雪の軌跡   作:玻璃

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え、サブタイ何が起きたかって?

え?
執行者って変態ばっかだよねえ?

では、どうぞ。


HENTAI・イン・ジェニス王立学園

アルシェムがロレントから旅立って数週間…

アルシェムは、地道に執行者を探していった。

といっても、まずはコイツからだが。

「…この扮装にも慣れてきた、かなー。」

ジェニス王立学園を見つめ、つぶやく。

「…流石。でも、先を越させて貰おーかな。」

エステルも動き始めている。

だけど…

まだ、早い。

気配を探り、旧校舎の地下へと向かう。

すると、案の定。

「みーつけた。」

そこに、変態紳士がいた。

「…おや、《銀の吹雪》かね?」

「久し振り、変態紳士。」

「相変わらずのようだね。記憶は戻ったのかな?」

本当は失ってなどいない。

だけど。

別人であると錯覚させるために、言葉を吐く。

「誰と間違えてるの?変態紳士。わたしはシエルだよ。」

「ほう…?アルシェム・ブライトではない、と…?」

別人だと、言い張らなくてはならない。

もう、『ブライト』とは名乗らない。

名乗れないから。

「違うよ。…変態紳士、お客さんが来た。」

複数人の気配がする。

それを変態紳士も感じたようで…

「そのようだ。」

入り口を見据えて待ち構えていると、エステルにクローディア、アガットにリオに…

待て。

何でまだいるんだオリヴァルト。

さっさと国に帰れ。

「あんた…!?あの幽霊!」

「…何やってんの変態紳士…」

幽霊って。

奇術使って変態なことしてないだろうな。

「と、後…まさか…」

注意が向いたので、兎に角優雅に挨拶でもしておくことにする。

「あら、皆さん。初めまして、かな?わたしは執行者No.ⅩⅥ《銀の吹雪》。以後お見知り置き願うよ。ほら、変態紳士。」

「私は執行者No.Ⅹ《怪盗紳士》ブルブラン。世間では怪盗Bとして名が通っている。」

「執行者…しかも、2人も!?」

勘違いしないで欲しい。

アルシェムは、ここで戦うつもりなど毛頭ない。

「あ、わたしは今回傍観者だから。」

「ほう?てっきり協力しに来たのかと…」

そこでたまらず口を挟むリオ。

「黙ってよね、変態。外法認定するよ?」

「せめて紳士をつけたまえ!」

「ビィ、そこなの!?」

絶対にそこじゃないと思うが。

「それはそうだろう…」

「変態さん、大人しくアタシに捕まってよね。」

「だから…!」

「ビィ、落ち着いて。」

実際に変態なのだし、受け入れても良いんじゃないかとは思うが。

「くっ…君達にはちょっとした余興を用意していてね…」

「…あなたは…何が、目的なんですか…?」

「我が麗しの姫君、それは野暮というものだよ。」

「な、何でクローゼのこと知ってるの!?」

あの時いたでしょうが。

「フフ…元市長を逮捕するときに、あの場にいてね…」

「あ…」

「まさか、あの執事!?」

正解、ダリオ氏でしたー。

「え、ビィ、執事やってたの?変態執事!?」

「シエル、黙っていたまえ…」

「ちぇー。」

からかっている分には面白いのに。

「…さあ、出よ!」

苦し紛れに、ブルブランは手を振ると…

「…な…!?」

「こ、これは…!?」

 

そこに ストームブリンガー が あらわれた!

 

「うーわ、頑張りすぎ。とゆー訳で、邪魔するよ。」

「何…!?」

「シュトゥルムランツァー!」

 

ストームブリンガー に 50000 の ダメージ!

ストームブリンガー は たおれた!

 

「何をしている…君は、こちら側ではないのかね!?」

「ん?レベルが違いすぎるからね。」

勝てないことはないのだろうが、別に必要ない。

圧倒的な力の差を、見せつけるしか方法はない。

「それを乗り越えてこその美だろう!美しくももがく」

「そこだけはやっぱ無理だわー…」

「何を言っているんだい?美とは…愛だよ♪」

また何か面倒な奴が…

「黙らっしゃい。」

「あまり出しゃばるな、オリビエ・レンハイム。さもないと…ね?」

「ほう…?」

ばらすぞ。

「構わないではないか。シエル、少しこの御仁と語り合ってみたい…」

「おーけい。ちょいと消えてるよ。」

隠形で背後の壁と同化する。

「…き、消えた…」

ごちゃごちゃと語り合っているが聞いているのも馬鹿らしいので瞑想。

何が美だよ。

面倒だよ。

ま、いーか。

ブルブランの後ろに回り込み、槍を構えて…

「信用してねぇぞ、コラ。いつ後ろから殺られても分からな…」

「落ち着いて、アガット・クロスナー。」

声を出して隠行を解きつつ、ブルブランを奇襲した。

「こういう事態は想定外かな?」

皆の顔が引きつっている。

「な…!」

「どうして…仲間じゃないんですか…!?」

「仲間…って、中々不思議なんだけど。殿下、察してよね…」

「え…?」

分かってるわけじゃないのか。

折角、あの時と同じ格好なのに。

「ビィ、帰るよー。」

「い、いきなり何をするのだね…」

「ん?アガット・クロスナーのリクエストに応えて不意打ち?」

まあ、対象はブルブランだけどね。

声に出さずにそう付け加えて、嘲笑う。

「シエル…君は…」

「馬鹿だよね、ビィ。執行者が一枚岩だとでも?自由に動ける盟主の駒だよ?自由ってのを履き違えてるの?」

「何を考えている…」

「え…そこ?くたばれ変態紳士!ってとこかな。」

正直言って、あんまり好きじゃないし。

「な…」

「君程度で私に勝てるとでも…?」

「…そっか、まだなんだ。でもね、ビィ。その気になればいつだって可能なんだってこと、覚えててよね。」

本気でもない殺気を放ち、ブルブランを威圧する。

「…くっ…」

「な、何てプレッシャー…」

「…では、シエルに免じて去るとしよう…さらばだ。」

ブルブランは、そのまま奇術で去っていった。

普通に足で歩け。

筋肉衰えて歩けなくなるぞ。

「…で、お前は何が目的なんだ?」

「あら、アガット・クロスナーから聞かれるとはね。てっきりエステル・ブライトか殿下から聞かれると思ってたよ。」

「ボクも気になるね。あの時から、キミは一体何を考えているんだい?」

あの時から、ねえ。

どうやら、オリヴァルトは気づいているようだ。

「結社の壊滅を目指してるよ。」

「え…」

「簡単に信じちゃダメじゃん、エステル・ブライト。甘過ぎる。今ここで生殺与奪を握ってるのはわたし。今の隙で執行者候補でも瞬殺だよ?」

まあ、多分防げるのだろうが。

「でも…殺す気は、ないでしょ?あなたは、誰も殺さない…そんな気がする。」

「ふ…あはっ…甘過ぎるよ、エステル・ブライト…ホント、馬鹿。」

「あ…」

そんなに信頼されたって、応えられないのにね。

既に、アルシェムは人殺しなのだから。

「ま、待って下さい…!貴女の目的をまだちゃんと聞いていません…!」

「殿下。わたしの目的はいつだって一緒なんだ。でも…1つだけ。《漆黒の牙》がいるのはルーアン以外の場所だよ。」

「よ、ヨシュアが…!?あなた、ヨシュアを知ってるの!?」

「そりゃね…さてと。長居しすぎたかな。」

エステルも気づいてはいない、と。

まあ、良いけどねえ。

「あ…」

隠形で身を隠して、ルーアンから立ち去ることにした。




HENTAI祭り開催中。

では、また。

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