雪の軌跡 作:玻璃
では、どうぞ。
オーブメントの規格を更新した後…
アルシェムは、わざわざクロスベルからメルを送り出すことにしていた。
「行ってらっしゃい、メル。」
「頑張ってね、ライサンダー卿の手伝い。」
「が、頑張ります…」
メルを見送って。
そして、アルシェムはリオに向き直った。
「さて、こっちはクロスベルだけど…リオは暫く密入国者ね。」
「う…はいはい。」
アルシェムは、入国の手続きをする。
実際には国でもないのだが。
「まずは…遺跡関連の下調べだよ♪」
「観光じゃないよ?」
「分かってるって。…先にあっちをやると精神的に嫌だし。」
「…そうだね。」
そこで、地図を広げる。
怪しいのは…
3か所、か。
「まずは…こりゃまた意味深だけど、月の僧院からだね。」
「あいあい。」
月の僧院へと向かうと、何故か青白く光っている。
まあ、仕方がないので止めに上がることにする。
「…趣味悪いね…よっと。」
「どーみても悪魔崇拝だしねー…邪魔。」
そう言いながらも、魔獣を粉砕しながら登って行く。
探索も兼ねているので、いい運動だ。
「てか、魔獣が多いよっ!?」
「騒がないの。」
誰かにばれたらどうするつもりなんだろうか。
「…何にも面白いのないよね。」
「…こっちは実地でやってたのかもね。なら、次は星見の塔だね。」
原因は鐘とみたので、鐘を法術で止めて貰ってその場を後にした。
そして、その後は星見の塔へと向かった。
「…綺麗…」
「ま、神秘的ではあるけど…星ってーより、天文学的だよね。」
こっちも色々とあったのだが。
「こっちも色々いるよね…」
「ま、こんなものじゃねーの?」
それよりも、大きな収穫があった。
「…!あれは…」
それは、巨大な書架だった。
溢れんばかりの本。
乱雑に積まれた本。
本だらけだった。
そんな置き方をするな。
痛むから。
「…本、だね。読んでみよっか。片っ端から。」
「え゛…食べ物どうするの、アル…」
…そう言えば、忘れていた。
…仕方がない。
持ち出してバレるよりは、手間だが複写しよう。
「…んじゃ、オーバルカメラで全部複写ね。何回かに分けて、メルカバで現像しよっか。」
因みに、権利が切れているために許されるが…
本来ならば、著作権法違反である。
「…長い作業になりそうだね…」
それでも、ちまちまやるしかない。
そうして、一週間後。
「終わった…」
ようやく、複写が終わった。
「見つからなくて良かった。さーて、読むよー?」
「や、休まない、アル…?」
「…わたしは兎も角、リオは不法入国者だけど?」
どうやって気晴らしする気なのだろうか。
「ぐ…」
…あ、でも。
「ま、ミシュラムならバレないか。」
「やった!」
「…と、思ったけど、バレる気がするからその辺の散歩だけね。」
「むぐー…」
本気でバレたらどうするつもりだ。
後の説明が面倒くさい。
「くれぐれも、見つからねーよーにね。行ってらっしゃーい。」
「え、アルは?」
行かない。
「気になるからこのまま読んでる。」
「あ、そ…」
リオは、散歩へと出掛けた。
その、瞬間だった。
「…っ、何!?」
アルシェムは、閃光に包まれた。
そうして、意識を失った。
本の複写は、半分を超えてはいけません。
著作権法違反です。
日本では、ですがね。
気を付けたほうがいいですよー。
では、また。