インフィニット・ストラトス ~紅の騎士~   作:ぬっく~

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第50話

朝食も終わり、専用機持ちは織斑先生の泊る部屋へと呼ばれていた。

 

「今頃、呼ぶとはいったいどういうことでしょう」

 

「確かに気になる所だけどね」

 

「まあ、教官のことだ。重要な話があるんだろう」

 

「そうだね。朝、一夏と簪さんがいなかったしね」

 

セシリア、鈴、ラウラ、シャルロットは呼ばれたことが気になっていた。

そして、もう一人。

 

「どうして、私まで」

 

篠ノ之箒もなぜか呼ばれていたのだ。

 

「そんなことを言っている間に着いちゃったわよ」

 

箒が呼ばれた疑問を考えている内に、5人は目の部屋に到着する。

そして、到着と同時に戸が開いた。

 

「来たか。お前たち」

 

出て来たのは織斑先生だった。

 

「とりあえず、中に入れ」

 

言って、5人は部屋の中へと入る。

そして、あり得ない光景をまのあたりした。

その部屋には簪と知らない女性が9人もいたのだから。

 

「どうやら、来たようですわね」

 

最後に入って来たのは意外な人物だった。

 

「あ、あなたは……」

 

「お久しぶりですわね」

 

セシリアが動揺を隠せないのは無理もなかった。

 

『エンペラー!!』

 

鈴とラウラ、シャルロットは瞬時に部分展開する。

 

「残念ですが、今日はあながたをお相手できなくて、残念ですわ」

 

「どう言う意味よ!!」

 

「そのままの意味ですわ」

 

エンペラーは自身の頭を指さす。

 

「お前たち、ここでのISの使用は禁止だぞ?」

 

鈴、ラウラ、シャルロットは織斑先生から軽く頭を叩かれた。

 

『っ……』

 

「ふふふ」

 

「さて、これで、全員揃ったか」

 

狭い空間で女子が17人もいるので大分、きつきつだった。

 

「それで、今日呼んだのは、他でもない。織斑のことだ」

 

箒、セシリア、鈴、ラウラ、シャルロットは大体の予測は出来ていた為、驚くこともなかった。

 

「その前に少しお聞きしたいことが、あるのですが……」

 

セシリアが手を上げる。

 

「こいつらのことだろ?」

 

千冬は目線を簪いる方へと向ける。

 

「その方々はいったい」

 

「まあ、知らなくても当然か……。軽く挨拶ぐらいはしろ、お前たち」

 

『え~』とめんどくさそうに返事をするも、自己紹介を始めた。

 

「この姿では初めましてかな? 私はフレアよ」

 

「アクアです……」

 

「知っていますでしょうけど、エンペラーですわ」

 

「マルだ!」

 

「モロです」

 

「ライラですわ」

 

「サーよ」

 

「ステファニーよ」

 

「折紙です」

 

一通り挨拶が終わり、そこで疑問が浮上した。

 

「フレアにサー……って、一夏のISのAIの名前じゃない!!」

 

一番初めに、驚きを隠せなかったのは鈴だった。

 

「そんじゃ、最後は俺か……」

 

最後にもう一人いたのを忘れたいた。

 

「織斑一夏だ」

 

最後の人物は織斑一夏と名乗り、箒、セシリア、鈴、ラウラ、シャルロットは目を点にする。

 

『はあ!?』

 

ここに来て驚きの連続だった。

 

「どういうことだ……」

 

「ど、ど、ど、どいうことですの!?」

 

「なんで、あんたが……」

 

「教官これは……」

 

「僕も、さっぱりわからないんだけど……」

 

事情を知らないからには驚くも不思議ではなかった。

 

「それを今から説明してやる」

 

そして、説明が始まった。

 

「まず、知っていると思うが織斑は専用機を7機所持している。そして、そのISは世界に8機しか存在しない第四世代なのだ。だが、強大な力ほど、代償がでかい。その為、織斑は『赤騎士』を除く6つのISを使用すると副作用が発動するのだ。それが、これだ」

 

「そういう訳だ。『白騎士』を使った次の日は欠席しているだろ? 副作用で女体化になってしまうからさ」

 

箒、セシリア、鈴、ラウラ、シャルロットは今までの出来事を思いかしていた。

 

「確かにそうだ……」

 

「そうでしたわ」

 

「そういや、いなかったわね」

 

「確かに」

 

「うん」

 

セシリアとの初戦闘、クラス代表戦、学年別と3試合のあとはいつもいなかったことに気付いた。

 

「それと追加で言わせてもらいますが、今回から副作用が変わりまして、一夏さんには一週間さまざまな呪いを受けてもらいますわ」

 

エンペラーは今回の呪いの説明を始めた。

 

「前回は、フレアさんを使うだけで元に戻れましたが、今回からそれがなくなり、1日過ごせば元に戻ります。ただし、1機につき1日と言う非常にややこしい呪いへと変わってしまったのです」

 

このことで、非常にヤバいことに気付いた。

 

「まてよ……それじゃあ、今回の呪いって……」

 

「ええ、そうですわ。覚醒の時に全ての騎士を出現させましたので、一週間は元に戻れず、その騎士特有の呪いが発動しますわ」

 

ここに来て特大級の問題が発生した。

臨海学校は今日で終わり、その後は学園に戻る訳だが、帰りのバスの席が足りない上に大勢の女子共と一緒に帰ることになるのだ。

 

「そこは、タクシーをチャーターするから問題はない。問題はそこではない。この後だ」

 

そう、このまま行けば、学校を数日連続で休む事になるのだ。

 

「織斑、そのまま女子として過ごすのはどうだ?」

 

「ちょっ!!」

 

その方が手っ取り早いが、俺の中が色々と壊れてしまう気がしたのだ。

 

「織斑先生。確かにそれはいい方法ですが、色々と問題があるのでは?」

 

一夏のISは擬人化しているのだ。

中には子供もいる。

 

「そこは織斑がどうにかするだろう」

 

「ちょっとまてい。俺がだと!?」

 

「そうだ。自分の尻は自分で拭けってな」

 

「ぐっ……」

 

言い返そうにも言い返せなかった。

 

「とりあえず、織斑と更識はこの後、束の元に行き、整備してこい」

 

「分かりました」

 

「わかったよ、千冬姉」

 

「ここでは、織斑先生だ」

 

訂正され、軽く叩かれた。

 

「さて、お前たちも昨日の作業の続きがあるから急げよ」

 

千冬の指示により、箒、セシリア、鈴、ラウラ、シャルロットは部屋を後にした。

 

「では、我々も目的の場所に参ります」

 

「ああ、そうだな」

 

俺たちは千冬から束の所在地を聞き、そこへと向かった。


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