全ての呪いを終え、元の姿に戻った一夏は平凡な日々を過ごしていた。
騎士たちは新たに擬人化ができるようになり、自由気ままに外などに出ている。
マルとモロはネット廃人となる代わりにネットで金を稼いでいた。
ライラに関してはアイドルスカウトを受け、765事務所でアイドル活動中。
ステフも『贋造魔女』を使ってお姉さんモードでグラビアモデルをしている。
なんだかんだ、本当に平和な学園生活だった。
◇
「ここ最近、平和ね…………」
エンペラーの暴走で通院生活を強いられた楯無がようやく復帰し、生徒会室で溜まった書類を片付けていた。
「そうですわね。ここ最近は大きな事件がなかったですわね」
書類が溜まった原因ということで、エンペラーは生徒会の仕事を手づだわされていた。
元々、生徒会の役員不足もあるがエンペラーの天使はここで大きく役にたってくれた。
「その天使、本当に役にたつわね」
分身体を10体も出しての書類仕事をしているため、生徒会室はカオスな状態でもあった。
◇
サー、アクア、フレアは体が小さいため、どこにも出られず暇なので、一夏の元でお留守番していた。
「そう言えば、一夏はこの後どうするつもりなの?」
昼休みに食堂で昼食を食べている時、鈴が質問してきた。
もう少ししたら夏休みだからだ。
その為、今後の予定を考えなければいけないのだ。
「俺か? う~ん…………。一度家に戻って掃除かな」
「普通なのね」
特にやることのない俺にとってはこれしかないのだ。
鈴も中国に一度戻って報告書を出しにいくらしい。
セシリアは実家に戻るみたいだし、ラウラはドイツに戻り部隊の様子を見て来るらしい。
本当やることがない。
◇
戻って、生徒会室では書類仕事が終わり、エンペラー×11体と楯無がお茶を飲んでいた。
そして、書類仕事の次に学園行事のスケジュールを楯無は見ていた。
「夏休みが終わったら、次に学園祭があるのよねぇ……」
唯一、一般人がこのIS学園に入ることができる少ない機会があるのだ。
ただし、今回は途轍もない事件の臭いがしていた。
世界に一人だけの男性操縦者、第四世代が8機、篠ノ之束。
各国が喉から手が出る程欲しい物のがこの学園に集まってしまっているのだ。
ここ最近は亡国機業は動きを見せていないが一応警戒はしている。
「彼らはどう動くのかねぇ……」
魔性の微笑みを浮かべる楯無。
ここ最近、一夏の記録を撮っていなかったのか、ストレスが溜まっていた。
「男のままで女装させるのもいいかもね」
「それは名案ですわ」
12人の悪魔が生徒会室で不気味な笑い声を上げており、外まで邪悪なオーラが漏れている。
生徒会室では変な計画が進められていたことは一夏は夏休みが終わるまで知らなかった。
◇
IS学園の整備室の一室では篠ノ之束があることを調べていた。
「かんちゃんの『
二番と六番の霊装がこの場にないことに気づく。
最低限、残り2つあることになる。
「くれっちは一体どこでこんな物を手に入れたのだろう…………」
束ですら作れないIS…………精霊。
紅葉がおとぎ話風に言っていたのは束は知っているが、それが実在するかしないかは分からない。
「それは後にして……これを完成させよっと」
束はあるフォルダーを開く。
フォルダー名はCW-AEC02X StrikeCannon
何かの設計図であった。
「さあ、束さんの