簪さんの専用機をある程度形にして、クラス対抗戦当日になった。
第二アリーナ第一試合の組み合わせは俺と鈴だった。
噂の新入生同士の戦いでもあり、アリーナは全席満席。
それどろか通路まで立って見ている生徒で埋め尽くすほどまでになっていた。
さらに、会場に入ることが出来なかった生徒や関係者は、リアルタイムモニターで鑑賞するらしい。
「サー、体調はどうだ?」
『問題ないです』
「そうか、なら・・・」
『ええ、始めましょう・・・』
俺の前には、鈴とそのIS『
「『さあ、始めよう(ましょう)ーーー俺(私)たちの
虹のような、星のような幻想的な輝きを放つ、不思議な刃。
〈
『それでは両者、規定の位置まで移動してください』
アナウンスの指示に従い、俺と鈴は空中で向かい合う。
その距離5m。
俺と鈴は
「一夏、賭けをしない?」
「賭け?」
中学時代はよく鈴と賭け勝負をやった。
「そうよ、勝った方が負けた方に何でも1つ言うことを聞かせるってどう?」
「いいぜ」
お互いに武器を構えて睨み合う。
『それでは両者、試合を開始してください』
ビーッと鳴り響くブザーが切れた瞬間に俺と鈴は動いた。
ガギィンッ!!
お互いの武器がぶつかり合う。
「ふうん。初撃を防ぐなんてやるじゃない・・・だけど」
鈴が手にしている異形の青竜刀ーーと呼ぶにはあまりにもかけ離れた形状をバトンを扱うかのように回す。
両端に刃の付いた、と言うより刃に持ち手が付いているそれは、横斜めと鈴の手によって自在に角度を変えながら斬り込んで来る。
「喰らいなさい!!」
ばかっと鈴の肩アーマーがスライドして開く。
『!!〈衝撃砲〉が来ます!!』
中心の球体が光った瞬間、俺の横を目には見えない衝撃が飛んできた。
「へー。やるじゃない」
だが、鈴の攻撃が止む事はなかった。
「〈衝撃砲〉か・・・」
俺は一時距離を取って、体制を取り直す。
◇
「なんだあれは・・・」
ピットからリアルタイムモニターを見ていた箒が呟く。
それに答えたのは、同じモニターを見ていたセシリアだった。
「〈衝撃砲〉ですわ。空間自体に圧力をかけて砲身を生成・・・余剰で生じる衝撃を砲弾にして、打ち出したのですわ・・・」
ブルー・ティアーズと同じ第三世代型兵器ですわと付け足すセシリア。
(一夏・・・)
セシリアの時よりも激しい戦闘を目の当たりにして、箒は勝利よりもただただ無事を願っていた。
◇
「よく耐えたわね。〈龍砲〉は砲身も砲弾も見えないのに」
確かに見えないが、サーの指示で何とかギリギリの範囲で避けているが限界がある。
「しょうがねぇ・・・
『しかし、
「ここで、負けるよりはいいだろう・・・」
『・・・わかりました。では、行きましょう!!』
俺は一時、地面に着地する。
「逃げるの、一夏!!」
鈴は青竜刀を構え、こちらに向かって来る。
「違うぜ。奥の手を見せてやるのさ」
「『〈
ズドオオオンッ!!!
「「!?」」
奥の手を発動させようとした瞬間、突然大きな衝撃がアリーナ全体を襲った。
しかもステージ中央からもくもくと煙が上がっていた。
どうやらさっきのは『それ』がアリーナの遮断シールドを貫通して入ってきたようだ。