この前、家の近くのカードショップで世界大会の店舗予選がおこなわれていた。
もちろん、参加した。
だが、あっけなく優勝してしまった。
準優勝がよかった。
なぜかって?
カード専用金券2000円分だったからだ。
あのイギリスガールからの果たし状を受け取ってから、今は生徒会室にいる。
何故、生徒会室かって?
そりゃ、もちろん・・・こいつがいるからだ。
「更識・・・説明してもらうぞ」
「一夏くん、まさかと思うけど・・・使った?」
まあ、楯無が生徒会長だと言うことは、フレアから聞いていたから驚くことはなかったが・・・
「まあ、部分展開だけなので、大丈夫でしょう」
「はぁ・・・、面倒事を起こさないでよ」
頭を悩ませる楯無。
「フレア、赤騎士に関する情報を可能な限り隠しておいてくれるか?」
『了解です』
自分がばら撒いた種はとりあえず、回収しておくことにした。
「さて、次の問題だ!」
「織斑先生は、赤騎士をご存じですか?」
次の問題は一夏が持つIS、赤騎士のことだった。
「赤騎士だと?あれは・・・」
「ええ、作られることが無かった騎士シリーズの1つ、幻のIS・・・」
騎士シリーズとは、ISの生みの親とその友人が考えたものだ。
篠ノ之 束と炎龍寺 紅葉が考えた7つのIS。
赤騎士、青騎士、黄騎士、土騎士、風騎士、白騎士、黒騎士・・・計7機のISだが、結局作られたのは白騎士のみだった。
そして、あの事件以来、姿を見せることはなくなってしまったISでもある。
「一夏くんが所持しているのは、その騎士シリーズの1つ。赤騎士なんです・・・」
「ばかな・・・」
まあ、驚くも無理はない。
幻のISがこの学園にあるとなれば、パニック以上の問題になりかねない。
「報告しなかったのは、この為ですね・・・楯無さん」
「ええ、そうよ。こんなのを上層部に報告したら大問題ではすまないわ」
「織斑、今なら間に合うだろう。赤騎士を渡せ」
「そういいたいんですが・・・」
『お断りですよ』
フレアの答えは、いつも通りNOだった。
「!?貴様が赤騎士か!」
『ええ、そうよ。赤騎士のフレアよ!』
なんか、嫌な空気がここを支配していた。
「実は赤騎士が拒否している為、一夏くんから切り離せないのですよ・・・しかも、データすら提示しないんで、こちらもお手上げなんです」
一度、更識家にお邪魔した時に検査を受けたが、無理やり赤騎士を刺激すると俺の体を使って攻撃してくると言う反撃に出る為、楯無は半分諦めている。
「ですので、なるべく赤騎士を使わないようにと言ってあったんです」
「っ!わかった」
話が分かってくれるのが、早くて助かりますよ・・・織斑先生。
「となれば、クラス代表戦はどうするか・・・訓練機を使うのか?」
「それに関しては、織斑には専用機が与えられる予定だ」
どうやら、政府は報告していないので、俺が専用機を持っていることは知らなかったようだ。
なので、データ収取を目的の専用機を寄越してくれるそうだ。
「うんじゃ、基本的にはそっちで参加すればいいわけだな」
「そう言うことだ」
とりあえず、問題は終えたが・・・昼食を食っている時間が無くなっていた。
しょうがないので、売店でカロ○ーメイトと100%オレンジですました。
(フレア、あの女に関する情報を片っ端から集めていてくれ・・・)
(いいですよ。あの女をどうやって調理しようか考えていましたから)
嬉しそうに、検索を始めるフレアだった。