インフィニット・ストラトス ~紅の騎士~   作:ぬっく~

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第27話

6月頭、日曜日。

俺はIS学園の外・・・というより、五反田の家にいた。

 

「で?」

 

「で?って、何がだよ?」

 

うぬ。各ゲー対戦中にいきなり会話フリだな。

って、くそ。

いきなり創造を使いやがって!

ええい、こしゃくな!

 

「だから、女の園の話だよ。いい思いしてんだろう?」

 

してないつうの。

何回この話をすれば気が済むんだ。

こいつは。

ちなみにこの五反田 弾は俺の中学時代からの友達なんだが、入学当初に知り合ってからやたら馬があって3年間鈴と揃って同じクラスだった。

その為、中学時代はよく3人でつるんでいたんだが・・・

 

「嘘を付け。お前のメールを見るだけでも楽園じゃねえか。なにその楽園。招待状とかねえの?」

 

あるか。

 

「つうか、アレだ。鈴が転校して来てくれて助かった」

 

「ああ、鈴か。鈴ねえ・・・」

 

ほーう、弾よ。

よそ見をしている暇なんぞないぞ。

 

「しゃーっ、きたコラ!行くぜヴァルハラァ!」

 

『私は総てを愛している!』

 

「涙を流して、このディエス・イレを湛えるがいいィ!」

 

「ほいっと」

 

「え、あ、ちょっと何だそれ。なんで避けんだ!?」

 

『それはそれェ、慣れとでも言いましょうかァ』

 

「イェツラー」

 

『ジークハイル・ヴィクトォォーリア!』

 

「うっ、おおおぉぉ!やばいやばいやばいやばい!マジちょっ、やめろフルボッコじゃねえかレイプレイプーーーおまえこらオレ黄金だぞっ!」

 

「そんな(うで)でハイドリヒ卿を騙るなんて、愛が足りないしか言えないぞ」

 

『アウフ・ヴィーターゼン』

 

「ぐわあああああっ!」

 

『K.O.』

 

「ま、顕然な実力差とはこういうものだ」

 

「ざっけんなァァ!」

 

ちなみに今俺が対戦しているゲームは『Dies Irae ~Acta est Fabula~』。

まあ、ぞくにいえば格ゲーだ。

 

「で、話は戻るが、鈴のことは・・・」

 

と、なぜか鈴の話題に戻す弾の言葉は、突如の訪問者に破られた。

 

「お兄!さっきからお昼が出来たって言っているんじゃん!さっさと食べに・・・」

 

どかんとドアを蹴り開けて入って来たのは弾の妹、五反田 蘭だった。

 

「あ、久しぶり。邪魔している」

 

「い、一夏・・・さん!?」

 

やっぱり女子って自分の家だとラフな格好なんだな。

 

「き、来ていたですか・・・?」

 

「ああ、今日はちょっと家の様子を見るついでに寄ってみた」

 

「そ、そうですか・・・」

 

しかし、蘭は昔から俺相手だと妙にたどあどしいというか、敬語を使ってくるんだろうな・・・

 

「蘭、ノックくらいしろうよ。恥知らずな女だと思われ・・・」

 

ギンッ!蘭の視線一閃。

おお、弾がダメージを受けたマ○オみたいに縮んでいく。

 

「・・・なんで、言わないのよ・・・」

 

「い、いや、言ってなかったか?そりゃ悪かった。ハハハ・・・」

 

「・・・・・・」

 

ギロリと、死体にナイフを突き立てるが如くの視線を再度弾に送り付け、蘭はそそくさと部屋を出る。

 

「あ、あの、よかったら一夏さんもどうですか?」

 

「あー、うん。気持ちだけ受けとくよ」

 

「そ、そうですか・・・」

 

ぱたん。

ドアが閉じて静寂が訪れる。

 

「この後どうするつもりなんだ?」

 

「まあ、家の様子を見るだけだし、そんなに長い時間外にはいられないからな」

 

軽く弾と話をして、裏口から弾の家を後にした。


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