雪の軌跡   作:玻璃

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これを一話にしたらカシウス戦の長さを超えるんですよね。
なので3つに分けました。

では、どうぞ。


守護騎士の扉・後編

アルシェムの部屋に、突如男たちが乱入してきた。

「総長ーっ!!何で俺の部屋の横がうるさいねん!!今は誰、も…?」

「どうやら新入りみたいだよ?」

「…」

三者三様の反応。

ネギみたいな男と、ホストっぽい男、それに禿げ頭の大男。

どうやったらこんな妙な取り合わせが出来るんだろうか。

「えー…初めまして。この度守護騎士第四位に着任致しました第四位《雪弾》エル・ストレイと申します。…先輩方?」

「これはご丁寧にどうも。僕は第九位《蒼の聖典》ワジ・ヘミスフィア。以後よろしく頼むよ。」

「…ワジの従騎士、アッバスだ。」

ワジは素直だ。

従騎士含め癖はありそうだけど。

「何ですぐに馴染めんねん…まあええわ、俺は第五位《外法狩り》ケビン・グラハムや。以後よろしゅう頼んますー。」

「よろしくお願いします、ワジ先輩、アッバスさん、カビン先輩。」

盛大にケビンがノリツッコミ。

「そうそう花活けたら…って、ちゃうわ!!ケビンやケビン!」

「そーですか、キビン先輩。」

「そうそうめっちゃ早う動け…って、ちゃうわ!!ケビンやって!!」

「そーですか、アヴィン先輩。」

「そうそう、実は相棒がマイルで…ってちょお待てこらシリーズがちゃうから!?」

「メタいです、コビン先輩。」

「そうそう、ちっちゃいからどこでも持ち運べ…って、ちゃうわ!!」

「違うんですか、ラヴィン先輩。」

「そうそう、相棒はマールって…だからちゃうっちゅうに!!」

「そーですね、ドビン先輩。」

「そうそう、何か色々入れて蒸したら…ってだからーっ!」

「どーかしたんですか?フビン先輩。」

「そう、めっちゃ可哀想やろ…ってもうええわっ!?」

「えー。」

漫才である。

この男、弄りがいがある。

「はあ…はあ…ええ加減にせえ!」

「はい、ネギ先輩。」

「だからケビンやって!?」

「冗談ですよ。ケビン先輩。アインがそろそろ限界っぽいんでやめますって。」

アインとカリン姉は横でかなり笑いを堪えていた。

まあ、リオもメルもかなり腹筋が痛そうだが。

ワジに至っては大笑いしていた。

「笑うなやワジ!」

「や、ごめんごめん、これはもう漫才コンビ組めばいいんじゃない?アハハハ…」

「何でやねん!?」

それは貴男が面白いからです。

そう、アルシェムは思った。

「くく、シエル、そこの奴らとはタメ語で構わないぞ。」

「あ、そーなの?じゃーそーする。」

「変わり身早っ!?」

ケビン達とお互いの正体については口外しないことを約束しあい、今度こそアルシェムはリベールに向かった。

「…流石メル、まさかメルカバを1人で操作してのけるなんて…」

「造作ないことですよ。」

「造作ないと言ってのけられるのが凄い…」

実質、恐ろしいことにメルの情報処理能力はレンに匹敵していた。

レン…

どうしてるかな…

そこで考え事を中断し、アルシェムは今後のことについて2人に伝えた。

「リオとメル、カリン姉はシスターなんだよね?」

「うん、そうだよ。」

「潜入経験はあるのー?」

3人とも首を振る。

まあ、普通か…

「メル、通信開いて。アインに話があるから。」

「承知いたしました。」

すぐにモニターが出現する。

「どうした?シエル。もう着いたのか?」

「シスターとしてのメルとリオ、それに…仮の名前はヒーナだっけ?に転属して欲しいんだけど。」

「ほう。さしずめメルはロレント、リオは巡回シスターといったところか?ヒーナはどうする。」

メルは、ロレントからの情報送信係。

リオは、リベール国内での情報収集係。

ヒーナは、リベール王家の情報と国外の情報収集。

「当分はグランセル勤務かな。」

「なるほど。情報収集係だな。」

流石アイン。

伊達に総長やってない。

「そーゆーこと。ちなみにメルはわたしの送迎係ね。メルカバはミストヴァルトにでも隠しとく。リオは遊撃に向いてそうだから各地を回りつつ異変を知らせてもらうつもり。」

「そのように手回ししておこう。じゃあ、私は忙しいんでな。」

通信が切れた。

「事後しょーだくでわりーね。」

「全くです。…リベール行きの国際線の乗客リスト、後で改竄しておきますのでそれで地上に降りましょう。…初任務、頑張りましょうね。」

「おー!」

 

そしてリオはボースから巡回シスターとして各地を回り始め、メルとヒーナ、アルシェムはグランセルでカシウスに再会するのだった。

 

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映像を見終わった一同は、腹を抱えて笑っていた。

「…あ、あったなあ、こんなん…」

「け、ケビン…花瓶…」

「止めてくれ、リース…頼む…」

暫くは、このネタで笑えそうだ。

「と、兎に角や!戻るで!」

「はいはい、ラヴィン卿。」

「相棒はマールやのうてリースやで!?」

ケビンの涙目の絶叫を聞き流して、一同は拠点へと戻った。




案外短かった。
案外ネタだった。

何してんだろうわたし。

では、また。

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