緋弾のアリア~フラウの孫は武偵~   作:猫大佐

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第二章の始まりですよ。

じゃんじゃんオリキャラ出すので楽しみにしてください!



魔剣(デュランダル)
第11弾 男子寮


俺の目の前に茶髪の女性がいる。顔はよく見えなくてわからないがどこかであったことがあるような気がした。

 

「ーーーーしーーーーーよーー」

 

何を言ってるのかがわからない。俺もなにか言おうとしたが…

 

「………………ッ」

 

口が開かない。なぜだ?

 

「ーーーーね」

 

茶髪の女性は笑ったような気がした。顔が見えないのにそんな気がした。すると

 

「ーーーねーーバーーー」

 

女性は手をふって向こうへ言った。どうやらさよならの合図だったようだ。

 

「……………………ッ!」

 

行かないで!と言おうとしても口が開かない。俺は手を出して女性を掴もうとするが掴まらない。女性は段々と小さく見えてきた。

 

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

間延びたインターホンで目が覚めた。

あれからどれだけ寝たんだろう…?スマホをだそうとするがない。

 

時間がわからないな…今日買いにいくか…そう思いながら玄関に行きドアを開けると

 

「久しぶりだな…お子ちゃま(キント)

 

スーツを着た赤髪の男がいた。

 

公爵(フュルスト)か?」

 

「そうだ。元気そうで何よりだ。武偵をやってると聞いてな…」

 

「相変わらずですね。オットー」

 

「ゾフィーも来てたのか…」

 

「彼の秘書ですから」

 

俺は久々に友人に出会えたことに喜びを感じた。中に案内し椅子に座ってもらった。

 

「中々いい部屋だな。機能性に優れてる」

 

「弁護士はもっといい部屋に憧れを持つと思った」

 

「そうでもない。俺みたいな天才弁護士となると忙しくてな…こういう質素な部屋に憧れるよ。今の家はまるで貴族(ユンカー)の城だからな…」

 

「私が選んだ部屋が気に入りませんのですかシュペー?」

 

「いや…そういうのではなくな…」

 

ゾフィーの一言ですぐに弱気になるのは相変わらずのようだ。こいつ本当に秘書か?

 

「にしても扶桑に来るなんて珍しいな。何しにきたの?」

 

「ん?決まってるだろ。仕事とお前のアドシアード見に来るためだ」

 

アドシアード?なにそれ?

 

「なにそれ聞いてない」

 

「え」

「え」

 

二人して驚いた。何でだ?

 

「あなたは武偵なのにアドシアードも知らないのですか…どうなっているのか…」

 

そういえばゾフィーは武偵だったな…教えてもらおう。

 

「なぁゾフィー、アドシアードってなんなの?」

 

「アドシアードとは5月の終りに行われる武偵高の国際競技会、インターハイのようなものです。このアドシアードで優秀な成績を残すと賞状と共にメダルがもらえ、そのメダルを持っていると、どこの武偵大学にも推薦で進学でき、武偵局には無条件でキャリア入局。民間の武偵企業だって一流から超一流まで選びたい放題という凄いものですよ?まさか武偵なのにそれを知らないなんて…」

 

「ふーん…ゾフィーは出るの?」

 

「私は武偵ですが出ませんよ。興味ありませんし」

 

「じゃあ出ないでおこうかなー出てもたいしたことないんでしょ?」

 

「いや先程も説明しましたよね…武偵大学、武偵局、武偵企業どこでも入れるんですよ?」

 

「でもゾフィーはそれを興味ないって言ったじゃん。ゾフィーが興味ないならたいしたことないよ」

 

ゾフィーはため息をつき言った。

 

「私が興味ないと言ったのは進路が決まってるからです。私はシュペーの秘書として働きますからね」

 

「へーいずれは公爵(フュルスト)夫人になるの?」

 

「そ、そんな!?私が夫人なんてもったいないです!!!///」

 

顔赤くしてるしていっても説得力ゼロですよ?

 

「彼にはもっとふさわしい人がいます。例えば…マルセイユさんとか!」

 

「マルセイユか…あいつは俺にはもったいないぞ。あんなお人やかで綺麗な女性はもっと他にいるはずだ」

 

お前ら隣を見ろ。隣のやつがふさわしいわ。なのになぜそれがわからないのか…

 

そうしていると玄関のドアが開いて誰かがきた。リビングのドアが開いて見てみるとキンジとアリアがいた。

 

「ただいま…ってあれ?客か?」

 

「オットー、この人達は?」

 

俺は二人に公爵(フュルスト)とゾフィーを紹介した。

 

「こいつはシュペー、弁護士だ。そしてこいつがゾフィー、公爵(フュルスト)の秘書だ。二人は俺の幼馴染みさ」

 

公爵(フュルスト)?」

 

「シュペーのこと。こいつの渾名さ」

 

「なんだその渾名…」

 

キンジはなにか呆れたような顔をしてる。いつものことか。

 

「初めましてお嬢さんにそちらの紳士…俺の名前はシュペー・ディートリンゲ・ヴィルケです。17歳ながら弁護士をしております。以後お見知りおきを…」

 

「秘書のゾフィー・バルクボルンです。秘書をしています。同じ武偵同士よろしくお願いします」

 

「へーそうなの…私の名前はーー」

 

キンジとアリアは自己紹介をした。するとゾフィーが驚いた顔でアリアを見た。

 

「あなたが神崎・H・アリアですか……お会いできて光栄です」

 

「カールスラントでも有名なんだなアリアは」

 

「当然です。彼女はホームズ家の一人娘であの有名なシャーロック・ホームズのひ孫なんですよ?」

 

「知ってるよ」

 

昨日の飛行機で理子がオルメル…ガリア語でホームズと読んでたしね。

 

「おいアリアはホームズのひ孫だったのか!?」

 

キンジは知らなかったようだ。まぁ俺も昨日まで知らなかったが。

ゾフィーが時計を見た。

 

「……おや、シュペー。もう時間です。仕事に戻りましょう」

 

「もういくの?」

 

「そのようだな…お子ちゃま(キント)、アドシアードで会おうな。それじゃ二人もまた今度。失礼する」

 

「では失礼します」

 

二人は部屋を出た。俺は二人を玄関まで見送り、見送った後部屋に戻った。

 

「にしてもあんたお子ちゃま(キント)って呼ばれてるのね。以外ね」

 

「俺はなんで呼ばれてるかさっぱりだよ…昔ッからそう呼ばれてるよ」

 

「俺はともかくオットー、お前何時間寝てたと思ってんだ?昨日から半日寝てたんだぞ」

 

「そうなのか…なんで起こさなかったの?」

 

「最近忙しかっただろうな…って思ってな…寝かせてやったんだよ」

 

「単位単位っていってるお前がそんなに優しいなんて…」

 

「今回だけだ」

 

毎朝そうならいいのに。

 

「それはともかくあんた。昨日の飛行機の事件を説明しようとしてキンジと来たのよ。今から学校へ行くわよ」

 

「部屋で出来ないの?」

 

鑑識科(レピア)が学外に出したくないって言ってうるさいのよ。だから学校に言って説明するわよ!」

 

俺はアリアに引っ張られて外に出た。キンジはなぜか俺を憐れむような目で見てきたのが見えた。




登場人物紹介

シュペー・ディートリンゲ・ヴィルケ
17歳
公爵(フュルスト)の渾名の通り高貴で気高い性格の男。だがなぜか憎めないキャラ。オットーのことをお子ちゃま(キント)と呼んでいて、オットーとゾフィーとは幼馴染み。
祖母譲りの赤髪であるがなぜか祖母みたいに歌は上手くなくむしろ音痴。
15歳でカールスラント史上最年少で司法試験に合格し裁判では負けなしの超有能弁護士。カールスラントでは彼を知らない人間はいない。色恋には全く無関心で鈍感。
祖母はカールスラント四強のウィッチミーナ・ディートリンゲ・ヴィルケ。

ゾフィー・バルクボルン
16歳
シュペーの秘書を勤める武偵。ウィッチみたいに魔法は使えないがランクはAで格闘技が得意。茶髪で祖母に似ている。
幼い頃からシュペーに恋心を抱いているが奥手で中々言い出せずむしろ否定してるかのよう。
妹はいないが姉がいて、その姉が祖母譲りのシスコンであるのが唯一の悩み。
シュペーが司法試験に受かった時に秘書を志望しシュペーはそれを受け入れた。今では有能な彼の秘書であるが秘書なのになぜか立場は彼女は上でシュペーは尻を敷かれてる。
祖母はカールスラント四強のゲルトルート・バルクボルン。

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