雪の軌跡   作:玻璃

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エイプリルフールだから投稿はないと思ったか?
だが投稿するよ。

では、どうぞ。


第三章~黒のオーブメント~
懐かしのツァイスへ


アルシェムは、カルデア隧道へと突入した。

「…ん?」

ふと、声が聞こえた気がして耳を…

感覚を、澄ます。

「…や…やっぱり…」

「今の声…まさか…」

「は、離れてくれないと、こうなんだからぁ!」

どう考えても知り合いなその声に、アルシェムは走り出した。

「うわっ…ティータじゃねーの…下がってティータ!」

「ふえっ!?」

ティータが下がる前に、そこに突入してくる2人の…

「てやああっ!」

「!エステル、ヨシュア!そのままティータのごえー!」

「旋、風、輪っ!」

「おおおっ!魔眼!」

暴走特急。

「人の話を聞けーっ!?」

「あ…あれっ!?」

「よーっし、上出来ぃ!」

「上出来ぃ、じゃねーでしょーがっ!」

人の言うことをことごとく無視してくれちゃって。

「あれ、アル?いつの間に?」

「…エステル…さっきからいたじゃないか。」

「え、そうだっけ?」

あんたの目はどこについているんだ。

と、思わずアルシェムが突っ込みそうになったところでティータが服を引っ張ってきた。

「あのっ…アルシェムさん、ですよね…?」

「久し振り、ティータ。元気だったかな?」

「はいっ!アルシェムさんは…?」

無論、元気である。

「まー、元気だったかな。それよりソレ、直しちゃってよ。知らねーうちにみょーな回路付いてるから分かんねーし。」

「アルシェムさんならすぐに分かりますよー。コレがこう…」

「ふむ…」

「で、こうです。」

結構単純なことをやっているようにも見えるが、動きが尋常じゃない。

前までの可愛かったティータはどこ行った。

「成る程。べんきょーになったよ。ありがとーね、ティータ。」

「いえいえ。で、あの…アルシェムさん、こちらの方達は、お知り合いですか?」

「新米準遊撃士にして期待の新人、エステル様とヨシュアよ!」

調子に乗った紹介に、ヨシュアがげっそりしている…

「エステル…」

「多分にこちょーを含むけどね。」

「ガクッ…アル!」

水を差すアルシェムを尻目に、ティータが元気よく挨拶をかます。

「あのあのっ、初めまして、ティータっていいます!よろしくお願いします!」

「よろしくね、ティータちゃん。」

「ん?あー…そーだ、エステル、ヨシュア。早くギルドに行かねーとね。場所は変わってないよね?ティータ。」

「はい!」

そうなら話は早い。

「んじゃ、こーぼーちょーにカシウスの娘達が来たって伝えといて貰える?ついででいーから。」

「分かりました!じゃあ、先に…」

そういうことじゃない。

「きゃっち。」

「ふえっ!?」

ティータを捕まえ、少しだけ脅してみる。

「ティータ?さっきので懲りてねーかな…?」

「ぴっ!?」

「勿論、一緒に帰るよね?ティータ?」

「はははははいっ!」

前言撤回。

脅しすぎた。

「とゆーわけで、行くよー。」

「う、うん…」

魔獣を殲滅しつつ、中央工房へとたどり着いた。

地上階へと行き、ティータと別れることになった。

「じゃ、よろしくね、ティータ。」

「はいっ!あ、あのあのっ、エステルさんっ、ヨシュアさんっ、助けてくれてありがとうございましたっ!アルシェムさんも!」

「気にしないでよ、ほっとけなかっただけだしね。」

「というか、半分以上は仕事でしょうが…」

遊撃士(ブレイサー)だし。

「じゃあ、さようなら!」

中央工房から出ると、エステルが固まった。

「な、な、な、何コレ!?」

「珍百け…」

「アル、ダメだからね?」

「ちっ…エステル、あれ、真ん中を滑り降りよーとかしねーでね?」

物理的にやばいことになるから。

「し、しないわよっ!」

「逆走とか、こけるだけだからね?」

今けがをしたら元も子もない。

「アル…あたしのイメージって…」

「元気溌剌お転婆無鉄砲姫エステル。」

「…アル…?」

「間違ってはねーでしょ?ヨシュア。」

「ま、まあ確かに…」

いや、認めたらだめだろう。

「ほら、こっちだよ。」

そういって、アルシェムは2人を遊撃士協会(ギルド)まで案内した。

「こんにちは~…」

「いらっしゃい。よく来たわね、エステル、ヨシュア。ツァイス支部へようこそ。」

「ふえっ!?」

「どうして…」

この情け容赦ない女性が、遊撃士協会(ギルド)の受付。

《飛燕紅児》の名を恣にする恐らくは人類最強クラスの女である。

もっとも、あの女を人類と呼べばそうではなくなるが。

「相変わらずですね、キリカさん。お久しぶりです。」

「ええ、久し振りねアルシェム。前のように敬語は要らないわ。」

「そー?じゃー、そーしよーかな。キリカ、こーぼーちょーに渡りをつけられる?」

こういうのは順序を踏んで…

「貴女が行った方が早いわ。貴女なら紹介状も要らないし…手続きだけしてくれたらエステルとヨシュアを連れて行って良いわよ。」

アリかよ。

「ありがとー、キリカ。」

「じゃあ、早速手続きをしてしまって頂戴。」

さくさくと手続きを終える。

流石にもう慣れた。

「これで貴女達は正式にツァイス預かりとなったわ。まずは工房長に相談してみるのね。」

「りょーかい。じゃ、行こーか。」

「う、うん…」

遊撃士協会(ギルド)を出て、中央工房へと向かう。

「ねえ…」

「どうかした?エステル。」

「アルって…地味に顔広いよね。」

失礼な。

ツァイスでひきこもりなんかしてないぞ。

「あー…ツァイスげんてーだけどね。1年いたんだし、とーぜんじゃねーかな?」

「そう?」

中央工房に入り、受付のヘイゼルに話を通す。

「あ、ヘイゼルさん、お久しぶりです。」

「あら…アルシェムさん!?お久しぶりですね!今日はどうしたんですか?」

「準遊撃士として、こーぼーちょーに用事があるんだ。いらっしゃる?とゆーか、生きてらっしゃる?」

「フフ…生きてらっしゃいますよ?」

電話で在室を確認。

良いなあ。

今度、《LAYLA》に付けよう、通話機能。

「何か…凄いわね…」

「うん…」

「まだまだ序の口だよ。」

部屋が動いたりカペルがあったり。

きっと、驚くことこの上ないはずだ。

「工房長室にいらっしゃるわ。待ちわびてらっしゃるわよ?」

「ありがとー、ヘイゼルさん。じゃ、行こーか。」

そして、アルシェム達は工房長室へと向かった。




原作が、大崩壊しちゃうよ。
面倒だったとか、そういうのじゃないよ。

では、また。

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