マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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マサラタウンではいつも通り賑やかだ。


第百二話~マサラタウンは騒々しい~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マサラタウンにはよくポケモンたちが集まってくる。人から見たら伝説と呼ばれているポケモン、とてもレベルが強いと一目でわかるポケモンと様々だ。アルセウスという神と呼ばれているポケモンも一度マサラタウンで計画をたてたこともあったが、今はこちらに来ていない。兄たちが帰ってきたらマサラタウンに来ることは確実だろうが…。そしてアルセウス含めてポケモンたちはマサラタウンの住人には知られていないのだ。

彼らは皆、騒がしくされること、そして問題が起きることを何よりも嫌うからだ。平穏を誰よりも好んでいる彼らは全員が共通してある目的のために動いていた。

そのある目的とは――――――――――。

 

 

「……ねえ、これで本当にサトシ達が帰ってくるの?」

『マナァ?』

 

 

『当たり前ニャ!!ニャーの言うことに不可能はないのニャ!』

 

 

「……そう言いながらも旅に出ていた頃はあまり役に立ってなかったような気がするかも」

『マナァ……』

 

 

『ジュ…』

『ズッバァァ…』

『ヘイヘイ…』

 

 

『コォォォォオ!!』

 

 

 

『そんなわけないニャ!ニャーは天才なのニャ!!!』

 

 

ハルカ達の声を聞いたニャースが怒って怒鳴る声が迷いの森に響き渡った。

 

――――――迷いの森の奥深くに様々なポケモンたちが集まって静かに話し合い、そして目的のために動いていた。その目的とは、サトシとヒナがマサラタウンに帰ってくるということ。本当なら最初の頃はサトシ達に会えるというだけで十分だったのだが、なぜか話が逸れまくり、いつの間にか早く帰って来いと言うことが目的となっていた。

だが、サトシ達の目的であるイッシュリーグまでは帰ってこないというのは十分理解している。でもほんの少しでもいいから会いたい、会って話がしたいと言うのは全員が考えていること、望んでいることなのだ。ボールを交換して会えるというのなら即座にやってもらっているだろう。でもイッシュ地方までは遠く、ポケモンを送るのはかなり困難だと言われてしまった。しかもイッシュ地方までボールを送れるようになるのはもう少し先だと言う…。そんなに我慢できないからこそ、本日も皆が集まってサトシ達に早く会えるように話し合い、計画をたてているのだった。

ただしその中には、よく説教をしてくるフシギダネの姿は見えない。

 

 

 

今回はどうやらロケット団のニャースも一緒に参加しているらしい。どうやらサトシ達に会うために誰でもいいから助けてもらおうとして強制的に連れてこられたみたいだ。ニャースは両手に何やら細長い棒状のような機械のものを持って自信満々の表情を浮かべている。

ハルカはもちろんホウエン地方で一緒に旅をしていたジュカイン達がみんな苦笑してニャースを見ている。…コータスは何故か号泣してニャースの話を聞いていたみたいだったが、いつものように皆に慰められていた。

 

『ただ、エネルギーがまだ足りないのニャ…』

 

『エネルギーだと?…おい貴様、まさか何もできないという気か』

『そんなわけないニャ!ニャーはちゃんとやってるのニャ!!』

「ほら、ニャースもミュウツーも落ち着いて…エネルギーってどんなエネルギーなのよ?」

『ベイベイ!』

 

 

ミュウツーは以前ロケット団に対していろいろと思うことがあるのか、ロケット団に所属しているニャースにはかなり冷たく接している。そんなミュウツーにに落ち着くように言うハルカは、少し疑問に思いながらニャースに聞いた。エネルギーとはどんなものなのかを。ベイリーフも気になるらしく、ニャースに近づきながら聞いてきた。ニャースは手に持っている機械を見せて言ってきた。

 

『この中に炎のエネルギーが必要なのニャ』

「炎?だったら私の出番ね!バシャーモお願い!」

 

『バッシャァァ!!』

 

『ニャァァァッ!?危ないニャ!ニャーを殺す気かニャ!?』

『バシャ?』

「え、違うの?」

 

『そんなに強い炎はいらないニャ!!もっと小さくていいのニャ!!!』

 

 

ハルカがバシャーモをボールから出してオーバーヒートでニャースの持つ機械に向かって放つ。だがニャースが慌ててその凄まじい炎から逃げ、ハルカ達に向かって怒鳴ってきた。

ハルカとバシャーモは首を傾けてどういうことか聞いたら、ニャースが小さな炎で十分だといってきた。そのためバシャーモが小さな炎をだして機械にいれる。すると機械が動き出してキラキラと先端が光りだした。

 

『ベイベイ!』

「綺麗!…でもこの機械ってどんな効果があるの?」

『バシャァ!』

『マナァ!』

『ワニィ!』

『ピジョォットォォ!!!』

 

『これはピカチュウがこの機械に近づきたいと思ってしミャうマシーン…略して≪ピカチュウおびき出してジャリボーイ達も帰らせよう機械≫だニャ!!!』

 

「………なんか長すぎるかも」

『…マナ』

『…ジュル』

『…バシャ』

『長すぎるな、おまけにそれではイッシュ地方から帰るかどうか効果が分からないだろうが』

 

『ニャにを言ってるのニャ!!この機械を電話しているジャリボーイとピカチュウに向ければたちまちピカチュウが帰りたいと言ってくるニャ!そして絶対マサラタウンに帰ってくるのニャ!!このスイッチを押せばたちまち………………何ニャ?』

 

 

ニャースが不満そうな周りのポケモンたちとハルカに向かって怒鳴ってきた。この機械は絶対に成功すると言ってスイッチを押したのだ。

そしてスイッチを押した瞬間、何か黄色い集団がニャースに向かって走って向かってきたため皆がニャースから離れて何が起きたのか見た。

 

「…え?ピカチュウの群れ?」

『ベイ!?』

『ヘイヘーィ!?』

『ギャォォォオオオ!!!??』

『ッッ―――――――!!!???』

 

 

『な、何なのニャおみゃーら!??』

 

『ピッカァァァ!!!!!!』

 

 

ピカチュウの群れが一斉にニャースに向かって10まんボルトをして攻撃したのだ。ニャースは群れの10まんボルトに当たって悲鳴を上げている。そしてその技を受けて機械が壊れた瞬間、ピカチュウたちは森の奥深くへと帰って行った。

 

「……ああなるほどね。ニャースの作った機械は≪ピカチュウの技当たりまくりマシーン≫ってとこかも」

『マナ…カモォ!』

『バッシャ!』

『所詮貴様は無能だったということだな』

 

 

『そ、そんニャァ…ガクッ…』

 

 

ニャースは10まんボルトのせいで黒焦げになりつつも、ハルカ達の声を聞いて思いっきり落ち込み、そして気絶してしまった。

それを見たハルカは苦笑しながらもオボンのみをニャースに食べさせて、そしてミュウツーたちに向かって口を開く。

 

「それでどうするの?もうこの作戦も失敗みたいよ?」

『マナ?』

『バッシャァモ』

 

『……ベーイ…』

『…ふむ…何かいい手はないのか……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ダネ……ダネダネェェェ』

 

 

 

 

ミュウツーたちがどうするべきか考えていた時に、急にフシギダネの声が聞こえてきて、皆が焦ってしまった。もしもフシギダネがこちらにきたら何かたくらんでいるということが分かってしまい、いろいろと精神的に辛い説教が待っている。しかも長い長い説教だ。

 

ルギアが羽を大きく広げて叫ぶ。

 

 

『仕方がない…皆の者、解散!!!』

 

 

『―――――――!!!!!!』

 

 

木の葉を散らすように皆がそれぞれフシギダネから逃げていく。もちろんハルカも一緒になって逃げる。前に一緒に話し合った時、巻き込まれてフシギダネの説教を食らったことがあるからだ。フシギダネの説教は通常とは違い、時々ソーラービームを放ちながら言ってくるため、いつこちらに向けて撃つのかという恐怖心との戦いと説教による精神攻撃とで…まあいろいろと辛い目に遭う。

 

 

 

―――――――――――そんなフシギダネの説教を食らったかどうかは、まあ悲鳴と上空に上がるソーラービームとその他諸々で検討つければわかる話だろうと思う。

 

 

 

 

 

 

マサラタウンは、本日も騒々しい一日のようだ。

 

 

 

 

 

 




こうして、マサラタウンの平和?な一日はいつも通り過ぎていく。




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