月曜日の今日、アリアは学校を休んだ。恐らく昨日をまだ引きずってるのかな?まぁ俺もそうだ。なぜなら今日の授業はなぜか寝れないのだ。普段の俺なら寝てるはずなのに…
「えっと…じゃあこの問題を………あ!オットー君に答えてもらいましょう」
高天原先生が俺を当てる。現在はブリタニア語の授業だ。
「はい…えーHolmes is the famous detective…Boasts the overwhelming popularity even today, it is said to be synonymous with detective…」
「はいよくできました。座ってください」
高天原先生はニコッと笑った。こんなの俺からしてみたら簡単だ。
退屈な授業だ。テキトーにやってればすぐに終わるが退屈なのには変わりがない。寝ようにも寝れないし…そしてアリアもいない。それが気がかりで授業にも集中しようにもできない。この感覚はなんだ?
さっぱりだ。こういう感覚になったことなんか一度もないからだ。
そんな感覚に苛まれながら一般科目の授業は終わった。次は各科に別れての実習なのだが…理子からメールが来た。
『とっとちゃん!
今から急いで扶桑グランドホテルに来て!三( ゜∀゜)
今すぐだよ?』
顔文字のせいで真面目な内容に見えんが…とりあえず急いで来てほしいということで急いでいってみることにした。
「とっとちゃーん!」
グランドホテル前で理子に出会った。理子は俺を見つけてすぐに抱きついてきた。
そのせいで背中に柔らかいものが当たってる…
「んっふふ~さぁ中に入ろうよとっとちゃん!」
背中から次は俺の腕に巻きついてきた。今度は腕に柔らかいものが当たる。そのせいでドキドキしてきた。ヤバイヤバイ落ち着け…
「ささ、ここだよとっとちゃん!」
理子に案内された部屋に入ると…そこは個室であった。ただの個室ならいいものの……中の雰囲気がちょっとエロイのだ…
俺は背もたれのついたソファに座りカバンを置くとと理子もその隣に座った。腕に相変わらず巻きつきその腕には柔らかいものがまだ当たり続けてる。
「で…何のようだ?」
理子は先程までの様子とはうって変わって言った。
「……武偵殺し…とっとちゃんも知ってるんでしょ?」
すぐに俺は理子の顔を見た。
「なぜそれを……?」
「理子の情報網をなめちゃダメだよ…アリアの身辺調査やったときのこと忘れたの?」
確かにそうだ。あの時理子は昼間に頼んだものを2時間ぐらいで報告書として出したのだ。
探偵でもそんな早業不可能だ。が、理子はそれをやってのけたのだ。この子は普段の様子のせいでバカに見えるだけなのだ…侮れない…
「じゃあ話を続けるね…同室のキーくんのお兄さんが巻き込まれた豪華客船沈没事故…正式名称KK-3号事故だけど……あれも武偵殺しがやったんだよ?」
「あれは事故じゃないのか?」
「とっとちゃんは純粋だなぁ…もし事故の発表が嘘だったとしたら…?」
成る程ね…でもなんのために…?
「武偵殺しの狙いはただ武偵を襲うだけじゃない…決まった日に決まった時間に武偵を襲う…その周期は2ヶ月に一回のペース…しかもそれが今月…とっとちゃんは武偵殺しに何回出くわした?」
「初日のセグウェイに…バスジャックを合わせれば二回か」
「そしてその現場には誰がいた?とっとちゃん以外にね…」
「………! アリアだ…アリアか!?」
理子は正解といって座ってる俺の膝の上に向かい合うように座り始めた。理子の顔が近いし足に理子の太ももが当たる……あれが今立ったらヤバイぞ…静まれよ…
「中々鋭いね…理子尊敬しちゃうな~」
息が荒くなってきた…理子は俺の耳元に顔を寄せて俺の耳をなめた。
「ひゃうん!」
驚きのあまり変な声がでた…
「フフ、とっとちゃん可愛い…」
「だとしたら…」
「行くんでしょ?とっとちゃんは単純だね…」
そうだ…あいつが今どこにいるかも俺は知らない…電話しようにも俺はあいつの連絡先を知らない…どうすれば?
すると理子が自分の胸に手を入れてそこから紙を渡してきた。
「これはアリアが乗る飛行機の便だよ?」
「な…飛行機ってどこにあいつは行くんだ?」
「さぁ…アリアに聞いたら?」
俺は理子をどかそうとしたら
「だぁめ。理子をどかしたいならお姫様だっこでどかしてほしいなぁ…」
俺は理子をお姫様だっこしてどかした。まぁ軽かったので楽々だったが席に座らせるのに少々時間がかかった。
すぐにカバンをとってホテルを出て走って空港へ向かった。グランドホテルから走ってすぐだがなぜかこの時はまるでなん十分かかりそうな感じがした。
なんとか走って空港についてアリアの乗る便を探したら。乗る便は扶桑航空88便だ…どれだ…どれだ…?
あった!サンフランシスコ行きの飛行機だ!俺はその飛行機を窓から見つけてすぐにそこへ駆けつけた。途中税関や空港職員に止められたが武偵高の学生証を見せてなんとか振り切った。
目的の飛行機を見つけて乗り込んだら入り口のCAに止められた。
「お、お客様!?駆け込みは…」
「武偵だ!もうしわけないがこの飛行機を点検させてもらう!」
「え?この飛行機がなにか問題でも?」
「申し訳ないが話してる暇はない!あなたは飛行機を止めてもらうよう機長にたのんでくれ!」
「は、はい!」
CAは機長がいる操縦室へ向かった。俺はその間にアリアを探す。
アリアはすぐに見つかった。飛行機内の部屋の入り口から三番目の部屋にいた。
「お、オットー!?あんたなんでこの飛行機にいるのよ!」
「説明はあとだ!アリア!お前は武偵殺しに狙われてる!」
「なんですって!?」
「狙われてるとしたら武偵殺しはどこかにいる!気をつけろ!」
すると突然飛行機が動き始めた。
「な!?」
バカな…飛行機はCAに止めてもらうように頼んだのに…どうして動くんだ?」
「どうして動くんだ?」
「どうやらあんたはCAか誰かに飛行機を止めるように頼んだようね…」
「そうだ!なのになんで…」
「誰に頼んだの?」
「CAに頼んだんだ」
アリアは考え込んだ後にこう言った。
「……CAはどこにいったの?」
「CAは機長のいる操縦室に向かってたぞ…それがどうした?」
アリアはスカートの中から拳銃を二丁取りだし
「行くわよオットー。武偵殺しを逮捕しに」