ブラック・ブレット〜赤目の神喰人(ゴッドイーター)〜   作:緋悠梨

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始めまして。今回始めて小説を書いてみました。
駄文ですが、お付き合いいただければ嬉しく思います。

プロローグのみ、GE2のラストの話なので、ブラブレ目的で来られた方にはさっぱりだとは思いますが何卒…


緋上悠梨という人物
1.プロローグ


『世界を拓く者』、つまりジュリウスの成れの果てから迫る触手はどんどん数を増している。向こうの偏食場パルスはどんどん強くなっていた。こちらも早くしなければならない。

 

(やっぱり止まってくれないか…)

 

僕、緋上悠梨はそう考えながら触手を切り裂いていく。背後にいる葦原ユノを守る為に。

 

ユノは既に「光のアリア」を唄い始めている。彼女をやらせる訳にはいかなかった。

 

『偏食場パルスを2つ確認…!』

『ブラッド側の終末捕食、来ます!!』

 

オペレーターのフラン、ヒバリさんの声と共に、背後から凄まじい気配が立ち昇った。『もう一つの終末捕食』が始まった。

 

 

------

 

 

「終末捕食を防ぐためには終末捕食で相殺するしかないね。ただし、僕が今考えているこの方法だと、ブラッドの皆とユノ君の犠牲は避けられないがね…」

 

作戦会議でのサカキ博士の言葉だ。勿論かなり悩んだ。自分達が死ぬのだ。簡単には決められない。

 

だが最後は「ジュリウスを助けたい」その一心で心がまとまったのだ。そして今ここに至る。

 

 

------

 

 

終末捕食が展開したところまで上手くいっていることには安心してる。しかしまだ気は抜けない。自分には最後に大切な仕事があるんだ。そう思い直し、気を引き締め直した。

 

その時、

 

「ユノさん!?」

『ブラッド側の偏食場パルスが、弱まっていきます……』

 

驚くシエルの声。気付くとユノの歌が止まっていた。『世界を拓く者』の偏食場パルスに押されている。

 

『人の時代が、終わってしまうのか…』

(ここまで…なのか…!?また救えないのか!!)

 

ロミオやジュリウスのこと…守れなかった仲間のことを思い出し、サカキ博士の漏らした言葉に思わず歯ぎしりしたくなった。

 

しかし、再び通信が入る。

 

『待って下さい!!これは…!?』

 

フランの驚きの声と共にどこからともなく「光のアリア」が聴こえてきた…

 

 

---sideユノ---

 

 

どこからともなく聴こえてきた「光のアリア」。

 

「どうして….」

 

なんで、こんなに歌声が….

 

『….ユノ、聞こえる?』

 

また通信が入った。マネージャーのサツキからだった。という事は、これはサツキが何らかの方法で….。

 

世界中から偏食場パルスが自分に集まってくる。

 

歌には、力がある。そのことを忘れていた。どうしたこんな簡単なことを忘れていたんだろう….!

 

でも、もう忘れない

 

……もう、負けてなんかいられない…!!

 

「光の声が呼んでいる

無くした日々の向こう側…」

 

再び歌い始める。1人で戦ってなんかいない。皆で戦っている。自分を中心にした偏食場パルスが強くなっていくのが見えた。

 

「光のアリア」を歌い終わると、ブラッドの現隊長、緋上悠梨が近づいてくるのが見えた。彼となら絶対うまくいく。そう信じて、お互いに手を伸ばす。

 

悠梨と手が触れ合った瞬間、彼が自身の血の力、『喚起』を発動させた。そしてその直後

 

『終末捕食、来ます!!!』

 

フランの声と共に、再び、自分を中心に、偏食場パルスが増大した。

 

2つの終末捕食がぶつかり合う。風が吹きあれ、赤い光があちこちに走る。

 

そして、白い光に視界を奪われ……

 

 

-------

 

 

ーーーside悠梨ーーー

 

 

…目を開けると、ナナ、ギル、シエル、そしてユノの姿が見えた。周囲は真っ暗で、自分達の立っているところにだけ光が射し、花が咲いている。どこかは全く分からなかった。

 

ふと、誰かの近づいてくるのが見えた。その姿を認め、

 

「ジュリウス…」

 

思わず、そう漏らした。

 

ジュリウスと触れ合うことは出来ない。透明な壁が立ち塞がっていた。

 

「一緒に…一緒に帰ろうよ、ジュリウス!」

 

ナナがそういうが、ジュリウスは首を横にふった。彼曰く、特異点がこの場に1人残り、終末捕食を食い止めなければならないという事だ。

 

「ここは俺の『持ち場』だ。だからお前たちにはお前たちの『持ち場』、つまり外だ。ここを任せたい」

 

そして、続ける。

 

「これは、命令じゃない。俺からの……願いだ。俺を許してくれるなら……俺は、ずっと一緒にお前達と戦い続けたい…っ!!」

 

その言葉を聞いて、ナナとシエルがついに泣き崩れた。

 

ジュリウスはそのまま僕の方を向いて「…頼む!」と続けた。

 

「…ジュリウスがお願いだなんて、らしくないねぇ」

 

涙は止まらない。だからわざと明るめに言ってやった。

 

「ふっ…熟知している」

 

ジュリウスも少し笑って返す。そのまま手を伸ばし、ジュリウスと壁越しに触れ合う。『喚起』を再び発動させ、ジュリウスの『血の力』を最大限まで呼び起こした。そうして、お互い手を離す。

 

「ありがとう……そろそろ、始まる」

 

そう言って、ジュリウスが闇に振り返った途端、黒い靄が発生して大小様々なアラガミへと変化した。感応種までいる

 

(あれだけの数を一人で…ジュリウス…お前は…)

 

「……お前達も自分の持ち場に戻るんだ、いいな?」

「…分かった、ジュリウス。向こうは任せておいてくれ」

 

最初に答えたのはギルだった。堪えきれない涙を落としながらも、毅然と振り向いて歩いて行った。

 

「……ギル……」

「…行こう、シエルちゃん……ジュリウスの言うとおりだよ…。一緒に、戦う仲間だから……ここで、立ち止まっちゃいけないって、そう思うんだ……」

「……シエル、行こう。ジュリウスの思いを無駄にしちゃいけないからさ……僕達も、出来ることをやるために、持ち場へ戻ろう…!」

 

ナナと一緒にシエルに声をかけた。言っててまた涙が出た。

 

(情けないなぁ僕…最後くらいジュリウスを安心させなきゃ)

 

涙を拭いて立ち上がる。

 

ユノが横に並び、ジュリウスに告げる。

 

「ジュリウス……ご武運を……」

「……ああ、皆…俺を信じてくれて、ありがとう…!」

 

その言葉を聞いて、ナナとシエルが泣きながらも立ち去って言った。それに続いてユノと共に踵を返す。

 

…もう、泣かない。ジュリウスは一緒に戦ってるんだ。寂しいことなんてないんだから。

 

最後にもう一度振り返ると、ジュリウスが歩き去るところだったので呼び止める。

 

「ジュリウス‼必ず…必ず助けに行くから‼待ってて!!」

 

大声でそう告げた。

 

ジュリウスは少しだけ振り向き、何かを告げた。そして左手を突き上げ去って行った。

 

その姿は、本当にカッコよかった。

 

 

世界が、また白に染まっていく……

 




1000文字わかってたけど長い…!!
感想、指摘等ありましたらよろしくお願いします。
また作者受験生なので更新がとても遅いかと…受験終わったら書きます、はい。
次は今から書いてきます。

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