒナちゃんたちは違うみたいですけど…?」

 

 

「あ、えっと…実はね―――――――――」

 

 

 

私がベルにすべてを説明している間、原作のサトシ達は、兄たちと一緒にジュンサーさんのもとへと向かって行った。いろいろと聞きたいような表情を浮かべていたけど、兄が話さないのなら私たちは話さないので何も言うつもりはない。…というよりも、兄が暴走してこうなっただなんて言えないよね。

私の世界のアイリスたちと密かに話し合って決めたことなので、何か聞きたければ兄に聞けと視線で言ったからまあ大丈夫だろう。原作世界のアイリスたちは言いたくないと言うことが分かったのか何も言わない。でも原作世界のサトシは普通に兄にどういうことなのか聞いているんだけどね。それに兄は暴走した結果ああなっただけだと言っていたけどそれって説明になってないような……まあいいか。

 

 

 

「なるほど…それではこの町に異世界の私もいるということなのですね」

「うんそういうことになるかな…」

『カゲ』

『ピチュ』

「ですが…ヒナちゃんたちの姿が見えないようですが…いったいどちらにいるのでしょう?」

「ああいや、私たちは…居ないことになってるというか……なんというか」

『カゲェ…』

『ピチュゥ…』

「え?もしかして異世界のサトシ君には妹はいらっしゃらないのですか?」

「う、うんそうなってるみたい」

「そう…でも、私たちの世界では生まれてきてくれたのですから、そのことに祝福しなければなりませんね…生まれてきてくれてありがとうヒナちゃん」

「…ベル…こちらこそ出会ってくれて、ありがとう」

『カゲカゲ!!』

『ピチュピッチュ!!』

「もちろんヒトカゲとピチューとも出会えて凄くうれしいよ!」

『カゲカゲェ!!』

『ピッチュ!!』

「ふふ…」

 

 

ベルとの説明が終わり、ちょっとだけほのぼのとした雰囲気で私たちは笑い合った。ベルが私に生まれてきてくれてありがとうと言ってくれたのがかなり嬉しかった。原作世界は違うけれど、兄たちのいる世界に生まれて私も嬉しいし良かったよ。

…そう思った時、ジュンサーさんたちの方から驚愕しているような叫び声が聞こえてきた。

 

 

 

「ええええ!!!!!???」

 

 

 

 

「…何かあったのかな?」

『カゲ?』

『ピチュ?』

「行ってみましょうか」

 

 

私たちが兄たちの方に近づくと、ジュンサーさんが悲しそうな表情で何かを言っているのが聞こえてきた。

 

 

「…まだ詳しくは分からないけれど…私たちの宝玉とそちらの世界の宝玉をどうにかして力を重ねないとうまく元の世界に戻れないみたいなのよ」

「じゃあ…じゃあ俺たちはこのままってことなのか?」

『ピカピカ?』

「…でも、力を重ねれば元に戻るんだよな?」

『ピィカ?』

「ええ、でもどうやってやるのか方法が分からないのよ…」

「…どうやるのかわからないかもしれないけど…何とかやってみなきゃわからないだろ!!やってみようぜ!!!」

『ピッカァ!!』

「だから、どうやるのかわからないから困ってるんでしょ!!サトシったら子供ねぇ…」

『キバキ…』

「…でも、こっちの俺の言うとおり、何もやらないのも分からないままだ」

『ピィカ…』

「う…それはそうだけど…何よサトシのくせに…」

『キバ…』

「…はいはいそう言わないのこっちの私。サトシ達のやることに私たちも手伝いましょう」

『キバキバ!』

「分からないということに挑戦する…これは…」

「…僕たちの出番というわけだね!!」

 

 

 

 

「どうしたのルカリオ?…何があったの?」

『ああヒナ…いや、もとに戻す方法が見つかったんだが、宝玉同士の力を重ね合わせないといけないらしいんだ』

「まあ、それは大変ですわね…」

「重ねる…力をうまく同じ時間に使わせるってこと?」

『カゲ?』

『ピチュ?』

『それが分かれば苦労はしない…』

 

 

 

ということで、時間の宝玉でどうにかして力を重ね合わせないといけないらしい…ダブルデントがちょっとだけ煩くなってきてるんだけど、まあ兄がどうにかして止めるだろうと思いながらも考える。どうやって元に戻すのか…その方法を考えなければいけないと焦りながらも…。

 

 

 

 






To be continued.



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