雪の軌跡   作:玻璃

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3rdの加筆が終わりません。
何でだろう。

では、どうぞ。


剣乙女

アネラスが石碑に触れると、また違うところに飛ばされた。

「ここは…」

「あれ、さゆー反転?」

場所を指摘するならば、ここは湖畔の拠点か。

「え?」

どう見ても、逆だ。

構造が。

「兎に角、入ろう。」

中に入ると、ミラーヴォーグルが襲いかかってきた。

だが…

「はい瞬殺。」

アルシェムは、それを瞬殺した。

「うわー…ね、アル。もしかしてストレス溜まってる?」

「きのせーきのせー。ま、すすもーか。」

着々と進み、一番奥の部屋まで来る。

すると、そこにはぶらっ…

いや、グラッツがいた。

「え、もしかしてグラッツ先輩…!?」

「え、誰だっけ。」

話の腰を折るためにとぼけてみたが、どうもとぼけたままでは居させてくれないようだ。

「グラッツです。覚えてね。…あの時の神父も一緒か。さて…何をすべきか分かってるよな?」

そう言って、グラッツが覆面を喚び出す。

「わーお。」

どうでも良いが、アルシェムとしては倒しやすい相手だった。

「も、もしかして…」

「グラッツさんが変装してた猟兵…!?」

生きてはいないだけに。

「じゃあ、行くぜ!」

そういってグラッツは襲いかかって…

こなかった。

それは、アルシェムがいきなりグラッツに突っ込んでいったからだ。

「先手ひっしょー!月光朧!」

「なっ!?」

いきなりアルシェムが消える。

「ど、どこに…」

それを見たアネラスが、グラッツに突進する。

「よそ見はダメですよ、先輩!…まだまだまだまだぁっ!とどめっ!…八葉滅殺!」

「ぐっ!?」

アネラスの技を尻目に、覆面の首を落とす。

「ぐわっ!?」

「ぎゃっ!?」

その一撃だけで死んでくれるのはかなりありがたい。

「なっ…!?アルシェム、君は…!?」

動揺したグラッツ。

その隙を、ヨシュアとエステルが突く。

「絶影!」

「金剛撃!」

それで、あっけなくグラッツは沈んだ。

「弱っ。」

「うるっさいよ、そこ!」

これを、負け犬の遠吠えという。

「あはは…」

そして、カードキーを手に入れる。

2階へと上がり、魔獣を徹底的に排除しながら一番奥の部屋にたどり着くと…

「やれやれ…早かったねえ。グラッツもだらしない…」

そこには、カルナがいた。

「カルナ先輩…!」

「済まないね、皆。手助けは許されていないみたいなんだ。」

じゃあ、手加減はいらないか。

増えた謎覆面は、早々に片付けさせてもらおう。

「ごめんね、先輩。今、とーっても、機嫌が悪いんだ、わたし。」

そう言った瞬間に、アルシェムが消える。

「…ゲッ!?」

「あ、アル…」

謎覆面の首が落ちる。

「え、えげつないことするねえ…」

「流石に、本体にはやらねーよ?何が起きるかわかんねーし。」

と言いつつも、さっきはアリオスの首を落としたのだがそれはさておき。

「さ、後は頑張ってー。」

「え、ちょ、まっ…」

誰も待ってはくれなかった。

頑張れカルナ。

「絶影!エステル!」

「おっけー、金剛撃!よっと。」

強烈な一撃のあとでエステルは後ろに下がり…

ジンが上空から強襲する。

「はあああああっ!ふん!雷神脚!シェラザードっ!」

シェラザードがそれに応えてカルナの動きを封じ…

「はい。捕まえたわよ。…アネラスー。」

アネラスはそれを好機とクラフトを叩き込んだ。

「まだまだまだまだぁっ!とどめっ!…八葉滅殺!」

「え、えげつなー…しゃあないなあ。ゴルゴンアロー。」

えげつないと言っている割に、追撃をかけるのがネギクオリティ。

「誰がネギや!」

地の分に突っ込むな、ネギ。

「けほっ…あんた達…人間相手にこれやったら、死ぬよ!?」

身体をぼやけさせながら、カルナは叫んだ。

「うん。わたしもそー思う。」

全く以てその通りです。

「全く…おねーさんからの、最後の意地悪だ。次の相手は教えてやんない。」

そして、カルナは消えた。

「カルナ先輩、大人げない…」

「あ、あはは…」

まあ、遊び心があるということで良いじゃないか。

そう、明後日の方向を向きながらアルシェムは思った。

「だが、恐らく次は彼だろう。」

「ダレ?」

ネギとアルシェム以外は知っているようだ。

「クルツ。」

そして、その名前を聞いたアルシェムは思わず叫んだ。

「は?じょーだん。あのヘタレに何が出来るってーの?」

アルシェムのクルツに対する評価はとんでもなく低い。

一応事情があるのだが、それはさておき。

「一応A級よ?あの人。」

「《方術使い》じゃなくてもう《Nice Boat》でいーんじゃねーの。」

まあ、その通りなのであるが。

兎に角カードキーを手に入れ、3階の一番奥の部屋まで急ぐ。

「…来たか、アネラス君。…に、アルシェム君もか…」

そこに、《Nice Boat》がいた。

「じとーっ。」

「うっ…」

あの時、クルツにぶっ刺された恨みはまだ晴れていないのである。

だから、その弱みに付け込むつもりでいた。

「さ、さて…」

またしても謎覆面が召喚される、のだが…

「あ、アルシェム君!?」

「さっさと退いてよ、このヘタレが。」

その場から消えるアルシェムに。

「うわー…」

やはり、一刀で首を落とされてしまっていたのだった。

唖然とするクルツを前に、エステルが号令をかけた。

「皆、行くわよ!」

「せいっ、はぁっ!」

「ちょ、と…」

ヨシュアが双連撃を放ったり。

「はっ!シルフェンウィップ!」

「こおおおおおっ…養命功!」

何故かジンが回復させてくれたり。

「よっしゃああ!今や!皆、退きや!」

ケビンが、何故か人間相手に…

 

「祈りも悔悟も果たせぬまま…千の棘を以てその身に絶望を刻み、塵となって無明の闇に消えるが良い!」

 

と、厨二発言をして全身串刺しにしてみたり。

「…orz」

何も話すことなく、クルツは消えて行った。

南無三。

そして…

ここで、最後ではなかったことを証明するかのように。

カードキーが現れた。

「え…」

「まだ上があるんか!?」

「と、兎に角上がってみましょう…」

そうして、屋上には。

あまりいてほしくない人物がいた。

「《飛燕紅児》…!?」

「キリカぁ!?」

そう、そこには…

「そんなに驚くことかしら。そこにいる男は置いておいて…久しぶりね、アネラス、エステル、ヨシュア、シェラザードに、アルシェム。私が帰国して以来かしら。」

そんなことを嘯く馬鹿がいた。

「あはは…」

「キリカさん…」

「お久し振りです。」

「ふう…キリカさんも相変わらずね。」

《飛燕紅児》こと、キリカ・ロウラン。

アルシェムの情報網では、この間バカなことをやらかした女だ。

「キリカ…見損なったよ。」

共和国の、情報部とでもいうべきだろうか。

「あら…どうしてかしら?」

「《泰斗》の活人の道…その対象を自分から絞り込むなんてねー。人を活かす道を探るんなら、あんたは遊撃士になるべきだった。」

あんな馬鹿な組織に入るよりは、遊撃士として救う道を探るべきだっただろう。

「おい、アルシェム!?」

少なくとも、共和国のロックスミス機関なるものになぞ、入る必要はなかった。

「予言するよ。あんたは、その手を以て沢山の人間を犠牲にする。そんなバカげた道を選んだんだ。」

沢山の犠牲の上に、共和国の人間の幸せを築く。

その、犠牲となる場所もすでに推測がついていた。

「…何故共和国に帰ったのを知っているのかは別にして。どうして貴女に言われなければならないのか、理解に苦しむわね。」

「何でって…すぐに分かるよ、きっとね。」

それ以上、語ることは何もない。

どうでも良い。

バカな女にかける意味ある言葉など、もういらない。

「…さあ、始めましょうか。《泰斗流》門下…奥義皆伝、キリカ・ロウラン。第二の守護者の門番として、お相手するわ。」

そう言って、キリカは偃月刀を構え、獣を召喚した。




戦闘が早く終わるのは戦闘描写がうまくないからです。

では、また。

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