マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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妹は夢について少し考えた。


第九十九話~妹とマラカッチミュージカル~

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。最近ピチューが新たに仲間に加わり、かなり賑やかになってきました。ピチューはかなりお調子者みたいです。兄のミジュマルと仲が良くいろいろと話したり、遊んだりしていることが多いです。ピチューもミジュマルも似た者同士ってことなのかな?

 

そして今日訪れたある町でマラカッチ達と練習しているトレーナーを見つけました。何をやっているのだろうと聞いたら、どうやらパフォーマンス大会のオーディションがこれから行われるようで、参加するための練習中なようです。ですがなかなかうまくいかないみたい?

 

そして私たちはそれを見て、夢に向かって頑張るトビオさんとマラカッチ達を応援するため練習を手伝うことになりました。

 

 

「じゃあ俺たち、何から手伝えばいい?」

『ピィカ?」

 

「そうだね…まずダンスにはリズム感が大切なんだ。だから皆にはトリオ・ザ・マラカッチが練習するための正確なリズムを刻んでほしいな」

 

 

「リズムか…ってミジュマル?やりたいのか?」

『ミッジュゥ!』

 

 

兄がリズムに良いポケモンは誰か悩んでいた時にボールから勢いよく出てきたミジュマルがやると言って決めたようだ。そしてデントはヤナップ、アイリスはキバゴでリズムをとるらしい。ルカリオはそういうリズムに関してはやらないらしく、断っていた。ルカリオは他の手伝いをするみたい…そして私は。

 

 

『ピチュピチュ!!』

 

「え、ピチューがやりたいの?」

『カゲ?』

 

『ピッチュ!』

 

 

胸を叩いて僕に任せろと言っているようだ。そのやる気に私は頷き、ピチューに任せることにした。ピチューはくるくると一回転しながら拍手をして音をだし、リズムに乗ってダンスしているようだ。そして時折電撃を放ってその音もちゃんとリズムに組み込んでいる。電撃がキラキラと光ってその中心で踊るピチューがとても綺麗だ。

兄たちはその様子を見てすごいじゃないか!といって褒めてくれた。私ももちろん凄いと思うから、ピチューに向かって言う。

 

 

「ピチュー凄いね!綺麗だよ!」

『ピチュ!!』

 

「あ…もしかしてパフォーマンスとか好きなの?」

『ピチュ?…ピッチュゥ!!』

 

 

『パフォーマンスが何なのか知らないけど…でも踊ったりするのは好きだよと言っているぞ』

 

 

「なるほどね。私もそういうの好きだよ!…将来そういうのを夢にするのも面白そう…まあ後で考えるとして…じゃあ私たちも踊ろっか!」

『カゲ!』

『ピッチュ!!』

 

 

アイリスがキバゴのリズムに合わせてダンスしているのを見て、ミジュマル達がそれぞれリズムを刻みながら踊っているため、私たちもピチューの踊りに合わせて一回転したり、技を放って煌びやかに見せたりとしてみた。そしてかなり息が合っていると分かり、私はピチューとヒトカゲの頭を撫でた。ピチューもヒトカゲも喜んでいるようでよかった。気分はまるでポケモンミュージカルのステージで踊る主役たちかな。

 

…パフォーマンスをポケモンで見せあうというのはホウエン地方やシンオウ地方でポケモンコーディネーターとしてよく行われてきている。そしてこのイッシュ地方でもライモンシティのポケモンミュージカルがあるぐらいポケモンでバトル以外の技の見せ方というのはある。でも私はポケモントレーナーになるのか、コーディネーターなどになるのかはまだ決めていない…でもこれから決めていけばいいと思う。まだまだ夢を決める時間はあるのだから気長に行こうと思った。

 

 

 

―――――その後、リズムを刻む役としてピチューはタンバリンを叩いていくことになった。そしてマラカッチ達の正確なリズムを刻むという役に皆がなり、練習としてやることになった。…でも。

 

 

『キバキバ!』

 

『ミジュ!?…ミジュミッジュ!!!』

『ヤナープ!?…ナップゥゥ!!』

『ピィカッチュ!!ピカピカ!!』

 

『ピチュ!?…ピッチュピッチュゥゥゥウ!!!』

『ミッジュゥゥゥウウ!!!???』

 

 

「ちょっと喧嘩はよしなさい!!」

「そうだぞお前ら!喧嘩はやめろ!!!」

「こらピチュー!電撃は駄目でしょ!?」

『カゲェ!!』

 

 

「ははは…なんというバットテイスト…どうやらみんなのリズムが合わないようだね」

 

 

デントが苦笑するのも仕方ないと思える。キバゴの持っていた片方の楽器が手からすっぽ抜けてミジュマルの頭に落ち、ヤナップがやったと誤解して怒ってしまった。そしてまたキバゴの持っていた残りの楽器がピカチュウとヤナップに当たってしまい、ピチューを巻き込んで喧嘩してしまい、驚いたピチューが間違えてミジュマルにでんきショックを放ってしまうという状況になってしまった。

私たちは急いでみんなの喧嘩の仲裁をして、他の手伝いはないのか聞いてみた。

 

そうしたらマラカッチ達のリズムをもっと合わせるために兄とトリプルバトルをすることになったり、ジャンプを練習するためにエモンガに教えてもらったりといろいろとやっていった。

…でも高いところが苦手なマラカッチが叱られ、泣きながら走って森の方へ行ってしまったため後を追いかけることになった。兄とルカリオはマラカッチを探すことになり、他の私たちはステージの方を任されることになった。

 

 

「どこに行ったんだよ…」

「よし、俺はこっち探してくる!アイリスたちはステージの方を頼んだ!」

『ピッカァ!』

 

「分かったわ!」

『キバキ!』

 

 

 

でもマラカッチはおらず、しかもショーが始まってしまい、このままだとオーディションが終わってしまうと私たちは焦ってしまう…。でも、確か原作ではここでアイリスとキバゴが時間をかせいでくれたため、何とか間に合ったはずだと考え、アイリスを見る。でも何故かピチューがやる気な表情を浮かべて私にステージに上がるように言ってきた。

 

 

『ピッチュ!!』

 

「…え、やりたいの?」

『カゲ?』

 

『ピチュピッチュ!!!』

 

「……分かった!!」

『カゲ!!』

 

 

 

 

 

「…ヒナちゃん?」

『キバ?』

「一体どうしたんだい?」

 

 

「私たちがオーディションに出て時間をかせぐよ!!」

『カゲ!』

『ピチュ!』

 

「「えええええええええ!?」」

『キバキ?!』

 

 

デント達は驚いていたけど、ピチューがやる気満々でステージへ上がって行ったし、私とヒトカゲもお互いの顔を見て頷き、ピチューの後に続いてステージへと上がる。オーディションが開始されたんだけど、私たちは緊張せずいつも通りに…先程リズムを刻むときにやっていたダンスを披露した。

 

 

「ピチュー!そこで回転!」

 

 

『ピッチュゥ!!』

『カゲカゲ!!』

 

 

「いいよヒトカゲそのまま踊って!!ピチューはそのまま上空にでんきショック!」

 

『ピッチュゥゥゥウ!!』

『カゲカゲェ!!』

 

 

【オーかなり綺麗ですねぇ!ヒトカゲの尻尾の炎とピチューのでんきショックが煌びやかに舞っています!】

 

「いいよ!そのまま頑張れ!」

『ピッチュゥ!』

『カゲェ!!』

 

 

ピチューとヒトカゲが必死に…けれども少しだけ楽しそうに踊り、技を放つのに私は笑顔になって応えていく。そしてもうこれ以上は無理だって時にようやく兄たちが戻ってきた。

 

 

 

「おーい!!サトシ!!こっちこっち!!!」

「サトシ、トビオ早く早く!!」

『キバキバ!』

 

「悪い!遅れた!」

「ごめん皆!!」

『カッチィィ!!』

 

 

 

「……あ、間に合ったみたいだね」

『…カゲ』

『…ピッチュ』

 

 

 

まさか私たちがアイリスとキバゴの代わりにオーディションに出ることになるとは思わなかった。けれど間に合ってよかったし、トビオとマラカッチ達のパフォーマンスもうまくいって虹ができたようだし、本当に良かったと思う。

私たちもオーディションに出て楽しかったからもう一度やってみたいなとこっそり練習するようにもなったけどね。

 

 

「…今度またパフォーマンスやってみる?」

『カゲ!』

『ピッチュ!!』

 

 

 

 

 

 




妹の心境。
 大変だったけど楽しかった。




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