ブラック・ブレット〜赤目の神喰人(ゴッドイーター)〜   作:緋悠梨

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まず謝罪から。ごめんなさい!!
前回のキャラ紹介、飛狼についてですが、こちらの事情で容姿を変更いたしました。本当にごめんなさい!!もう一度前話を見ていただけると嬉しいです。
次はこのようなことがないよう気をつけます……。

えっと、それと今回短めです。


15.日常に潜む非日常

目の前に、お湯の入った鍋がある。

 

「延珠ちゃん、準備はいい……?」

 

「勿論だ。悠梨こそ大丈夫か?」

 

「僕もいいよ。じゃあ、いくよ。……せーの!」

 

「「俺のこの手が真っ赤に燃える!!」」

 

握った右手を思いっきり後ろに引く。

 

「「勝利を掴めと轟き叫ぶ!!」」

 

握り拳を開く。

 

「「……ばぁぁぁぁぁぁく熱!!!」」

 

腰を入れ、

 

「「ゴ○ド!フィンガァァァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!」」

 

全身の力を使って右手を前に突き出す!!

 

ザブン!!

 

「「あっつぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッッッッッ!!!!!」

 

「何やってんだお前らぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

僕と延珠ちゃんが勢いよく手を突っ込んだせいで鍋から盛大にこぼれたお湯を見て、僕達のすることを横目で眺めていた蓮さんが突っ込む。

 

「こ、氷っ!!氷はどこ!?」

 

「出してないのかよ!!ちゃんと準備しとけ!!」

 

パニックになってる僕達の代わりに氷を持ってきてくれた。

 

すぐに手を差し込む。

 

「「ああ、気持ちいい(のだ)……」」

 

氷の冷たさが手に染みるよ……。

 

僕のこの手が真っ赤に茹で上がった……いえ、何でもないです。

 

「……で、その奇行に至った理由は?三行で答えろ」

 

こめかみを抑えた蓮さんに聞かれる。まぁ当然か。でも三行とは鬼畜な。

 

えっと……

 

「授業でやった

盟神探湯(くがたち)を

やってみました」

 

「そうなのだ

盟神探湯なのだ

蓮太郎!!」

 

「そうか分からん。そして延珠はほとんど俳句だろそれ」

 

「えー。日本史の授業でやったじゃないですか」

 

「今日のか?寝てたから知らねぇな」

 

あー……通りで指名されても反応が無かった筈だよ。

 

(※盟神探湯とは、古代の裁判方法の1つで、沸騰したお湯の中に囚人の手を入れて、火傷をしたら有罪、しなかったら無罪とする儀式ですby作者)

 

作者解説ありがとー。まぁ今回は60度位でやったから火傷はしないけど。

 

「ていうか蓮さん、大丈夫なんですか?そんなに授業サボってて」

 

「生物以外訳分かんねーからいいんだよ。お前だって似たようなもんだろ」

 

「失礼な。僕は国語と生物が高いんですよ」

 

「その生物を教えてやってんのは誰だよ?俺は生物は毎回満点だぞ。平均ちょい越える程度のお前のと比べても無駄だろ」

 

「生物以外からっきしじゃないですか。多くの教科がバランス良くできたほうがいいんですよ」

 

「ふん、甘いな。1教科のほうが……」

 

「私からしたらどっちもどっちよ」

 

「「う"っ!!」」

 

いつの間にか事務所に帰ってきた木更さんに直視したくない現実を目の前に晒されてしまった。僕と蓮さんの心に大ダメージ!

 

「……つか、木更さんいつからいたんだよ?」

 

「『ていうか、蓮さん』の辺りからいたわよ。それに何よ?このこぼれた水。早く吹きなさいよ」

 

ゴッドフィ○ガーは見られてなかったようだ。延珠ちゃんと2人で急いで床を拭く。

 

そんな僕達を眺めながら、ソファーに座った蓮さんが呟く。

 

「……しっかし、東京エリア壊滅が迫っているとは思えない状況だな……」

 

「そうね……」

 

「実感なさすぎですよ」

 

「本当に滅ぶのか、蓮太郎?」

 

「ステージⅤが来たらな」

 

昨日の電話の後、事務所に戻って聞いた説明で初めて耳にした単語、『ステージⅤ』。とてつもなく巨大で、バラニウムの影響を受けないらしい。

 

これが東京エリアに召喚されるかもしれない。関係者は蜂の巣をつついたようになっているそうだ。

 

「バラニウムが効かないとか、そんなのどうやって倒せって言うんですか」

 

「序列1位に聞きゃ分かるだろ」

 

「誰か知らないんですけど」

 

「俺も詳しくは知らん」

 

本末転倒だ。フラッとステージⅤを一体倒した序列1位……どんなペアなんだろうか。

 

因みに奏は今日学校を休んだ。AE内で何かやってるのかもしれない。

 

「とりあえず、すぐに政府主導による『七星の遺産』の回収作戦が始まるでしょうから、いつでも動けるように準備しとくのよ。決して蛭子影胤に遅れをとらないように!!」

 

「「「了解!」」」

 

蛭子影胤、この人が『七星の遺産」を使ってステージⅤを召喚しようとしているらしい。何としてもとめないと……!!

 

……話が突然変わるけどさ。

 

「蓮さん、コンビニってなんですか?」

 

「お前コンビニ今まで使ってなかったのか……」

 

なんか呆れられた!

 

「仕方ないじゃないですか、分からないんですから」

 

クラスメイトに帰りに寄ろうと誘われたんだけど、コンビニが何か分からなかったので断ってしまった。

 

「はいはい。んじゃ帰りに皆で寄ってくか?」

 

そう言って蓮さんが皆を見るが、木更さんが手をあげた。

 

「里見君、せっかくだけど、私今からあそこ行ってくるから。気にしなくていいわよ」

 

「……そうか、分かった」

 

(あそこ?)

 

あそことはどこか聞きたいところだけど……蓮さんから『絶対に聞くなオーラ』出てるからやめとこう。

 

「それじゃ、行ってくるわね」

 

「おう、行ってら」

 

木更さんがドアを閉める

 

「んじゃ、俺らはまた依頼来なかったらそのまま終わりな。んで帰りにコンビニ寄る、と。よし寝よ」

 

「決めるの早!?」

 

「zzz……」

 

寝るのまで早かった。

 

「……日本史やろうか」

 

延珠ちゃんが蓮さんの横でなんとか添い寝しようとしてるのを視界の端に捉えつつ、僕は日本史の道具を机に広げた。

 




蓮太郎からステージⅤについて説明を受けている時の悠梨

「……なんで僕の星座の蟹座(巨蟹宮)だけ欠番なんですか」
「いないならいないでいいだろ。むしろ少なくてありがたいと思え」

あと木更さんは透析に行きました。

次は夜道で影胤&小比奈と遭遇です。
警官に打たれる『呪われた子供たち』は上手く書ける自信がないです。

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