雪の軌跡 作:玻璃
途中で止まる可能性ありです。
1日おき更新にしますので、いつ止まるかな?と楽しみにしててくださいね(冗談)
では、どうぞ。
クロスベル潜入
ついに、その時がやってきた。
何があっても、何が分かったのだとしても。
やることは変わらないし変えられない。
「…アル?」
例え、何が分かったのだとしても。
「大丈夫だよ。…まずは、リオの着替えだよね…えーっと。」
メルカバの衣装部屋へと移動する。
こういう時のために、とってある衣装が…
まあ、半分は普通の布地だが。
「こ、これが役立つ日が来るとはね…」
色物も実はある。
「ん…どれが良い、リオ?」
ゴシックとか。
パンクとか。
まあ、名前しか知らないが。
「動きやすいの。短パンにー…」
って待って。
「短パン却下。ジーパンね。」
「え、何で?」
「…世の中の男共を悩殺する気?このくそ寒い日に?」
今は冬だ。
冬だったら冬なのだ。
そんな、短パンだなんて…
寒すぎる。
「しないよ!?」
「じゃあ、ジーパンね。上は…ハイネックのセーター。コートとアクセサリーは好きにして。後は…髪型、かな。」
手渡したジーパンを穴が開くほど見つめるリオ。
その気になったら穴の開いたジーパンもあるから。
「アルはどれ着んのさ。」
「え、ジーパンにセーター。後は適当にコート?」
その辺にあるものを指さす。
だって、どうでも良いし。
「あ、あんですってー。」
「何でエステルっぽく驚くのさ。…後、髪の毛はちょっと切るけどね。邪魔だし。」
適当に切れば良い。
どうせ、すぐに伸びて来るんだし。
そう言って髪の毛をくるくる巻いていると…
「…何でそんなに拘らないの!?」
どばーん、と衣装の山を崩された。
解せぬ。
「え、気にする必要ある?」
「あるよ!女の子でしょ、アル!」
え、女の子だから何?
って話だ。
女だからって、服装に拘らなくちゃいけない法律でもあんの?
エステルの服を見なさい。
あの、センスのないダサい服を。
シェラザードを見なさい。
あの露出狂を。
あれだけは、ごめんだ。
「もにょーん…」
「変な効果音出さないっ!」
「ハイ…」
だって、面倒くさいし。
「まずは、このセーターはナシでしょ!」
「え、ただの無地…」
「これは男物なの!」
男物で何か文句があるのか。
着れるじゃないか。
「どーせ絶壁だし着れるもん。」
だが、その抗議は聞き入れられることはなかった。
「後、このジーパン!」
「え、普通のジーパン…」
何の変哲もないジーパンじゃないか。
穿ければ良いの、穿ければ。
「流行の何周外れなのっ!?」
「流行とか、興味ねーもん。」
そんな、面倒な。
「ええい、黙らっしゃい!」
リオが怖い。
「えー…」
「全く…逆に目立つよっ!」
「え、そーなの?」
どうでも良いと思っているだけに、ちょっとだけ驚いた。
まあ、エステルの服のセンスでいっぱい人が歩いていても怖いが。
「つべこべ言わないで、遊撃士の時の服出しなさい。」
「…アレ、使わねーから分解しちゃった。」
もう、使うことなどないと思っていたから。
「…ハァン?」
…怖っ。
「つ、作り直しマス…」
「アタシは適度に見繕うから、とっととやる!」
「ハイ…」
夜なべして作り直すと、形が変わってしまった。
解せぬ。
だ、大体フリルが悪いんだから!と弁明しておこう。
ぐだぐだな上に短いってどうなの。
では、また。