「フレア・・・暇だな」
『そうですね』
赤騎士の暴走の後、更識家の者たちが情報操作をしてくれた為、あの場はただのガス漏れと言うことになっている。
そして、赤騎士を没収しようにも、本体が拒否している為に引き離すこともできなくなっている為、現在は更識家の屋敷に監禁状態になっていた。
コン、コン。
ドアをノックし、楯無が入って来た。
「やあ、楯無さん」
「随分と落ち着いているのね」
「面倒事は避けたいのでね」
「まあいいわ。とりあえず、赤騎士は今後なるべく使わないでちょうだい。リミッターすらかけられないISなんて、非常に危ないわ 」
予想通りの結果だった。
没収すら、出来ない以上こうなることはわかっていた。
「ん~、了解」
まあ、多分使うことは無いだろう。
「それと今日はもう遅いから、泊まっていきなさい」
「そうですね」
時間を確認するともう、5時を過ぎていた。
夕食は運んで来ると言うことなので、赤騎士に何故か搭載されていた電子書籍を読むことにした。
(ワン○ース、ナ○ト、遊○王、魔法少女リリカルな○は、魔弾の○と戦姫・・・知らないタイトルばかりだ・・・・・・)
一体何処からこんなのを入れたのかわからなかったが、時間まで読むことにした。
◇
(あれ?何であの部屋が付いているんだろう・・・)
ひとりの少女は自分の部屋に向かっている時、いつもならついているはずのない部屋に光がついていることに気付いたのだった。
(誰がいるんだろう・・・)
この部屋には、自分の姉や使用人すら使うことない部屋な為、気になった。
そっと覗きこんでみるとベットの上で読書をしている一夏がいた。
(なんで、彼がいるの・・・!?)
自分の屋敷にあの織斑一夏がいたのだ。
あわてて、口を閉じ驚きを隠す。
◇
(・・・フレア、外で誰かが見ているよな?)
(ええ、ですが危険性はないので、大丈夫でしょう)
さすがに、バレバレな行動だった為、すぐに気付いた。
(楯無さんでは、ないな・・・)
(妹さんでは?)
(妹?)
(はい。あの人には一つ年下の妹がおります)
(つまり、その妹が今そこにいると?)
(そうなりますね)
プライベート・チャンネルでの会話なので、誰にも聞こえずにフレアと話していた。
(とりあえず、放置でいいよな?)
(それが、いいでしょう)
話が固まり、全面放置で決まった。
◇
(彼、何を読んでいるんだろう・・・・・・)
楯無の妹・・・更識 簪は気になっていた。
(まだ、いますね)
簪の存在を感知してから30分以上経つが、その場から立ち去る様子はなかった。
(どうしますか?)
(このまま、放置しても意味がなさそうだな・・・)
とりあえず、声を掛けてみることにした。
「入って来たらどうですか?お嬢ちゃん」
「!?」
彼は私の存在に気付いていたようだった。
簪はゆっくりと彼のいる部屋に入って来る。
「いつから、気付いていたの?」
「随分前から」
あっさりと返す一夏。
彼はずっと天井を見ている。
「何を見ているの?」
「電子書籍」
スライドさせ、簪にも見えるようにする。
ちなみに、今見ていたのはワン○ースだった。
(私の知らない、漫画・・・・・・)
その後、楯無が現れるまでお互いは片っ端から電子書籍を読み漁った。