雪の軌跡   作:玻璃

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連日投稿連日投稿。
さて明日は投稿できるのか!?
ちなみに否です。

では、どうぞ。


ボースと「ほっほっほっ。」

東ボース街道に出て、暫く進むと、道の脇にキングスコルプとクインスコルプの群れがいた。

「…お、あれ手配まじゅーじゃん。」

というか、アレが手配魔獣でなければなんだと言うのだろう…

「え?」

「退治退治~。」

「手伝うわよ、アル。」

エステル達が前に出てくるが、助太刀など不要だ。

「不破・弾丸!」

何十発もの弾丸が魔獣に突き刺さり、絶命した。

「ふう、終わった…キングスコルプにクインスコルプか…後でほーこくしときましょー。」

「…あ、あはは…初めて見たけど、圧倒的だね…」

「近寄らせなきゃいーだけだから。」

というか、本気ではない。

本気ならば一瞬で片付けられる。

勿論、武器は持ち替えるが。

「そ、そういう問題?」

「早く進もー?」

「うん…」

東ボース街道の中ほどまで来ると、前方から誰かが来るのを感じた。

遅まきながら、エステル達も気付く。

「あれ…」

貨物用導力車と護衛の遊撃士が歩いてくる。

「よう!シェラザードじゃないか。」

…シェラザードの知り合いのようだ。

「グラッツ、久し振りね。何してんの?こんなとこで。」

「見ての通り護衛さ。定期船が運休してるから、こうして王都まで陸路で積み荷を運んでるってわけさ。」

…腕は良い。

だが、そこまで強い訳でもない。

今のヨシュアでも簡単に伸せそうだ…

「成程、ご苦労様ね。」

「そういうお前さんは若いのぞろぞろ連れてどうしたんだい?まさか…例の事件を?」

「そのつもりだけど…何かあるの?」

「まあな…詳しくはルグラン爺さんから聞いてくれや。じゃ、またな。」

グラッツと荷物はヴェルデ橋の方に去っていった。

…こういう言い方になるとするなら、やはりモルガン将軍か…

「アストンさんといい…何か引っかかる言い方よね。」

「事情がありそうだね。それもギルド絡みで。」

いや、モルガン将軍ならカシウスが原因なのだが。

優秀な部下に去られたからって、邪険にしなくても良いのに。

「ま、ボース支部で聞けば分かるわ。さ、急ぐわよ。」

「そーですね。」

急ぎ足で途中の魔獣を狩りつつボースに辿り着いた。

「やっと着いたわね。ここが商業都市ボースよ。」

「うわ~…いかにも都会って感じね。」

ロレントが田舎過ぎるだけだ。

ボースが都会であるわけではない。

「リベール五大都市では王都に次ぐ大きな街らしいしね。ロレントと較べると建物が石造りで大きい感じだな。」

「…あの建物がゆーめーなボースマーケットか…」

確か、現市長が責任者として開いている巨大マーケットだったはずだ。

「ボースマーケット?」

「ああ、色んな店が集まった屋内市場よ。武器やオーブメント以外はあそこで買えるわ。」

ぶっちゃけ、アルシェムに新調する武器はいらない。

ツァイスに留学していた時に何故か手に入れたゼムリアストーンでアルシェムが特に使える武器を全て作ってしまっているからだ。

持ち運ぶのは重いが、修行だ。

「流石商業都市ね~。あーあ、買い物目的で遊びに来たかったな。」

「それはまたの機会にね。まずはギルドに行こう。」

「…うん。」

…そうだ、すっかり忘れるところだった。

「あ、すぐに終わるから先行ってて。依頼果たしてくる。」

「早めに来なさいよ。」

「りょーかいですっ!」

手紙を届けるために、七耀教会に入る。

「あの、あなたがホルス教区長ですか?」

「ほっほっほっ。いかにも私はホルスですが…何の御用ですか?」

「ロレントのデバイン教区長からお手紙を預かっています。どうぞ。」

親書を渡した。

「ほっほっほっ、これはこれはご苦労様。確かに受け取り申しましたぞ。しかし、お便りがあったということは…また新たな調薬法を考案なされたようですな。」

「…へえ、デバイン教区長があのデバインだとは、ね…」

薬学の大家デバインと言えば、リベールで知らぬ者のいない有名人だ。

ティアの薬やらなんやらを発明する御仁で、遊撃士(ブレイサー)にとっては頭の上がらない人物でもある。

「ほっほっほっ、ご存知なかったのですかな?」

「まさかそーだとは思わなかっただけですよ。」

「ほっほっほっ、今日はロレントからわざわざご苦労様でした。空の女神(エイドス)よ…この方に加護と導きを…」

取りあえず黙れ、ほっほっほ。

妙な笑い方をするんじゃない。

こんな妙な奴が教区長やってて良いのか七耀教会。

「しつれーします。」

一礼して、七耀教会から出る。

女性とメイドの言い争い(?)を横目に見つつ遊撃士協会(ギルド)に駆け込んだ。

「遅くなりました。」

「おお、お前さんがアルシェムじゃな。丁度良い、転属手続きの書類にサインしてくれ。」

「はい。」

転属手続きの書類にサインを終える。

「うむ、良かろう。遊撃士エステル、ヨシュア並びにアルシェム。本日1520をもってボース支部所属を承認する。…まあ、これで市長の依頼をお前さん達に任せられるんじゃが…正直、4人も調査に行かれると回らんのじゃよ。」

まあ、そうだろう。

人員不足は嘘ではない。

「じゃー、やっぱりわたしが掲示板ですね。エステルもヨシュアもシェラさんも、身が入らないかのーせーがたけーですし。」

それに、単独行動なら色々と動ける。

「…ごめんなさいね、アル。気を使って貰っちゃって…」

「気にしねーで下さい。人手不足なんですし。さーバリバリ働くぞっと。ロレントからの親書の配達と東ボース街道の手配まじゅーは終わりましたんで。」

「分かった。済まんの、アルシェム。」

掲示板の方に歩み寄り、見る。

「ルグランさんも気にしねーで下さい。あ、食材の収集とまじゅー捜索受けますね。」

「宜しく頼む。」

そうして、アルシェムの暴走(?)は始まった。




ボースでの依頼は結構多いほうなんですが、手分けしません。
しませんとも。
エステル達では身に入りませんから。

では、また。

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