雪の軌跡   作:玻璃

25 / 269
宣言通り、今日も投稿します。

では、どうぞ。


手配魔獣とアジト

特にまだ用事はないのでアンセル新道に出てヴァレリア湖方面に向かう。

すると、川蝉亭の手前でアンバータートルを見付けた。

手配魔獣だ。

「あ…いた。弱点は火属性か…もー…」

周りに人間がいないことを確認する。

結構多用しているが、間違いなく見つかってはいけない類のアーツだから。

「焔舞。」

火属性に滅法弱かったらしく、アンバータートルはすぐに燃え尽きた。

「ふう…」

魔獣を狩りながらボースに戻る。

そして、遊撃士協会(ギルド)でルグランに報告した。

「ごえーの依頼とアンセル新道の手配まじゅー、終わりました。」

「早いのう…」

こんなものだ。

その気になればもっと早く終わらせられる。

まあ、流石に怪しまれるだろうからやらないが。

「霧降り峡谷行ってきます。」

「気を付けるんじゃぞ?」

「はい。」

東ボース街道から霧降り峡谷に入る。

すると、何故か道に迷ってしまった。

「あれ…?あっちかな…」

橋が落ちたのか、間が開いている所を飛び越す。

上の方に洞窟が見える。

もしかしたら…

「…ここ…もしかして、空賊の…?」

上まで駆け昇る。

すると、そこには予想だにしない光景が広がっていた…

あまりにも衝撃的過ぎて、気付いた時には元の場所まで戻って来てしまっていた。

霧降り峡谷で手配魔獣を探す。

「あ、いた。」

マスタークリオン。

稀少な魔獣だが、手配魔獣にされたとあれば狩るしかない。

「あっちゃー…火属性アーツ…仕方ねーかぁ…」

まあ、見た目通り弱点は火属性アーツのようだ。

近くに誰も居ないことを確認してから自作オーブメントを駆動させる。

「焔舞!」

炎が消えない内に追い討ちをかける。

すぐにマスタークリオンは消え去った。

「他の場所にもいたら困るし…探してみよーかな。」

今度は霧降り峡谷の東側に進む。

すると、一番奥の突き当たりまで来た所で何故か悲鳴が聞こえた。

「…わわ、あっち行けっ!?」

「ちょっ…!?何だよこの魔獣は!?」

「…この声…って…真上か。」

ジョゼットか…

何だってこんな所にアジトを作ったんだか。

…仕方ない。

人質がここにいたら魔獣に殺されかねない。

念のためにメモに、『直上にアジト、登ると途中で見つかる恐れあり、小型の飛空挺か奴らの飛空艇に乗り込んで来ること推奨…手配まじゅーが直上に出たため乗り込む。』と書いておき、導力銃に結び付ける。

そして、その場に置いて岩壁を頑張って駆け登る。

すると…

「…マスタークリオンが、8体!?」

何故か手配魔獣のマスタークリオンがそこにいた。

「誰だっ!?」

「ああもう、伏せろ!バカっ!」

「ば、バカとは何さ!」

剣を取り出し、クラフトを放つ。

「雪月華!」

マスタークリオンを吹き飛ばし、怯んだ隙に彼らの前に回り込む。

「く…何でこんなじょーきょーなの…!」

前にはマスタークリオン。

しかも火属性アーツが使えないおまけつき。

後ろには空賊。

どうしようもない。

「援護してよせめて!」

「何でボクが!」

「1人じゃ限界があんのっ!死にてーのっ!?…不破・燕返し!」

燕でさえよけることの叶わぬ必中の剣技で1体を仕留める。

「そんだけ斬り伏せててどこに限界があんのさ!?」

どう考えても手数が足りない。

銃は下に置いて来たし…

そこで、マスタークリオンがアーツを発動させるそぶりをした。

「ジョゼットは右、キールは左に跳んで!」

「お、おう。」

「何でさ!?」

アーツに巻き込まれたら凍る。

どう考えても凍る。

だって、ダイアモンドダストだし。

「く…バカっ!」

ジョゼットを突き飛ばし、アーツの効果範囲から出す。

「え…」

当然そうしてしまったらアルシェムはアーツに巻き込まれるわけで。

運の悪いことに、凍結させられてしまった。

「…く…っ、う、ご、け…っ!」

だが、動けない。

「おら、こっちだ!」

キールが投げた爆弾がアルシェムを巻き込んで爆発する。

一応その熱で溶けた。

「あっつう!?…助かった!サンクス!」

「礼を言われるようなことじゃねぇよ!早く倒してくれってんだ!」

お前も一応は空賊で戦えるんだろうが。

「人任せか…まあ、遊撃士ってこんなもんよねー…!雪月華!」

それで3体は巻き添えにして倒す。

あと、4体。

だが、それを倒すにはいささか時間が足りなかった。

「お出ましか。何でこんな間のわりー時に…!」

大男が、導力砲を持ってやって来ていた。

「…何してやがる、キール、ジョゼット。」

「あ、ドルン兄…」

「そ、それが…」

どうでも良いから手伝って欲しいものである。

「蠅が入り込んでやがるな。どけ。」

ある意味でその願望は叶った。

「ちょ…」

大男は、導力砲でアルシェムごとマスタークリオンを吹き飛ばした。

残り、2体。

「…いてーよ!何すんの!?」

「うるせえ蠅だな…」

再び大男が導力砲をぶっ放す。

だが、当たらないように避け続けるのも限界がある。

マスタークリオンを盾にしようにも、最後の2体ももう倒されてしまっている。

「ドルン兄!一応助けてくれたんだよ!?」

一応って。

「紛うことなく助けたよ!しつれーな!わっひょう!?」

脇、脇を掠ったから!?

「…!あれがドルン…!あの目、まさか…」

《白面》に操られている人の目に似ている。

だが、こいつを操って何の利益が…?

「もーっ!やめてってば!?」

ここで取り押さえるのは難しい。

空賊達が集まりつつあるというのもあったし、何よりもドルンがどのくらいの強さで操られているのかも分からない。

下手に動けない…

「っせめてさ…」

「おいジョゼット。お前はどれだけ偉くなったつもりだ…?」

「へ…?」

あろうことか、ドルンはジョゼットに導力砲を向けた。

「危ねー!」

「おい、兄貴!?」

突き飛ばすのでは危ない。

地を蹴った勢いを利用してジョゼットを引き倒す。

「ったー…」

コレはヤバい。

背中が大変なことになってそうだ…

「な…何で…!?何で庇ったのさぁ!?」

そんな絶叫しなくても。

うるさいことこの上ない。

「うるせー…いてー…もー…家族、なんだし、さー…仲良く、やろーよ…折角…まだ…」

生きてるのに…

「うるせえ。」

もう一発至近距離から撃たれる。

「ぐ…」

意識が朦朧としてきた。

「…外に捨てとけ。」

ジョゼットが頑張ってアルシェムの下から抜け出す。

「待ってよドルン兄!え…えっと、意識とか取り戻したらここがバレるよ!」

「…それもそうだな。よし、適度に痛めつけて縛っておけ。」

ドルンは踵を返し、部屋に戻っていった。

ふざけんな。

「ドルン兄っ!」

「おいおい兄貴、幾ら何でも…そりゃないだろ…」

「いてー…もー…これ、ヤバ…」

それを最後に、意識を失った。




さて、説明していない気がするオリジナルアーツの説明をば。

焔舞
特殊オーブメント《LAYLA》でのみ発生させられる単体攻撃アーツ。
下手な魔獣ならば一撃で燃やし尽くせる。

追加、クラフト説明
アルシェム、片手剣装備時

雪月華
某誰かさんの鬼炎斬の劣化版。
凍結20%、自分の周り大円。
Sクラではない。

不破・燕返し
必中の三連撃。
中円。
イメージ的には某Fate/の五次アサシンさんの技。
剣だけど。

明日はわかりませんが、明後日は無理です。
なので、投稿は早くて明日、遅くても月曜日になります。
では、また。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。