雪の軌跡 作:玻璃
良いのこれ?
では、どうぞ。
ワイスマンは、杖に力を集めていく。
「ちょっと…何する気よ!?」
その答えは、すぐに出た。
金色の輝きが、ワイスマンを取り込んだ。
否。
ワイスマンが、金色の輝きを取り込んだ。
「ま、まさか…輝く環との融合…!?」
それが、答え。
「フフフ…フハハハハハ…!力が無限に湧いてくる…!」
痛い発言に聞こえるが、あながち間違いではないのだ。
「くっ…!」
「な、何て霊圧…!」
「おいおい、洒落になんねえぞ…っ!」
それでも、果敢に攻撃を試みるエステル。
しかし…
「…こ、攻撃が通らない…」
「どうなってるんだ…っ!」
慌てふためき、焦る一同。
だが、動じていない者もいた。
「落ち着いて下さい、エステルさん達。まだ手はありますよ。ほら…」
「え…」
「あ、あれは…」
ヒーナが指し示した先には、ドラギオンに乗ったレオンハルトがいた。
「な…あの野郎だとっ!?」
「滑稽だな、ワイスマン。そんな醜い姿に成り下がって…そんなに力が欲しかったか?」
そう言いながら、レオンハルトはケルンバイターを障壁に突き立てた。
エステルがいくら攻撃しても崩れなかった障壁。
だが、レオンハルトはいとも容易く罅を入れてみせた。
「レーヴェ…何故、この障壁に罅を入れられるっ!?これは至宝の…」
「この剣は盟主から貰ったものだ。これで答えになるだろう、ワイスマン?」
「外の理か…っ!ええい、退け…!」
そう言って、攻撃しようとするワイスマン。
だが、それを妨害すべく動く者がいた。
「させません…!」
「な…」
「インフィニティ・ニードル!」
針の如く細い法剣を振り翳し、壁(物理)を作り出す。
その攻撃の嵐に、ワイスマンの攻撃は叩き落された。
「え、えええええ!?」
「ひ、ヒーナさん…!?」
「よくやった!後は任せろ…!」
そうして、レオンハルトは障壁を砕いてみせた。
「障壁が…!」
「いけ、エステル・ブライト…!」
「言われなくても!」
そうして、戦いが始まった。
ヨシュアは無論…
「絶影!絶影!」
クラフトでワイスマンの行動を阻害しようとした。
あまり効果はなかったが、牽制にはなる。
「ダイナストゲイル!」
赤毛のろr…
アガットはその攻撃力を活かして堅い防御を突破していった。
「撚糸棍!…アクアブリード!」
エステルはエステルで、遠距離から攻撃を飛ばしてクローディアの回復が間に合わなかった時のために補助要員として立ち回っていた。
「ティアラル!…ティアラ!」
クローディアは回復に専念し、もしも余裕が出来ればアーツを叩き込んでいた。
それを見ながら、ヒーナは優雅にお茶をしているわけもなく…
「喰らいなさい、虚無の弾丸!」
何が起こるか分からないクラフトを遠距離から叩き込んでいた。
レオンハルトはヨシュアと共に行動を阻害すべく…
「零ストーム!」
をひたすら繰り出していた。
最早零ストーム発生器と呼んでも良いだろう。
近づいて戦え。
因みにドラギオンはワイスマンの頭上に座って寝ていた。
仕事しろ。
「GUOOOOO!」
まあ、時々こうして踵落としを繰り出してくれるので良いことにしよう。
そして、アルシェムはというと…
「これ、出る幕なくね?」
「良いから戦いなさいよ!」
「戦うよ全く…不破・弾丸!」
まあ、このクラフトしか使うつもりもないが。
兎に角、弾丸だけを叩き込んでいた。
「舐めるな…!」
そして…
ワイスマンが、怒りで隙を見せた瞬間。
「らああああああああ、だあああああああっ!食らいやがれっ!ドラゴーンっ、ダーイブっ!」
アガットがやらかしてくれました。
「ぎゃあああ!?」
ワイスマンが、少しだけ怯む。
そこに…
「あたしのとっておき、見せてあげるっ!はっ!やああああああっ!奥義、太極無双撃っ!」
エステルの追撃。
容赦ない。
容赦していられる相手でもないが。
「舐めるな…っ!」
「エステル、危ない!」
エステルの真下に穴をあけられそうになったが、ヨシュアが救出。
よし。
エステルはヨシュアに任せておいてよさそうだ。
「ありがと!」
「頼むから気を付けてよ、エステル!」
「ごめんごめん。…ティアラ!」
エステルに回復して貰ったヨシュアが、奥義を発動させた。
「僕はもう逃げない…!」
逃げない、とか言いつつ分身するってどうよ。
という突っ込みはナシにして。
「秘技、幻影奇襲!」
ヨシュア(とその分身たち)がワイスマンを襲う。
「ぐっ!?」
「アルさん、暫く回復はお願いします…!」
え、ちょ、おま…
クローディアは、後衛だっていうのにいきなり祈り始めた。
勘弁してくれ。
後、何て言ってるのか聞き取れない。
「サンクタスノヴァ!」
それが一体どんな原理で爆発してるのか教えてください。
「空の女神の賜物です。」
それで説明されちゃうのもどうかとも思うが。
兎に角、回復はヒーナとアルシェムでどうにか間に合っていた。
「ありがとうございます!」
「…じゃあ、次は私よね?」
いや、順番とかないから。
「行けるなら行って下せーね。」
ヒーナは頷いて。
そして…
「大いなる空の女神よ、加護を。」
ヒーナの大型法術が発動した。
「こ、これって…」
突っ込まないであげてほしい。
「虚ろなりし無より導きて、憎むべき外法に裁きを齎せ。」
乱射される虚無の弾丸。
…あれ、こんなヤバい法術だっけ。
半ば現実逃避しながら、全力で回避行動をとり…
そして。
「…スフィアノヴァ!」
その一撃は、決定的な一打となった。
書いてて思った。
カリンさん物語かけそうかも。
留めすらさせるチートカリンさんですよ?
では、また。