ある意味地雷を踏みまくってるけど…。
こ、こんにちは…妹のヒナです。何だか原作とは違ったよく知らない人物が兄に喧嘩を売っていて恐ろしい事態になってます……。
「お前がカント―地方、オレンジ諸島、ジョウト地方、ホウエン地方、シンオウ地方とリーグ等で優勝した凄腕トレーナー?…ハッ!笑わせるなよ!!!」
「………はぁ?」
『………ピィカ?』
「…え?何なのあの人。死にに来たの?」
『キバキバァ…』
「ははは…危なそうだから僕たちは離れて見てようか」
「そうだねデント…これ絶対にヤバいよね…お兄ちゃんもうキレ気味だもん……」
『カゲカゲ…』
『ピチュゥ…』
『…その間に何か作って待っていよう。どうせもうすぐ昼食だ』
「あ、僕も一緒にやるよ…」
まあというわけで私たちは凄く離れてこれから起きる悲惨なことを予測してみてます。ルカリオとデントはそろそろ昼食だからと言って食器や食材などを出して作り始めてるし…皆フリーダムだね…。
アイリスが私たちを守ろうとしてくれているのか、私たちの近くに来て一緒に座って見てくれている。そして何故かキバゴだけじゃなくドリュウズやエモンガもボールから出して警戒態勢を整えている。
ルカリオやデントもそれぞれこちらに攻撃が飛び火しないように物凄く離れた場所で料理をしていて、何かあったらすぐ対応できるようにしてあった。
そしてそれらに気づかない哀れなトレーナーは兄とピカチュウを指差して叫んだ。
「どんな大会に出ても優勝するという凄腕トレーナーがイッシュにいると聞いて来て見れば…何だその弱そうなピカチュウは?それにお前も全然強そうには見えないなぁ…ハッ!全然駄目なトレーナーじゃねえか!」
「………………………」
『………………………』
「…ねえヒナちゃん。どう思う?」
『キバキ?』
「うーん…カベルネの時ぐらいは怒りそうな気がするかな…でも今のでピカチュウの10まんボルトは確実になったね」
『カゲカゲ…』
『ピチュゥ…』
私たちは遠くから兄たちの様子を見て苦笑しつつ、話し合った。この後起きる被害の状況について、兄がどのくらい怒っているのかなど、まるで実況者のようにアイリスやキバゴ、ヒトカゲやピチューと一緒に話していく。でも絶対に兄たちには近づかない。デント達の方からとても良い匂いがしてきて、お腹が空いてきたんだけど、兄たちの騒動が終わるまではご飯はまだ食べれないかなと考えた。
兄たちの異変を知らないトレーナーはゴルーグをボールから出して、自慢してきた。
「どうだ?俺のゴルーグの方が強そうだろう?お前のピカチュウなんて目にも当てられないぐらいだぜ!優勝なんてどうせデタラメなんだろ?なんでこのイッシュ地方にはお前が凄腕トレーナーとして有名でないか、噂が流れてないのかわかるか?お前が実際に弱くて何もできない駄目なトレーナーだからだよ!カント―地方からシンオウ地方までいろんな噂が流れてたけどそれって嘘なんだろ?それにポケモンも調べたけど全部弱そうで俺のポケモン一撃で倒せそうだぜ!」
『ゴビッ!』
「……………………………」
『……………………………』
「うわ…お兄ちゃんとピカチュウの周りが急降下で寒気がしそうなぐらい冷たくなってる…」
『カゲッ…』
『ピチュッ…』
「サトシが旅していた他の地方で優勝したっていうのは聞いたことあるけど噂は知らないわ…ねえヒナちゃん、噂って一体何なの?」
『キバァ?』
「えっと、お兄ちゃんが色々と旅していた時に起きたトラブルを解決させていたらいつの間にか噂になって、それで通り名も出来たりしちゃったんだ…」
「通り名?」
『キバ?』
「…えっとね…カント―地方では≪歩く人外魔境≫、オレンジ諸島では≪問題児の巣窟≫、ジョウト地方で≪人の形をした伏魔殿≫、それでホウエン地方では≪カント―が生んだ最終兵器≫、シンオウ地方は≪人の皮を被ったポケモン≫…まあこんな感じかな…」
「へぇなるほどね…じゃあイッシュ地方で最近聞くサトシの通り名も似たようなものだったんだ」
『キバァ…』
「え?イッシュ地方の通り名?」
「ええ、たしかサトシの通り名で≪トラブル・ブレイカー≫って言われているのを聞いたことがあるわよ」
『キバキ』
「私知らなかった…」
『カゲ…』
『ピチュゥ…』
「ま、まあ知らなくても仕方ないことよ。ヒナちゃんずっとサトシかルカリオの近くにいたでしょ?だから近くにいる時はそういう話をする人はいないのよ…」
まさか兄がこのイッシュ地方でも通り名を作ってしまっているとは思わなかった…。しかも何その通り名≪トラブル・ブレイカ―≫って…何か微妙なネーミングセンスというか何でその通り名ができたのか聞きたいぐらい疑問が出てくるんだけど。…本当に、いったいどこでそんな通り名ができたんだろう……。私はそういうのに気をつけてたんだけど…あ、でも遅いか…最初にこのイッシュ地方に来た時、そしてシューティーを見て暴走した兄たちを止めれなかった時点でもう宿命のようなものかなと思った。
それに今まさにまた何か騒動起こしそうだしね…。
「何だよお前。ずっと何も言わないで…ハッハァ!もしかして俺に図星を言われたから無言なわけ?やっぱり弱いんだお前のポケモンも、お前自身も!!」
『ゴビッ!』
「……言いたいことは そ れ だ け か ?」
『ピィカッチュ?』
「ああ?」
『ゴビ?』
「はいお兄ちゃんの暴走まであと数秒を切りましたー…」
『カゲカゲ…』
『ピチュウ…』
「ああもう…ヒナちゃん、デント達のいる方へ戻りましょう。ここからはカベルネと同じ…いやそれ以上の悲劇になりそうだから」
『キバキ』
――――――――というわけで、私たちはアイリスに連れられてデントとルカリオがいる方まで行きました。そこは木々に覆われているおかげで兄たちの様子がはっきりと見れないようになっていて、しかも何か攻撃が来たらすぐにルカリオがその攻撃を受けとめられるようにしてあるみたいだ。それに作られていく料理がとてもおいしそうでお腹が凄く空いてくる。
「ギャァァァァァァアアアアアアアアッッッ!!!!!!!!!」
『ゴンビィィイィィィィィイイイイイッッッ!!!!!!!!!』
「聞こえません…私には悲鳴なんて1つも聞こえない…」
『カゲカゲ』
『ピチュピチュ』
「同じく」
『キバキバ』
「はは…でもこの昼食ができる頃には終わってそうだね」
『…捕まるようなことさえなければ俺はどっちでも構わない』
―――――というわけで、まあいろいろとあったけど良い1日だと思いました。
妹の心境。
もう皆にとっては慣れたことです……はぁ…。