「えっと…留学生のオットー・ハルトマンです。高天原先生はいますか?」
「あ、私です。オットーくんですね?」
マジでハイデマリーおばさんに似てんなこの人。メガネ巨乳とは……
ただ髪は茶髪だが。
「えっと…オットーくん?」
「おっと、失敬。はいそうですが…」
「あの……もしかして緊張してるのですか?」
「い、いえ…ただ知人にあなたに似てる人がいるなーと思ってただけで…」
「そうなんですか?」
俺はえぇと言った。
「それじゃ手続きをするのでこちらへどうぞ…」
高天原先生に案内され向かったのは個室のようなとこだ。
先生は持っていたカバンから書類をだし俺はそれらにサインをした。
これで手続きは完了だ。簡単だったな。
「これでいいですよ」
「あの先生、俺は寮に住むんですよね?どこの部屋になるんですか?」
「あ、オットーの部屋はここになります。遠山くんと同じ部屋ですね」
寮の見取り図をだし角の部屋を指差した。
「相部屋ですか?」
「はいそうです。もしかしてダメだったり…?」
「いえ。相部屋は航空学校や士官学校で慣れましたから」
「士官学校?オットーくんは軍学校出身なんですか?」
「恥ずかしい話ですが退学しましてね…新しい学校をと思って探したのがここですよ」
実際はばあちゃんの薦めでここに来たんだが言わなくてもいいだろう。
「軍学校ですか…通りで扶桑語が上手なんですね」
「扶桑語の他にはブリタニア語とオラーシャ語ロマーニャ語……あとガリア語スオムス語が喋れますね」
「す、凄いですね。カールスラントの軍学校では語学はそこまで教えてもらうのですね」
まぁ軍学校もあるがばあちゃんの所属していた501の人達から教えてもらったから喋れるだけなんですけどね。
「まぁカールスラントですから。では明日…」
そういって俺は個室を出た。
「ふーん…あんたがカールスラントの留学生かぁ…せいぜい死ぬなよ…」
そういって去っていった。なんだったんだ?
荷物が重たいが耐えなければなるまい。
階段を昇りなんとか目的地の部屋に到着した。
俺はインターホンを押す。するとドアが開いた。
「……?どちら様で?」
出てきたのはそこそこ顔のいい男であった。
「あれ?高天原先生から聞いてないのかな?留学生として来てここの部屋になるって…」
「あぁ…先生が言ってたな…内緒にしてくれって言ってたな…」
「部屋に入っていいかな?荷物が重たくて大変なんだ」
「どうぞ」
玄関に入りリビングのドアを開けそこに荷物を下ろした。
「やれやれ疲れたよ…あ、自己紹介した方がいいかな?」
俺は士官学校で使ってた学生証を取りだし見せた。
「カールスラントから来たオットー・ハルトマンだ。オットーって呼んでくれ。よろしく」
「俺は遠山キンジ。キンジでいい」
自己紹介が済んだので話をしてみることにした。
「キンジはどこの学科に所属してるんだい?」
「一応
「
「流石軍学校出身だな…明日なき学科と言われてるんだぞ…」
「軍学校出身と言っても退学した身でね…留学したのはそれが理由さ」
「そうか…まぁ頑張れよ。この学校は普通じゃねぇからな」
そらそうだろ。
「軍学校出身に普通を求められてもね…」
「軍学校は詳しくないが…武偵高は軍学校以上におかしいと思うぞ」
「そうでもないかもよ?航空学校なんかさ…」
俺はキンジに軍学校時代の話をした。
航空学校では練習機を無断改造してフランクフルトまで飛ぼうとしたバカがいたり士官学校では扶桑じゃあり得ない貴族階級の学生もいるという話だ。
こんなの普通じゃあり得ないからな。
「それ本当に軍学校か?」
「俺でもそう思うよ。まぁ貴族出身は軍じゃ当たり前だけど扶桑の学校ではいないだろうと思ってさ…」
「華族はいるけどそいつらは有名私立だからな…まぁ普通の学校じゃあり得ないな」
頭を掻きながらキンジは言う。
「でもなんで軍学校なんかに入学したんだ?」
「祖母の影響でね…まぁ向こうが入ってくれって強く言うから入っただけで…」
「祖母はなんだ?ウィッチか?」
「そうだ」
キンジは興味無さそうに返事をした。
「あれ珍しい。普通のやつは聞くぞ」
「興味ないしわからないからだ」
「そう。ならいいけど」
俺はアクビをして寝室に入った。
「キンジ、キンジのベッドどれ?」
「一番右のベッドだ」
「了解。じゃあ俺は左ね」
「オットー、どうしてそんなことを?」
「俺もう寝るよ。疲れた」
キンジは驚いた顔で俺をみた。
「もうか?まだ9時半だぞ?」
「いやいいよ。お休み」
俺はベッドに横になり寝た。