雪の軌跡   作:玻璃

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Q:麻婆豆腐から、お好み焼きソースの味がしました。
  さて、一体何故でしょう?

1.隠し味
2.間違えて入れた
3.入れたらそれっぽい色になると思った。

では、どうぞ。


アーティファクトの力

「エステル、振り回したら引っかかるよ!」

室内で棒術具を振り回そうとするエステルに声をかける。

「むう…確かに。」

「ヨシュア、ぜんえー。エステルはヨシュアを援護して。クローゼはわたしの援護お願い。」

まあ、本来ならばアルシェムは後衛なのだが仕方がない。

「分かったわ!」

「はい!」

そうして、猛攻が始まった。

「せい、はっ!双連撃!」

「えいっ!ファイアボルト!」

「吹き飛べ、寸頸!」

「やあっ!アクアブリード!」

さすがに素手で戦うのは面倒…

って、ちょっと待て。

「あ、こらバカエステル!」

室内で棒術具を使うなと。

「はあああああっ!旋、風、輪!」

椅子と机が纏めて吹っ飛んだ

「…あ゛。」

「だから言ったのに…あーもー!至近距離版、不破・弾丸!」

「グオオオオッ!」

ブロンゴ氏を倒すと、断末魔を…

って、ファンゴ氏の威圧感が変わった?

「…!今の、まさか…!ヨシュア、下がって!」

「え…くっ!」

思いもよらない速度で襲いかかってきたファンゴ氏に、ヨシュアは吹き飛ばされた。

「ヨシュア!?」

「吹き、飛べぇッ!寸頸ッ!」

なおも追いすがるファンゴ氏を思いっきり吹き飛ばす。

「ごめん、アル!ありがとう!」

「後にして!」

今絶賛手が痛いから!

「ヨシュアさん、回復します!やあっ!ティアラ!」

「再び至近距離版、不破・弾丸!」

「…やったあっ!」

そして、戦闘は終わった。

最初から撃ち込んでいればよかったのだが、あまり本調子でないから外しそうで怖かった。

「ば、バカな…貴様等、よくもやってくれたな!」

「それはこっちの台詞だっての!」

「遊撃士協会規約に基づき、貴方を現行犯で逮捕します。」

本気で。

「とーこーしたら?」

しなかったら、ぶちのめしたい。

主に個人的な恨みを込めて。

「ふふふ…こうなっては仕方ない…奥の手を使わせて貰…」

「させるかっつーの!」

だが、間に合わなかった。

「と、時よ、凍えよ!」

そして、体感時間が、止まった。

「しまった…!」

「か、身体が動かない…!」

「こ、これは…導力魔法なのか!?」

こんな意味不明な導力魔法があってたまるか。

どれだけ導力食うと思う…

「違います…!恐らく、古代遺物の力…!」

「へー…アーティファクト、ねー…ダルモア家が隠し持ってたんだ…《封じの宝杖》…」

「ほう…博学だな?銀髪…」

文献に乗っていた。

リベールにあるかもしれない、危険なアーティファクト。

「かいしゅーされなかったのは多分口が動かせるから必死で隠したのかな?ごーもんとかには最適だし?」

「あ、アル…?」

「ダルモアしちょー?銃を抜いたら完全に殺人未遂でお縄だよ?いーの?」

最終確認。

これを怠ったら、こっちが罪に問われる。

それだけは、避けたい。

「うるさい!まずはお前から息の根を止めてやろう!」

「やれば?」

というか、やったら間違いなくこの人極刑だから。

「…何?」

「アル!?あんた何言ってんの!?」

「アルさん!?」

狙うなら、まずはアルシェムからにしてほしかった。

それなら、一瞬の導力の乱れを感じて動けるかもしれないから。

「ちょっとダルモア市長!アルを傷付けたらあたしが容赦しないんだからね!」

「ほう…?」

「バカ…!」

こら、エステル。

被害を最小限に抑える努力をしなさい。

そうしないと…

「では、お前からにしようか。最後は…そうだな、賢しらな小娘の息の根を…」

「汚い手で…るな…」

「何?」

…ほら、死神さんがやってきた。

「汚い手でエステルに触るな…もしも、毛ほどでも傷つけてみろ…ありとあらゆる方法を使って、あんたを八つ裂きにしてやる…」

「な…」

ダルモアが、動揺した。

…これは、好機だ。

「よ、ヨシュア…」

「ヨシュアさん…」

「ヤンデレか。…いっ!…動くなダルモア!」

無理やり体を動かして。

アルシェムは、ダルモアに導力銃を向けた。

「アルさん!?」

「ちょっと、何で動けるのよ!?」

「バカな…」

腕がみしみし言っている。

だけど、止まっているわけにはいかないから。

「銃を捨てて!じゃないと撃つ!」

「はははは!動けるはずがない!撃てるものなら…」

「誰かを撃ったらあんたをヴァレリア湖に沈めて魚の餌にしてやる!勿論動けないように全身穴だらけにしてね!」

誰かを守るのに、誰かを殺すという矛盾。

それに、目を向けないままで。

「…っ!!」

「…出来ないとは、思わないことだね。」

「し、死ねっ!」

2発の銃声が響き、そして…

「だめえええっ!」

何かが、発動した。

「な…!」

「この光は…!」

「今だっ!」

今が好機。

アルシェムは、ダルモアを取り押さえた。

「そ、そんな馬鹿な…家宝のアーティファクトがこんなことで…」

「エステル、今のは…?」

「父さん宛のあのオーブメント…」

ダルモアに、これ見よがしに銃口を見せつける。

「さて、大人しくしてよーか。」

これで、終わった。

誰もがそう思った。




A:1.

食べた瞬間、お好み焼きソースの味が口の中に充満した。
これはもう、隠し味などではない。
公害だ!

…実在の話です。

では、また。

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