インフィニット・ストラトス ~紅の騎士~   作:ぬっく~

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第59話

結局その後は七罪は織斑先生の下から離れることが出来なかった。

離れればすぐさまに集まってしまうため。

下手に離れられない。

そのまま放課後を迎え現在、寮長室にいた。

 

「…………」

 

千冬姉は片付けが出来ない。

それは知っていたが、ここの世界でもそうだとは思いたくなかったが、そんな希望も一発で砕け散る。

ゴミ屋敷とまではいかないが汚い。

ここ数年掃除していないことが分かる。

 

「掃除するか…………」

 

千冬姉はちょうど出払っていたので掃除することにした。

流石に子供のままではキツイので『贋造魔女』で一時的に身体を高校生サイズに変身する。

 

「手も足りないし、これも使うか」

 

掃除する場所が多いので、『刻々帝』で分身体を10人ほど作り大掃除を始める。

貯め込んだ下着から服、ゴミ、G、埃、カビ、キノコ…………。

30分後には綺麗さっぱりに部屋は片付く。

 

「流石に『贋造魔女』と『刻々帝』を使ったから体力の限界だな…………」

 

今の呪いもあって、体力に限界を感じていた。

それに今日一日の事もあって大分限界だった。

 

「少し…………寝よ」

 

七罪はベットに寄りかかり寝てしまった。

 

 

 

 

千冬は考えていた。

七罪が何処から来たのかを。

思い当たる節としては、あの兎が連れて来たが大きいが先ほど連絡したところ、知らないの一点張りだった。

だが、それしか特に思い当たらなかったのだ。

 

(とりあえず、そのことは後にしよう)

 

千冬はまず最初に部屋の掃除をすることを考えていた。

流石にあの中で泊めるのはまずいと考えていた。

山田先生に頼んでもよかったのだが、生徒のことを考えるとこっちの方が断然安全だった。

 

「?!」

 

そんなことを考えている内に部屋へと到着し、中に入ると部屋が綺麗になっていたのだ。

あれ程散らかっていた部屋が数十分足らずで綺麗なってことに驚きだったが、これをやったのがあの七罪だと言うことにもおどろきだったのだ。

その七罪は部屋にあるベットに寄りかかりながら寝ていた。

 

「本当に君は一体何者なんだ?」

 

千冬が七罪を持ち上げた時、あるものに目が止まった。

偶然にも七罪の右腕にあったアクセサリーが気になったのだ。

 

「これは…………」

 

普通の人では多分気が付かない程のことだが、千冬は違った。

 

「インフィニット…………ストラトス」

 

専用機を持ったことのある人ならばわかることなのだが、ISの待機状態のアクセサリーは特殊な金属を使っているのだ。

その為、パッと見では分からないのだ。

 

「なんで、こんなものを持っているのだ…………」

 

さらに謎が深まるばかりだった。

 

 

 

 

翌朝、事件が起こった。

目覚めの挨拶にしては、ひどい音が響わたっていた。

 

「なんだ!?」

 

『お、織斑先生!! 大変です』

 

緊急用のチャンネルが開き、山田先生の声のみが聞こえくる。

 

「何があった」

 

『先程、クラス対抗戦に出現したゴーレムと同機のISが4機が出現しました』

 

「わかった。すぐさまそちらに向かう」

 

『は、はい』

 

朝っぱらからIS学園は襲撃を受けていたのだ。

警備の薄い朝を狙われたのはいた手だった。

 

「七罪は…………」

 

千冬は七罪にここにいるように言おうとしたが、七罪はそこにはいなかった。

 

「まさか!」

 

その頃、七罪はゴーレムのいる方角へと向かっていた。

自分がいた歴史にこの襲撃はなかった。

ここに来た理由はこれが起こることだったのだろう。

 

「はぁあああ!!!」

 

到着するともう戦闘が始まっていた。

一夏や他の専用機持ちが集まっていた。

だが、数では優勢なのだが、ゴーレムは彼らを上回っていた。

 

「私に力を貸して!! 『鏖殺公』!!」

 

七罪のISは思いに答えるかのように、強い光を出す。

 

「『神威霊装・十番』」

 

 

 

 

ゴーレムは非常に強く、防御するのが精一杯だった。

特に一夏の白式は燃費が悪く、限界だった。

 

「くっそぉ!!」

 

雪片弐型を使い過ぎたせいでSEは100を切っていた。

 

「ここで、負ける訳にはいかねぇんだぁあああ!!!」

 

だが、その思いは届かなかった。

ついに白式のSEがなくなった。

 

「しまっ…………!!」

 

絶対防御を失ったISはただのガラクタ。

命の保証も出来ない状況に置かれた一夏はそのまま、吹き飛ばされる。

 

「がっ…………」

 

ゴーレムは一夏の思っていることを無視するように近づいてくる。

そして、ゴーレムは左腕に内蔵されている荷電粒子砲を一夏に向ける。

 

「ちくしょ…………」

 

その場を目撃した鈴、セシリア、シャルロット、ラウラは叫ぶが、ゴーレムの荷電粒子砲は放たれる。

 

「まだ、諦めるのは早いよ」

 

一夏とゴーレムの間に誰かが割り込んできたのだ。

その者は右手にあった大剣を振り下ろし、荷電粒子砲とゴーレムごと切り裂いてたのだ。

 

「あんたは…………」

 

紫色の鎧とドレスを混同したようなIS。

そして、エメラルドの色の髪の女性は全てのゴーレムに宣言する。

 

「始めよう、ド三流の屑鉄共。私とあんたたちの格の違いってやつを見せてあげるわ!!!」


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