「おい…起きろ!おいオットー!」
まだ早いぞ…あと6時間…
「そんだけ待ったら昼になるぞ!起きろ!」
布団を捲られ叩き起こされた。
目を開けてみると見慣れたルームメイトではなくそこには扶桑人がいた。
あぁ…キンジか…そうか…昨日武偵高に留学して到着したんだっけ…
「ぐーてんもるげん…キンジ…Zzzz…」
「カールスラント語でおはようか…って寝るな!」
「ん~今何時だ?」
「今7時10分だ。学校に遅れるぞ」
「んじゃ先行けば?俺は寝とくから」
「バカを言うな!俺の内申に響くんだぞ!同じ部屋のルームメイトを起こさず自分だけ出ていったってな!」
「言わば連帯責任か……なら仕方がない…」
目を擦りベッドから出た。
「ねぇキンジ。朝御飯はどこ?」
「それなられ」ピンポーン
キンジが何かを言おうとした時インターホンがなった。
「だれ?」
キンジに訊いた。
「俺が出る。ついでにお前も挨拶した方がいいかもな」
「どういうこと?」
キンジは答えず来ればわかると目で言うような感じで俺を見た。
キンジについて玄関に行くとキンジはドアを開けた。
ドアを開けるとそこにはすごく可愛い美人がいた。髪は黒髪ロングで胸はシャーリーおばさんと並ぶぐらいのデカさ、そして白く綺麗な肌…
これが扶桑美人というものか…
「あ、おはようキンちゃん」
「その呼び方はやめろって言っただろ…」
「ご、ごめんなさい…つい癖で……あれ?」
扶桑美人は俺を見て驚いてる。無理もないかもしれないな。
「キンちゃん、この人誰?」
「カールスラントから来た留学生だ。昨日ここの部屋になるって言っただろ?」
「あ、この人が?えっと……カールスラント語は喋れないから…ブリタニア語で…」
「その必要はないよ扶桑美人さん。初めまして」
「ふ、扶桑美人ッ!?」
扶桑美人は顔が赤くなった。
「おいオットー!なに白雪を美人と呼んでるんだ!恥ずかしがってるじゃねぇか!」
「にしてもキンジスゴいねぇ~こんな美人さんと交遊関係があるなんて…もしかして恋人さん?」
「きききききき、き、キンちゃんの恋人ぉ!?」
扶桑美人は激しく驚き顔がまるで赤ペンキを顔にかけたように真っ赤になり頭からは湯気が出た。
図星っぽいな。
「そ、そんなわけないだろ!あくまで幼馴染みだ!」
キンジの幼馴染みの一言で一瞬で顔は元の白に戻った。
「そ、そうよね…キンちゃんと私が恋人なんて…うぅぅぅ…なんて…」
なんか一人で言ってるな。どうやら憶測は外れたようだ。
にしてもキンジこんな美人に手を出してないなんてな…
「キンジ、お前ホモか?」
「な!?なにバカなことをいってんだ!俺はホモじゃない!たんに女が苦手なだけだ!」
「き、キンちゃんまさかほ…同性愛者なの?」
「あのな白雪…俺がホモなわけないだろ…」
「ならいいが…おいキンジ。俺を狙うなよ?同室だからと言ってそんな関係にはなりたくないからな」
「だから違うと言ってるだろ!……たく…話が逸れたがこいつはカールスラントから来た留学生、オットーだ」
「オットー・ハルトマンです。宜しく」
「初めましてオットーくん。私は星伽白雪。宜しくね」
「星伽さんか…キンジとはどういう関係で?」
「キンちゃんとは幼馴染みなの」
「あぁ。俺と白雪はただの幼馴染みだ。恋人じゃない」
「で、その幼馴染みがなんで朝訪ねてくるんだ?」
星伽さんは手に持ってた紫の物体を床に起き結び目の部分を解くとそこには黒い箱が何重にも重なってるものが出てきた。
星伽さんがその黒い箱の蓋を開けるとそこには美味しそうな御飯がでてきた。
「これは扶桑のベントーというものか…ミヤフジおばさんやサカモトおばさんに会ったときに言ってたな…」
「朝御飯作ってきたの。キンちゃんとオットーくんにと思って… 」
「ホント!?じゃあ遠慮なく!」
俺は星伽さんから受け取ったハシでベントーの中にある肉とじゃがいもの煮詰めたのを食べてみた。
「うまい!これはニクジャガというものだろ?ショウユが染み込んでるね!俺はじゃがいも大好きだからね!嬉しいよ!」
「扶桑の食べ物に詳しいんだね」
「ミヤフジおばさんが作ってくれたりしたからね。美味しいよ」
俺は他にもご飯とタマゴヤキを食べたりした。どれもこれもかなりうまくミヤフジおばさんやリーネおばさんと戦えるぐらいの御飯のうまさだ。
「おいおい…俺の食べる分がなくなるだろ!」
星伽さんの朝御飯を食べた俺は士官学校の制服から武偵高の制服に着替えた。
カバンを持ちキンジと星伽さんと一緒に部屋を出た。
キンジが部屋の鍵を閉めようとすると星伽さんが
「あれ?オットーくん拳銃は?」
「いっけね!忘れてた!キンジ先に行っててくれ。俺は銃取りに行くから」
「わかった。ちゃんと鍵は閉めてくれよ」
俺は鍵を受けとり部屋に入った。
部屋に入りリビングの荷物のとこに行き荷物の中にある木製の縦長の箱を開けた。
そこにはばあちゃんの相棒、そして現俺の相棒のサブマシンガンMP40が入っていた。
MP40をカバンに入れマガジンに弾薬が入ってるのを確認するとマガジン5個MP40と同じくカバンに入れた。
それじゃ行きますか。
部屋を出て鍵を閉め階段を降りた。
スマホを見ると時刻はもう8時を経過している。
まぁ走っていけば間に合うな。
俺は魔法を使う。ピョコンと音が出て腰には尻尾が出て金髪の髪は一部茶色くなってく。
さぁて…ひとっ走りするか。
足を踏み出し俺は猛スピードで走る。
どうしてこうなった?俺は今、UZI載っけたセグウェイと追いかけっこをしている。
「そこの男、それ以上減速すると発砲し、やがります」
なんか電子音で喋ってくる。やれやれ……なんでこんなのに絡まれるんだ?
セグウェイは俺のスピードと同じ速度で走ってる。どうなってるんだ?速度は車と同じくらいだぞ?
「なんだよこいつ!」
「少しでも妙な動きすると、発砲し、やがります」
クソッタレ…減速も出来ないとなると対処ができん。しかもこいつはかなりの速度を出せそうだ。
詰んだな…そう考えてると
「ふ、伏せなさい!」
声のする方を見るとそこには目の前の上空でパラシュート開いて二丁拳銃をしているピンクのツインテールの女の子が空から降ってきた。
なにが起きてるかさっぱりだ…
俺は体を前に屈め、速度を落とさないようにした。
すると女の子は俺に近づき俺を片腕で抱き抱えもう片方で銃を撃ちセグウェイを破壊した。
すげぇや…と思ってると俺の目の前は真っ暗になった…
「ん、ん~」
目を覚ますと目の前には先程の女の子がいた。
恐らく俺は意識を失ったんだろうな…で女の子は意識の失った俺をここまで運んだ…というような感じかな。
にしてもなんでこの女の子も意識を失ってんだ?もうなにがなんだかさっぱりだな。
俺は女の子を抱き抱え俺達が入ってる箱の中から出ようとしたら…
な!?なんでこいつ服が捲れてるんだよ!しかも下着まで丸見えだぞ!
直ぐ様気づいた俺は女の子の服を元通りにしようとしたら…
「ん……」
え?
「ん…どうしたの……ってな!?」
自分の服装の乱れに気づいたようだ………いや違うな…女の子は顔を真っ赤にして
「へ、へ、へ、変態!!!!!」
俺は女の子に殴る蹴るされた。俺は直ちに止めるようにいったが
「ハレンチ!変態!へんたいたーれん!」
「なに言ってるかさっぱりだ!痛い!おち、痛い!痛い!痛いからやめてくれ!」
箱の中という密閉空間且つ、俺が下で女の子が上なので女の子が有利な状態にある。
俺は今一方的に女の子に殴られてる状態だ…
女の子のパンチが収まりやっとかと思ったら今度は箱の中に投げ出された。
直ぐ様受け身を取りなんとかなった。周りを見るとどうやらここは倉庫のようなとこらしいな。
女の子も箱の中から出てきて言った。
「痴漢と婦女暴行で逮捕よ!この変態!恩知らず!」
「いやそのりくつはおかしい」
「じゃあなんで私の服を捲ったのよ!」
「捲れてたんだよ!俺はそれを直そうとして」
「言い訳は無用よ!」
女の子は俺に近づき腕を掴もうとした。俺はそれを躱す。
「ちょっと待て!俺の弁解も聞かずに逮捕なんか聞いたことねぇよ!」
「あんたの国に現行犯は存在しないの?」
「するわ!でもカールスラントでもこんなことあり得ん!」
「あら?あんたカールスラント人なのね。扶桑語が上手ね」
「まぁな…扶桑語の他にはブリタニア語オラーシャ語スオムス語ロマーニャ語、そしてガリア語も喋れるぞ」
「そんなことはいいわ。そんなのは弁解にもならないわ」
なぜだ。
「と、ともかく俺がそんなことするわけないだ」「隠れなさい!」
女の子の言われた通り物影に隠れた。
すると次の瞬間
ズダダダダダダダダダダダダダダ!
何者かが倉庫の外から銃を撃ってきたのだ。物影から撃ってきた方向を見るとそこには7台の先程のセグウェイがいたのだ。
「あんたもう少し動くのが遅かったらあの世行きね!」
向こう側の物影に隠れた女の子が言う。
「あのセグウェイはなんだ!?」
「武偵殺しよ。あんた知らないの?」
憎しみを込めた言い方で言った。服が捲れたの恨んでんのか?
「知らねぇよ!」
「それでもあんた武偵なの?」
「昨日武偵高に入学したばかりの俺が知ってるわけないだろ」
「武偵を狙った爆弾魔よ。気を付けなさい」
「爆弾?よくわからんが………ともかくセグウェイ壊せばなんとかなるか?」
「そうよ!早くカバンにあるMP40使いなさい!」
俺は女の子の言われた通りカバンからMP40を取りだしマガジンを入れて
「そんじゃ魔法を使って片付けますか」
ピョコンと音が出て先程と同じ状態になった。
「な、なにあんた!?ウィッチみたいになんで魔法が使えるのよ!」
女の子の声を無視し俺は目を見開いた。
すると周りがまるでスローモーションのように動いて見える。
女の子は驚いた顔をし倉庫の外ではセグウェイは俺達の方へ銃を向けている。
倉庫から出て俺はMP40をセグウェイに向けて撃った勿論撃った弾丸もスローモーションで動いて見える。
放った弾丸は7台のセグウェイを撃ち抜き破壊した。
魔法を解くと女の子は外に出た俺を見た。
「な!?さっきのセグウェイは!?」
「あの残骸か?」
俺の指差す方を女の子は見る。
「い、いつの間にあんたあれ倒したのよ?」
「勿論さっきな」
「う、嘘よ!さっき私の向こう側にいたじゃない!」
「でも事実だ。でないとあの残骸は説明がつかないだろ」
「………まぁいいわ。あんたを逮捕するわ!」
「………そうはいかないな」
俺は魔法を使いその場をダッシュで離れた。
オットー・ハルトマンの愛銃
MP40
MP40は1940年に第二次ネウロイ戦争で大量に使用された短機関銃である。
木製素材を使わず鋼材のみで作られた銃で独特の発射音からウィッチ達からバープガン(バープとか扶桑語でゲップという意味)という愛称で呼ばれた。
信用性も高く性能も優れてた銃なのでネウロイ戦争終結後も欧州の小国の軍用、警察用として使用された。